「いいとこどり」と「どっちつかず」

先日、家でカレーと牛丼を作りました。
作りながら、そういえば昔松屋という牛丼チェーン店でよく「カレギュウ」というメニューを好き好んで頼んでいたことを思い出しました。

「カレーか牛丼かモーまよわない」という緩いキャッチコピーにひかれて食べたのがきっかけで、カレーと牛丼の具にライスが挟まっているもので、別々に食べても一緒に食べてもうまい、という当時の松屋の2大人気メニューを一皿で味わえるとても欲張りなメニューでした。
学生の時分にはその金額もうれしく、またそれ以上に「二兎を追う者は一兎をも得ず」という格言を真っ向から鮮やかに切って捨てるこのメニューに飲食店としての哲学を感じたものです。。
※現在でもカレギュウというメニューはありますが、私がよく食べていた時とは少し趣がかわっていて、なんとカレーが別さらになっています。牛丼も「プレミアム牛丼」となっていますし、松屋はグレードアップしてセレブのお店になったようです。

さてこのようないわゆる「いいとこどり」は何も松屋の専売特許ではありません。
商売をする上で甘口な言葉で人の興味を誘うということはどの業界でも行われています(カレーか牛丼かモーまよわない、が甘い言葉かどうかは置いておいて)。

我々、医師の転職支援会社が跋扈する医師の転職市場でも医師の先生方に興味を持ってもらえるよう色々な工夫をこらして医師求人をアピールしています。
例えば、昔から高い人気を誇る求人カテゴリとしては「高額×ゆったり」というものがあります。
勤務の忙しさとその対価として給与は比例することが多いです。病棟の患者さんを人より多く見る、当直にたくさん入る、外来を数多くこなす、などを許容すればその分給与として見返りが得られます。
反対に、残業もなく日中の勤務も穏やかで休みも多い、このような職場は給与もそれなりです。
その通説を覆すことで市民権を得たのが「高額×ゆったり」という求人カテゴリです。

相反するようにみえるこの2つのものですが、医師求人というカテゴリではそんなに珍しいものではありません。
急募求人であったり、交通の便が悪い医療機関の求人であったり、色々な要素が「高額×ゆったり」という求人を実現させています。
医師の転職市場の特殊性、偏在がなせる業です。

上記は一例ですが、医師の紹介会社は様々な視点からその求人にプレミアム感をのせようとします。
しかし、そのようなプレミアム求人が本当に全ていいとこどりを実現できているかどうかですが、残念ながらそうでないケースもあります。
いいとこどり、どころかどっちつかずのような求人だとかえって後から苦労するということも・・・

JMCの医師求人はスキルフルな医師に満足いただけるような求人、高額求人に特に強いと言われています。
しかし、実は「ゆったり勤務」という概念を多用するようにしたのはJMCなのです。
相反するような2つの条件をいいとこどりにした案件を提供するには、その条件のどちら側にも精通していることが必要です。
そしてそれを適正に扱う・提供するには医師の転職ということを業としている者の哲学が必要なのです。
それが無ければ、正に入職後に苦労が待っている「どっちつかず案件」になってしまうのです。

中途半端な見識で、いい加減に求人のいいところをアピールしたところで絵にかいたカレギュウです。
カレーもうまい・牛丼もうまい、という松屋のバックボーンがあったからこそカレギュウは「モーまよわない」メニューだといえるのです。
カレーをかけてしまえば牛丼の具もカレーの具になるだろう、といった乱暴な思想のものでは真の「カレギュウ」は作れないのです。

手前味噌ですが、JMCのエージェントは科目や属性の得意・不得意である程度専門分化されています。業界経験も豊富なエージェントが多く、他社に行けばマネージャークラスがゴロゴロ在籍しています。
JMCへご登録いただければ、先生のご希望を叶えるために最適なエージェントが担当させていただきます。
どうぞお気軽にお問合せ・ご相談ください。

COSTCO

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先日、横浜のコストコで突然背後から私の名を呼ぶ声がしました。

