スポーツマンは「勝負師」であれ

 

2014FIFAワールドカップ・ブラジル大会が終了しました。

結果は、延長戦の末、ドイツがアルゼンチンを1-0で制し優勝を決めました。

ロースコアな神経戦が好きなわたしとしては、非常に良い決勝戦だったと思います。

 

今回のワールドカップが始まる前、

日本は攻撃型のサッカー(ポゼッションサッカー)を目指すと豪語し、

しきりに「自分たちのサッカー」という言葉が使われていました。

 

 

今更ですが、この「自分たちのサッカー」という言葉には違和感を感じます。

 

 

なぜなら、スポーツにおいて自分の思い通りにプレーができる状況は限られています。

自分の思い通りにプレーができる時間帯とは、いわゆる「ゾーン」に入る瞬間なのですが、

スポーツ選手はゾーンに入れば無意識にスーパープレーを連発します。

そのため、できるだけ早くゾーンに入れるよう日々鍛錬を積んでいます。

 

しかし、試合中にそのような状況に入れることは滅多にありません。

なぜなら、対戦相手は敵をゾーンに入れさせないために、

ありとあらゆる神経戦を仕掛けてくるからです。

 

ということは、ほとんどの時間帯は自分のプレーができない訳です。

そんな時間帯に何をすべかというと、とにかく相手の長所を消すべく弱点をつきまくるのです。

要するに、対戦型スポーツとは相手が嫌がることをやり続ける嫌らしいゲームなのです。

 

実力が圧倒的に相手よりも上回っていれば、自分のプレーをすることに集中すれば良いですが、

自分の方が劣っている場合はもちろんのこと、力が競っている場合は守備的にいくことが常道です。

(今回のワールドカップで日本のランキングは32チーム中29位だったので明らかに弱者です。)

 

そもそも、ワールドカップとは代表チームのナショナリズムの戦いです。

だから普段サッカーに全く興味のない「にわかサッカーファン」までお祭り騒ぎをするのです。

単なるエキジビジョンマッチではなく、国と国が威信を掛けた戦いの場なのです。

 

そんな状況において「自分たちのサッカー」などさせてもらえる訳がなく、

できるだけ負けない戦い方をしなければならないのです。

相手の良い部分を潰し合うのが戦いの鉄則なのです。

 

ワールドカップは予選リーグのグループステージと決勝リーグのノックアウト方式がありますが、

グループステージといえども初戦の結果でほぼ予選突破の可能性が決まります。

決勝リーグに至ってはもはや一発勝負であり、最悪0-0PK狙いでも良いのです。

 

そのため、これまでワールドカップで優勝したチームは全て失点が少ないチームです。

(今回優勝したドイツも失点が最も少ないチームでした。)

とにもかくにも、ワールドカップとは1点が非常に重い大会なのです。

 

 

当たり前のことですが、ワールドカップで勝ち進むためには、

まずは守備を固めることが重要です。

 

 

これはサッカーだけに言えることではなく、ほとんどのプロスポーツで言えることです。

勝率を上げるためには失点しないことです。

 

突然野球の話になりますが、かつて常勝チームだった中日の落合監督は守備重視の考え方でした。

落合監督の7年間は「1位、2位、1位、2位、3位、2位、1位」と、抜群の成績です。

しかし、ロースコアな野球は観客にとってつまらないという理由で解任されてしまいました。

そして、落合を首にした翌年から中日の成績は下降線を辿り、観客は更に減ってしまいました。

 

野球はピッチャーが試合を作りますが、防御率を上げるためにはバックの守りは非常に重要です。

打線は水物という言葉もありますが、攻撃は予測が立てにくく運に左右されることが多いです。

しかし、守備にスランプはありません。

となれば、勝つためには守備を強化した方が確率が上がります。

点を取られなければ負けない。

非常に単純明快な論理です。

 

 

また、ワールドカップはナショナリズムの戦いと書きましたが、

サッカースタイルはその国の国民性やサッカーの歴史が色濃く関係してきます。

日本が対戦したコロンビア、ギリシア、コートジボアールは三者三様のスタイルがあります。

 

コロンビアは南米特有のリズムのある攻撃が持ち味で、パスワークも個人技も優れています。

ギリシアは典型的な堅守速攻型のチームで、長身のディフェンスを活かした超守備的サッカーです。

コートジボアールはアフリカ系なので、身体能力の高さを活かした個人技で攻めてきます。

 

 

では日本のサッカースタイルとは?