まさか自分の事ではないと思い無視していると、やたらガタイのデカい派手な人が近づいてきて、

「おい!無視すんなよ!」と声をかけてきました。

なんと、その人は学生時代の先輩で、岐阜県の下呂にいるはずの方でした。

ご家族の方も一緒で、もう一人の先輩も一緒にいました。

年賀状のやりとりは続いていたのですが、直接お会いするのは10年以上ぶりぐらいで、

まさか、横浜の外れのコストコで会うとは夢にも思いませんでした(苦笑)

どうやら連休を利用して関東まで遊びに来ていたのですが、

出会った場所がコストコというのが不思議な感覚でした。。。

ディズニーランドのような施設で出会うのなら分かるのですが、なぜコストコ??という感じです。

裏を返せば、コストコとは、それだけ集客力のある施設だともいえます。

コストコ(Costcoは、アメリカ合衆国に本社を置くチェーン店です。

直近の売上は6兆円を超える、超巨大企業です。

日本には現在8店舗あり、もうすぐ群馬の前橋にもオープンします。

久山倉庫店(福岡県、19994月オープン)

幕張倉庫店(千葉県、200012月オープン)

多摩境倉庫店(東京都、20029月オープン)※20116月現在、営業停止中[6]

尼崎倉庫店(兵庫県、20034月オープン)

金沢シーサイド倉庫店(神奈川県、200410月オープン)

川崎倉庫店(神奈川県、20077月オープン)日本法人の本社を兼ねている。

入間倉庫店(埼玉県、20084月オープン)三井アウトレットパーク入間と隣接。

新三郷倉庫店(埼玉県、20097月オープン)ららぽーと新三郷と併設。

わたしも月に2回ぐらいはコストコに通っているのですが、

コストコの何が面白いかというと、アメリカ的な商品の配置です。

天井の高い倉庫に、木製のパレットに積まれた陳列棚は、正にアメリカです。

また、私が通う金沢シーサイド倉庫店は、外人の店員さんが多く、異国の情緒たっぷりです。

いつも大した買い物はしないのですが、見て回るだけで面白いのです。

とにかく、包装のサイズがでかいので、1家族で買うのは無駄になるため、

購入した物は、嫁の実家とシェアすることが多いです。

フードコートのメニューもアメリカンで、私は「プルコギベイク」が大好きです。

また、飲料は80円で飲み放題なので、入店後、すぐに買いに行くと沢山飲めるのでお勧めです(笑)

フードコートの料金も良心的であり、ほとんどが300円以内だと思います。

コストコの中で、わたしが最も楽しみいしているのは、「試食」です。

果物からお肉まで、いろいろなものを試食できるので、全部回ればお腹いっぱいになります。

人気のある食料品だと、長蛇の列ができ、そこはディズニーのアトラクションさながらの風景です。

そうです。

もはやコストコは単なる「量販店」ではなく、「エンターテイメント」なのです。

だから懐かしい友人にも偶然出会うのです(笑)

ネットで買い物をする今の世の中、異色な存在ではありますが、

今後もコストコを応援していきたいと思います。

 

 

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ミネラルウォーター

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「ガソリン」の次は「水」ですか・・・

蓮舫消費者相は23日、水の買い占めをやめるよう呼びかけました。

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 東京都の浄水場の水道水から乳児向けの基準を超える放射性物質が検出されたことに触れ、

 「飲料水が必要なのは赤ちゃんであり、被災地の人々。大人は基準内なので一義的に必要ない。

  冷静に考えてほしい」とミネラルウオーターの買い占めなどを慎むよう呼び掛けた。

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ガソリンは我慢して控えることができましたが、水となると話は変わってきます。

しかも、乳児向けはNGときました。

当然、お腹に赤ちゃんがいる妊婦もNGです。

わたしの周りにも妊婦や乳児が大勢いるので、他人ごとではありません。

昨日、近所のコンビニや通販をチェックしましたが、全て売り切れ・・・

今さらジタバタしても仕方がないと諦めていますが、この買い占めパワーは凄いですね。。。

Yahooオークションにおいては、普段12L100円程度の水が6本で2万円で落札されています。

こんなときに人の足元をみて商売する人は「鬼畜」です。

一方、母子手帳を見せれば優先的に売ってくれるスーパーもあるようです。(イトーヨーカドー等)

それにしても、政府の報告のやり方がマズイと思います。

今のやり方は「買い占め」を助長しているようにしか思えません。

消費者の行動を先読みして、対応策を考えたうえで発言してもらいたいものです。

何でもかんでも事実を時系列に伝えるのであれば、それは単なる伝書鳩です。

事実報告と対策をセットで発言しなければ、パニックになるだけです。

ところで、皆さんが買い占めている「ミネラルウォーター」ですが、

必ずしも健康に安全という訳ではありません。

ミネラルウォーターとは、容器入り飲料水のうち、地下水を原水とするものを言います。

ミネラルウォーター類の品質ガイドラインは農林水産省により内容物の表示を定められています。

水道水の品質ガイドラインは、水道法第4に適合することと定められていますが、

ミネラルウォーターは、水道法第4条から「カルシウム」「マグネシウム」「pH値」などの

項目を除いた基準に適した水のことを言います。

要するに、ミネラルウォーターの方が水道水よりも規格が緩いのです。

ミネラルウォータの製造基準を定めているのは、食品衛生法という厚生労働省の定めた法律です。

ミネラルウォータは、清涼飲料水という大分類の下に入っており、18項目の基準があります。

一方、水道水は食品ではないため、品質基準が食品衛生法で決められている訳ではありません。

水道水は衛生面で非常に重要なものなので「水質基準に関する省令」というもので決められています。

そして、これらの基準項目数は50項目からなっています。

しかも、基準となる項目数が多いだけではなく、基準値の幅も厳しいのです。

例えば、「ヒ素」の基準は水道水の方がミネラルウォーターよりも5倍厳しくなっています。

その他の項目でも、2~4倍程度も水道水の方が厳しい基準となっています。

このようなことになっている理由は、水道水は生活必需品と捉えられている反面、

ミネラルウォーターは嗜好品なので、飲んだ人が健康を害したとしても自己責任と考えられているからです。

要するに、ミネラルウォーターは味を楽しむ飲み物「嗜好品」、タバコのようなものなのです。

ちなみに、硬度の高い硬水(コントレックス等)は乳児には向きませんので、お気を付けください。

しかし、被災地とは比較にならないものの、関東においてもライフラインが崩れてくると、

乳児や妊婦にとっては、関西方面への「疎開」が現実味が帯びてきます。

いろんな意味で「疎開」が可能な方はお早めにどうぞ。

幻の羊羹(ようかん)

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住みたい街No1の「吉祥寺」に、たった1坪で年商3羊羹屋があります。

 

このお店は知る人ぞ知る、超有名な和菓子店なのですが、

名前は「小ざさ」といい、1951年の創業当初から1150本限定」を守り続けています。

ちなみに、この店で取り扱う商品は「羊羹」「もなか」2品のみとなっております。

 

この老舗の羊羹屋がこれだけ高い坪効率となっているのは理由があります。

それは、「お客様を大切にするルール」を創業以来ずっと守り続けているからです。

(坪効率とは1坪あたりの収益率なのですが、あのユニクロでさえ「年商300万/1坪」程度です。)

 

 

ルール1:羊羹の本数は150本限定。

限定生産の理由は、品質を維持できる量で小豆を炊けるのは一度に三升、およそ50本分。

小豆を炊いて練りの作業を完成させるまでに3時間半もの時間がかかるので、

1日に3回の150本分をつくるのが限度だからです。

 

ルール2:羊羹は予約販売は一切せず、身内といえども店先の行列にならばなければならない。

「小ざさ」の羊羹は、その入手困難さから”幻の羊羹”とも言われています。

買えるのはひとり5本までなのですが、ほとんど全ての人が5本買っていくので、

先着30人(1505)までに入らなければ購入することができないのです。

よって、通常は毎朝45時から行列ができ始めるそうです。

社長の稲垣篤子さんの旦那様でさえ、行列に並んでいるのは有名な話です。

 