 

 

日本の目指すべきサッカースタイルは未だ定まっていないと思われます。

その原因のひとつは、監督がコロコロ代わるからです。

しかも、その監督の国籍も毎回変わります。

監督が代わるたびに戦術が見直され、代表に選出される選手の特性も変わります。

これでは、日本固有のスタイルを定めることはできないでしょう。

 

今回ベスト4に残った国の監督は全て自国出身です。

ちなみに、優勝国ドイツのレーヴ監督は2004年に代表のヘッドコーチに就任し、

2006年のドイツ大会終了後にクリンスマンからバトンを受け継ぎ監督となっています。

ということは、足掛け10年、ドイツ代表の強化に携わっていたわけです。

 

世界の強豪国ですらこの体制なのですから、

異国から来た監督が4年という短期間で代表チームを作ることなど土台無理な話です。

日本の次の監督はメキシコ出身のアギーレ氏(55)と言われていますが、

日本人から監督を選ぶ余地はなかったのか気になるところです。

(個人的には宮本恒靖(37)あたりに10年スパンでやらせてみたら面白そうな気がします。)

 

ただし、このアギーレ氏の戦術は守備的であり、

スター選手を特別扱いしないという部分は好感が持てます。

(今回のザックジャパンではスター選手を特別扱いしすぎたと思うので。。。)

 

とにかく、ワールドカップで勝ちたいなら、まずは守備を強化すべきだと思います。

日本人はメンタルが弱いので、失点すると一気に勢いが無くなります。

だから、序盤で先制点を奪われてはいけないのです。

 

外国人監督に期待したいことは、

戦術を決める上で日本人特有のメンタリティも考慮して欲しいということです。

かつて代表監督を務めたジーコが言っていました。

「日本は失点すると精神的に浮き足立ってしまう。これが日本の欠点だ」

「きっと国民性なのだと思う。」

「他の国では考えられないのだけど、なぜか失点に対して過剰な恐怖感や失望感がある。」

 

このことは戦術を決める上ではフィジカルやテクニックよりも重視すべきポイントだと思います。

日本人は真面目すぎるので、一度落ち込むと、すぐに立ち直れません。

ということは、できるだけ失点しない守備的戦術を選んだほうが良いのです。

 

 

という感じで、今回のワールドカップについて一方的に私見を述べさせていただきました。

同意できない方はごめんなさい(笑)

 

 

言いたかったことは、

ワールドカップは勝負事であるということ。

勝負事においてカッコイイ勝ち方なんて必要なく勝てば官軍であるということ。

勝負事はメンタルが非常に重要であるということ。

 

 

“サッカー日本代表はスポーツマンであると同時に「勝負師」であれ”

 

 

○○放題のワナ

 

いきなりですが、「○○放題」というと何を思い浮かべますか?

 

 

ひと昔前なら「食べ放題」「飲み放題」と飲食系を連想することが多かったですが、

今の時代は「パケ放題」「スマ放題」など通信系を連想する方が多いのではないでしょうか?

 

 

そもそも「放題」とは、商売において「定額制」を意味します。

この「定額制」とは非常にクセもので、大概は消費者が損をするようになっています。

「定額制」の反意語は「従量制」ですが、多くの場合は従量制の方が得をします。

 

なぜなら、「定額制」の価格を設計する際、過去の実績から算出して得する価格にするからです。

食べ放題や飲み放題なら、一人当たりの飲食量を算出したうえで価格を決め、

パケ放題やスマ放題なら、一人当たりの通信量を算出したうえで価格を決めます。

 

しかも、その価格は余裕をみて平均値よりも高めに設定されることが多いようです。

そのため、平均的な人は損をします。

得をする人は、ごく一部のイレギュラーな人たちだけです。

 

イレギュラーな人たちとは、飲食系ならレスラーとか胃下垂の人。

通信系ならかなりのヘビーユーザーです。

いずれも得をする対象者は数%の方だと思われます。

 

しかも、飲食系は「プロレスラーや力士はお断り」と書いてあるケースもあり、

対象者を絞り込んでいるケースがほとんどです。

(さすがに「胃下垂の人はお断り」とは書いてありませんが・・・)

 

通信系でも、パケ放題と言いつつ多くのキャリアで上限が設定されています。

その上限値は「7G」に設定されているケースが多いようです。

(上限値に達すると通信速度が極端に落ちます)

 

ちなみに「7G」とは『YouTube』でHD動画を約900分再生するレベルです。

900分とは長いように思いますが、一日あたり30分です。

30分なんて通勤時間に見てたらすぐに終了します。

(都会の通勤時間をナメたらいけません。片道90分はざらです。)

要するに、ヘビーユーザーが使い過ぎない制度設計になっているのです。

 

また、通信系はこれまでデータ通信だけに適用していた定額制を、音声通話にも適用するようになりました。

わたしもこれを機会に会社携帯は全て、音声通話も定額制に変更しようと思いましたが、

よくよく検討したら従量制の方がコストが低くなりそうです。

(よほどイレギュラーな使い方をしない限り、従量制の方がお得です。)

 

このように定額制には売り手のトラップがしかけてあるので、

従量制から定額制に移行する際は、厳密なシミュレートをした方が良いでしょう。

 

 

そういえば、日本代表サッカーの試合後に渋谷のスクランブル交差点に行けば、

「さわり放題」「しかも無料」と報道されていましたが、

世の中「無料」ほど危ないものはありません。

 


どうしても行きたい人は、捕まるリスクをシミュレートしてください(笑)

 

弁護士は怖いほうがいい

 

先日、顧問弁護士と契約しました。

理由は、法律知識が必要な場面が増えてきたからです。

 

弊社から積極的に訴訟を起こすつもりはないのですが、

当事者同士の話し合いでは埒が明かないこともあるので、

もしものときに備えた御意見番という立ち位置で契約しました。

 

これまでもスポットで弁護士に相談することはあったのですが、

それだと気軽に弁護士さんの意見を聞くことができず、

結局はOKWaveの事例を参考にするなんていうケースも多々ありました。

しかし、今後は些細な事でも相談できるので心強い限りです。

 

 

我々のような紹介業で起こりがちな訴訟は、ほとんどが以下のケースです。

   
入職しているのに、法人が紹介手数料を支払わないケース。

   
入職後、もしくは寸前に、法人から紹介手数料の値引きを強要されるケース。

   
入職後、短期間で医師が辞めた際に、法人から返金を迫られるケース。

 

 

①②の場合、事前に法人側と契約を締結していれば問題ないのですが、

紹介スピードを優先するあまり、契約締結が後手に回ることがあります。

そんなときに限って、上記のようなトラブルが発生します。

(というか、法人側が意図的に契約を遅らせているケースがほとんどです。)

 

産業医の場合、紹介先が大企業なので心配は少ないのですが、

医療法人だと規模によって紹介料をごまかされるケースがあります。

特に、紹介先がクリニック等の小規模医療法人の場合は要注意で、

最初から紹介料を支払う気が無いのに紹介を依頼してくる不届き者もいます。

 

また、紹介料の踏み倒しは後から発覚することが多く、数年後に発覚することも珍しくありません。

(そういう医療法人は、「紹介会社に入職したことを黙っていてくれたら年収100万円UPするよ」

みたいな美味しい話を医師にして、紹介料をちょろまかします。)

これまでは、泣き寝入りすることもあったのですが、今後はビシバシ取り締まります。

 

 

あと、今後取り締まりたいことの1つに、先日ブログに記載した不正アクセスがあります。

弊社のWEBサイトに、医師を騙って登録してくる同業他社を取り締まるつもりです。

先般嫌がらせを受けた企業に対しても、訴訟を起こすか弁護士さんと検討中です。

不遜な態度を取った副社長さん。首を洗って待っていてください。

 

その他の同業他社も弊社に対するイタズラはやめてくださいね。

度が過ぎると、ある日突然「内容証明」が届くなんてことがあるかも??

ネット上には証拠がいっぱい残っているので、ネット犯罪は立件しやすいのです。By弁護士

 

 

 

話は少し逸れますが、うちの顧問弁護士は怖いです。

まず、顔がイカツイので堅気の人間には見えません。苦笑

そして、見た目もさることながら、話し方がぶっきらぼうで怖いです。

相談しているこちらが悪いことをしているような気になります()

(警察と話すとき、何も悪い事していないのに緊張するような感じです。)

 

でも、逆に考えると、こういう人が味方になってくれると非常に心強いです。

もしも、わたし自身がこの弁護士から訴えられたら、すぐに降伏するでしょう。。。

 

 