ルール3:創業以来、「値上げはしない」という姿勢を貫いている。

     羊羹は1580円、もなかは154円という値段なのですが、

     羊羹は創業以来一度も値上げを実施しておらず、

     もなかについても15年前に1回だけ51円→54円に値上げしたのみということです。

     最近ではコーヒー豆の高騰でコーヒーの値上げが流行っていますが、見習って欲しいものです。

 

 

こういった「ルール」は一見何気ないことに見えるかもしれませんが、

継続することで力を発揮するのだと思います。

 

 ・品質を維持するためにむやみに事業を拡大しない

 ・身内といえども厳しく律する

 ・自らの企業努力により簡単には価格転嫁しない

 

一つのことを信念を持ってやり遂げる。(やり続ける)

わたしも見習いたいものです。

 

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牛丼価格戦争

 

今年もまた牛丼価格戦争が始まりました。

【牛丼戦争 2011年も111日ゴング鳴る】     By JC-NET

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  大手牛丼チェーンのすき家、吉野家、松屋フーズの各社は、

  111日から17日まで牛丼の値下げ合戦を繰り広げる。

  主力の牛丼並盛りの価格は、

  すき家が280円を250円に30円値引販売。

  吉野家は380円を270円に、松屋も牛丼並320円を240円に、

  松屋は期間限定ながら最安値更新となった。

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これで本当に採算が取れているのか不安になる価格です。

期間限定なので、おそらく採算は取れていないのでしょうが、

こんな価格で牛丼屋さんの経営は大丈夫なのでしょうか?

牛丼チェーンといえば「吉野家」「すき屋」「松屋」ですが、

その店舗数は20108月時点で、すき家は約1500店、吉野家は約1200店、松屋は約800店。

わたしの世代では、牛丼と言えば「吉野家」でしたが、時代は「すき屋」なのです。

いずれのチェーンも出店ペースを上げており、現在は更に増えていると思います。

ちなみに、業界4位は関西をベースにした「なか卯」ですが、現在約500店あります。

実はこの「なか卯」、「すき屋」の親会社「ゼンショー」の完全子会社です。

「なか卯」+「すき屋」=約2000店 です。 恐るべし「ゼンショー」ですね・・・

さて、牛丼価格戦争は昔から継続されていますが、その変遷はどのようなものなのでしょう?

実は、最初に仕掛けたのは「松屋」だといわれています。

下記のグラフは年度ごとの「牛丼・並み盛り」の通常価格の推移です。

  ※2010年までは期間限定価格除いていますが2011年のみ期間限定価格

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2000年に松屋が大幅値下げを実施し、翌年それに引きずられるように他社も追随しています。

しかし2001年からは、すき屋がプライスリーダーとなり、

期間限定価格を除いた通常価格においては、常に最安値で勝負してきました。

(吉野家は2004年のBSE事件以降、低価格路線とは一線を画してきました。)

 

その結果、牛丼チェーン1位の座を吉野家から奪ったわけです。

業績にもはっきりと表れています。

下記のグラフは「吉野家」と「ゼンショー」(すき屋の親会社)の業績比較です。

gyudon.png 

左が売上高のグラフですが、2000年から横ばいもしくは微増の「吉野家」に対して、

2000年にわずか170の売上だった「ゼンショー」は、

2009年には3,100の売上を達成しています。

※ゼンショーの売上は、全てが「牛丼」の売上ではありません。

利益に関しても、吉野家の売上を上回った年から一気に増加しています。

価格破壊によるシェア拡大で、バイイングパワーの向上させ、コスト削減により、

更なる安値で勝負することができるという、素晴らしい好循環が生まれています。

ただ、ここへきて「ゼンショー」の成長にも陰りが見えており、

借金を大量に抱えてM&Aをやりまくったツケが回ってきた感じもするので、

予断は許さない状況です。

そんな訳で、低価格戦略は競合相手が潰れるまで続けるしかないのでしょう。

何事にも適正価格というものがあるのですから、なんとかそこで収まらないものでしょうか?

昔の人なら「談合」していたのでしょうが、コンプライアンスが重視される今の時代、

そんなことはありえないのでしょう・・・

これぞ正に 食うか食われるかの世界  「弱肉強食」 「肉食が巣食う資本主義」  ですね。

 

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