そんな弁護士さんですが、顧問契約の契約書に捺印して事務所から帰る際、

「顧問契約を結んだということは、君はうちの事務所のファミリーだ。」

と言われ、他の弁護士さんも含めて全職員をその場で紹介してくれました。

 

 

あんなイカツイ顔でファミリーと言われたら、

ゴッドファーザーさながら、「今日から君はうちの組員だ」と言われたようなものです()

 

 

以上、うちの顧問弁護士は怖いという話でした。

 

 

経営理念浸透の難しさ

一般的に、会社が大きくなると経営理念の浸透が難しくなると言われています。

そうならないために、企業は様々な手法で経営理念の浸透を図ります。

例えば、毎朝の朝礼で社是を唱和したり、社員手帳に経営理念を記載したり、等々。

 

経営理念とは、「何のために経営しているのか」という”経営の最高方針”を示したものです。

経営理念で有名な企業は色々ありますが、代表的なものを以下に記載します。

(※企業によっては経営理念という言葉を使っていない企業もあります。)

 

 

■京セラ(経営理念)

全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献すること。

 

■ワタミ(経営理念)

変化する社会に応じて「ありがとう」を創造していきます。

ワタミグループは、少しでも人や地球環境に良い影響を与えるグループを目指し、活動を行っています。

 

■ファーストリテイリング(ステートメント)

服を変え、常識を変え、世界を変えていく

 

■セブンイレブンジャパン(創業の理念)

既存中小小売店の近代化と活性化

共存共栄

 

■日本マクドナルドホールディングス(基本方針)

ハンバーガービジネスで培った資産を有効活用し、経営の効率化と機動性の強化を通して

企業価値の向上を図ることにより、長期的かつ安定的なグループ企業の成長を図りたいと考えております。

 

■グリー(コーポレートメッセージ)

インターネットを通じて、世界をより良くする

 

■ナムコ(企業理念)

遊びを通じて、お客様を幸せにします。

 

■ヤクルト(企業理念)

私たちは、生命科学追求を基盤として、世界の人々の健康で楽しい生活づくりに貢献します。

 

■味の素(企業理念)

「味ひとすじ」

 

■アートネイチャー(経営理念)

毛髪コンサルタントを使命とし、お客様に満足頂ける毛髪文化を創造します。

 

 

 

こやって見ると、なかなか興味深い文言が並んでいますが、

経営理念が抽象的すぎて何が言いたいのか分からない会社もあります。

 

 

様々な企業で経営の根幹となる考えを明文化しているわけですが、

新入社員は別として、これらの理念を記憶している社員は少ないと思われます。

また、記憶することに意味はなく潜在意識のレベルで体得することが重要なのが理念です。

日常業務の中で無意識に判断できるレベルに落とし込むことは至難の業といえます。

 

実際、上記の企業の中でも、立派な理念があるにも関わらず、

世間的にはブラック企業と呼ばれている企業もあります。

 

また、ブラック企業ほど立派な理念があるという説もあります。

なぜなら、ワンマン経営者が社員を独自の理念で洗脳支配するケースが多いからです。

こういう経営手法は理念経営と呼ばれていますが、

理念への傾倒が過ぎる社員は洗脳されてしまい、違法がまかり通る会社になります。

 

理念経営はTOPの判断が正しければ非常に効率的な経営手法になりますが、

逆の場合はブラック企業一直線です。

その会社がブラックなのか、それとも理念経営の会社なのかは紙一重です。

要するに、この経営手法は「諸刃の剣」なのです。

 

 

今回なぜこの題材を取り上げたかというと、

同業他社で経営理念の浸透に問題があると感じた会社があったからです。

 

 

その会社からは、複数年に渡り弊社の会員制サイトへ不正アクセスをされていました。

弊社のWEBサイトは医師限定なので、非医師が医師に成り済ましていたことになります。

また、WEBサイトへのアクセスだけでは飽き足らず、弊社のエージェントと電話で話し、

求人を探すように依頼した不届き者もいました。

その後、不正は留まることを知らず、自分の知人医師の求人まで探すよう依頼してきました。

 

最終的に、その成り済まし医師とは連絡が付かなくなったのですが、

怪しく思った別の従業員が調査した結果、同様の手口で不正アクセスが多数あったことが分かりました。

WEB上で悪さをすると何らかの痕跡が残ります。)

そして、外部調査機関を使い、不正を働いた企業を特定しました。

 

 

あまりにも悪質なケースだったので、訴訟を起こすことも検討したのですが、

相手は業界TOP企業であり、一部上場企業の子会社なので、正面から抗議すれば分かってもらえると思い、

まずはアクセス元の事業所に連絡し、担当者に電話口に出てもらいました。

(弊社の外部調査機関の調査能力は素晴らしく不正を働いた個人を特定できます。)

 

ところが、この担当者は「知らぬ存ぜぬ」の一点張りです。

そのため、上司に代わってもらったのですが、このポンコツ上司も事の重大さが全く理解できないようで、

早々に正面から抗議することを諦めました。

 

次に取った行動は、一部上場企業である親会社の法務部門に抗議することです。

親会社の代表に電話したところ、電話口に出たのは経営企画部門の女性でした。

この方は非常に頭の回転が早く、早急に社内調査して結果報告することを約束してくれました。

(さすが一部上場企業の経営企画部門です。)

 

翌日、不正を働いた同業他社の副社長を名乗る人物から電話がありました。

電話口の対応は決して褒められたものではなく、明らかに嫌々連絡してきた感じです。

先方の話した内容は以下の3点。

「会社が指示してやらせたことではない。」

「その不正によって得た利益はない。」

「二度とこのようなことが起こらないよう、周知徹底する。」

 

その間、謝罪らしき言葉はあったものの、嫌々言わされている様子でした。

200名もの会社の副社長がこの有様では、従業員も大したこと無いと思わざるを得ませんでした。

企業はTOPから腐って行くと感じた瞬間です。

 

こちらとしては、誠心誠意対応してくれたらそれでいいと思っていたのですが、

このような謝り方では次もあると思ったため、書面による提出or対面での説明を求めました。

ところが、後日その副社長から連絡があり、どちらもするつもりが無いと言われました。

 

その言い方も非常に腹立たしく、以下の内容でした。

「今回のことは従業員が勝手にやったことだから会社は今後関知しない。」

「文句があるなら従業員に直接言ってくれ。」

「会社に何か言ってくるなら顧問弁護士を通してくれ。」

 

 

おいおい。

お前は何様なんだ?

従業員が業務上で罪を犯したら会社の責任でしょ?

 

従業員が業務に関連して犯罪行為を行っていたのであれば、会社は使用者責任を負います。

従業員が売上を横領していることがバレたら、会社が追徴課税を払わなければなりません。

従業員がカルテルで摘発されたら、会社が罰金を支払います。

こんな常識が通用しない会社ってヤバイですよ。

 

 

こうなったら、徹底的に争ってやろうか・・・・

 

 

とも考えたのですが、元々争いごとが嫌いなわたしは別のやり方を考えました。

それは、常識的な対応をしていただけた親会社の方にもう一度連絡することです。

わたしは、紳士的な文面で顛末をお伝えし、親会社の方に個人的なご意見をお聞きしました。

 

すると、メール送信後すぐに電話がかかってきました。

そして今からお会いしたいとのこと。(素早い対応です)

弊社にご足労いただき、名刺交換をしたところ「経営企画部長」の肩書きでした。

 

どおりで、対応がスマートなはずです。

子会社のポンコツ副社長とはえらい違いです。

(おそらく子会社の社長もポンコツだと思われます。)

 

 

その方とは小一時間話をしましたが、それにより怒りは収まりました。

詳しい事は書けませんが、今回不正をした子会社の運営には問題意識をもっているようでした。

要するに、その子会社においては創業者の理念が薄まりつつあるとのこと。

逆に、その子会社以外のグループ企業はそれなりに理念が浸透しているとのことでした。

 

 

理念を浸透させるために、スポーツ応援や社員旅行もしているようですが、

拠点が離れてしまうと、どうしても社員間の溝ができてしまうようです。

やはり、日々の業務を一緒の場所で行うことが、理念の浸透には最も効果があると思います。

そういう意味では、拠点を増やすことはリスクを拡げることになると思います。

 

「理念の浸透」なんて難しい言葉で語っていますが、

結局は「価値観の共有」なのです。

一緒にいる時間が長ければ、価値観は自然と共有できます。

 

 

今回勉強になったことは、美しい創業理念の浸透は規模が大きくなると難しいということ。

また、汚いTOPの考え方は意識しなくてもすぐに末端社員まで拡がっていくこと。

 

今回の件で、親身に対応していただいた親会社のご担当者に対しては敬意を払いますが、

不正を働いた同業他社に対しては徹底的に戦うことを宣言します。

ただし、正々堂々とルールを守って戦います。

 

 

しかし業界TOPの会社がこのレベルでは先が思いやられます・・・・苦笑

 

偏る税負担

「企業は税金を払って社会貢献するのが一番の使命だ。」

 

トヨタ自動車の豊田章男社長が先日の決算発表会で仰った一言です。

 

そんなトヨタ自動車ですが、リーマンショックの2009年以降、法人税を一切払っていませんでした。

税金を払っていなかった最大の理由は、2009年に出した約4400億円の赤字です。

この赤字を翌年以降に繰り越すことで、2010年以降の3年間、税金を払ってこなかったのです。

(※厳密にはそれ以外の優遇税制も利用しています)

 

日本の法人税のルールにおいて「繰越欠損金」というものがあります。

このルールは、企業が損失を出したら最大で9年間繰越できるというものです。

損失を出した翌年以降に利益を出しても、その8割は過去の損失と相殺できるのです。

具体的な例を示すと、4400億円の損失を出した翌年に2000億円の利益を出しても、

その8割にあたる1600億円には課税されないということです。

(そして残りの2800億円の損失は更に翌年以降に繰りされます。)

 

この制度は創業時に大きな投資をした企業にとって非常に有り難い制度です。

ベンチャー企業が初期投資を回収するまでは、課税を待ってくれるという優しい側面があります。

この欠損金の繰越制度は多くの国で採用されており、ドイツやイギリスでは繰越の期限がありません。

しかし、この制度を悪用すべく恣意的に赤字にして法人税の負担を回避する法人も存在しています。

事実、この制度を利用している法人は国内企業の約7割だそうです。

 

 

この制度は大企業にとっても非常に使い勝手の良い税制なのですが、

公平な競争という観点から非常に問題のある制度ともいえます。

 

 

例を挙げると、2012年に三井住友銀行が15年ぶりに、りそなは18年ぶりに法人税を納付しました。

(三菱UFJフィナンシャルは2011年、三井住友信託は2007年から納税を再開)

日本を代表するメガバンクが、法人税を10年以上も納付していなかったということですが、

メガバンクの納税開始は、1990年代のバブル処理が終了したことを意味します。

しかし、バブル期に一番良い思いをしたのは他でもない銀行ですし、

その尻拭いを税金でするというのはおかしな話です。

 

 

また、税金で救済されたJALも推定4000億円の繰越欠損金がありました。

そのため、20123月に税引き前利益を1866億円も稼ぎながら、法人税をほとんど納めていません。

これに対してライバルのANAは下記のような声明を出しています。

「企業努力で正常な経営を保ってきた会社より、つぶれて身軽になった会社が儲かり、

税金まで免除されるのでは、対等な競争にならない」(ANA企画部)。

 

 

よく日経新聞の紙面上で「V字回復!!」なんて文字が躍っていますが、

これは恣意的な赤字を一気に計上して、その後の数年間は法人税を払わずに

黒字を確保するという経理上の常套手段が背景としてあるのです。

しかも、そのようなやり方を10年単位で繰り返している大企業は少なくありません。

 

それって、経営失敗の責任を「法人税の不払い」という形で

国民に背負わしているといっても過言ではありません。

ルールだから利用しないと勿体無いという気持ちは分かるのですが、

冒頭の言葉にもあるように、企業は税金を納めることで社会貢献しているのです。

 

 

節税対策で本社を海外に移転する企業もあるようですが、

日本人なら日本で納税して日本国に貢献すべきだと思います。

(ふるさと納税みたいなもんですね)

 

また、毎年国内企業の7割前後が法人税を納めていませんが、

裏を返せば法人税を納めている企業は非常に優秀な企業ということになります。

であれば、法人税を3年連続で納めた企業は税率を低くするとか、

ゴールド免許的な特典をつけてもらいたいくらいです。

 

さらに、赤字企業(創業間もない企業は除く)からも税金を徴収して、

市場から撤退してもらうという選択肢があっても良いと思います。

資本金・売上・従業員数などをベースとして課税する外形標準課税みたいなやつ)

いまの税制は歪んでおり、明らかに普通に黒字を計上している法人が割を食っています。

 

とまあ、いろいろ書きましたが、

結論は「税制を公平にして欲しい」ということです。

正直者が損をして、ズルい人が得をする社会は望ましくないですから。。。