ランキング8位の意味

全米オープンの錦織選手。凄かったですね。

特に準決勝のジョコビッチ戦は圧巻でした。

ついに日本人テニスプレイヤーもここまで来たか~と思うと感慨深いものがあります。

あれ以来、わたしのテニス熱も上がり、日々練習に励んでおります(笑)

 

 

錦織選手の才能が今年開花した理由は、間違いなくマイケルチャン氏のコーチ就任でしょう。

これまで何度もTOP10にリーチをかけていましたが、なかなか実現されず、

グランドスラム大会においてもベスト8が最高でした。

 

それが、先日の全米オープンにおいては、世界No1プレイヤーのジョコビッチを準決勝で倒し、

一気に決勝まで進み、その結果、世界ランキングは8位となりました。

ちなみに、この8位というランキングには非常に大きな意味があります。

 

なぜならば、ランキング8位以内の選手は準々決勝まで、自分より上位の強豪選手と戦わなくてすむからです。

今後、錦織選手がグランド・スラム大会で優勝するためには、

ランキングを8位以内に保つことが重要なポイントとなってきます。

 

 

では、このランキングを決めるポイントはどのように計算されているのでしょうか?

 

 

それを説明するためには、まずはテニスの大会について知っていただく必要があります。

テニスにはグランド・スラムと呼ばれる4大大会を頂点に、6つのランクに大会が分かれています。

 

【グランド・スラム】

全豪オープン・全仏オープン・ウィンブルドン・USオープンの4大大会をさします。

賞金額は大会ごとにばらつきがあり、シングルの優勝者は1~3億円程度となっています。

優勝者には2000ポイント、準優勝には1200ポイントが加算されます。

 

【マスターズ1000】

賞金総額が245万ドル以上の大会です。年間で9大会開催されます。

優勝者には1000ポイント、準優勝には600ポイントが加算されます。

【マスターズ500】

マスターズ1000の次にランクの高い大会として位置し、賞金総額100万ドル以上の大会。

日本で開催される、楽天オープンはこのランクに属します。年間9大会開催されます。

優勝者には500ポイント、準優勝には300ポイントが加算されます。

 

【マスターズ250】

賞金総額45万ドル以上の大会で、年間40大会ほど開催されます。

優勝者には250ポイント、準優勝には150ポイントが加算されます。

 

【チャレンジャー・シリーズ】

賞金総額2.5万ドル以上15万ドル以下の大会です。

 

【フューチャーズ・シリーズ】

賞金総額1万ドル以上1.5万ドル以下の大会です。

 

 

 

通常、上記の大会に出場して得られた年間ポイントを全て合算すると思われがちですが、

選手が参加したトーナメントの全てのポイントがランキングに適用されるわけではありません。

少々ややこしいのですが、前年度の最終ランキングが30位以内の選手には特別ルールがあります。

 

彼らは全ての大会で予選が無く、本戦から出場できるため、特別な出場義務のルールが適用されます。

その出場義務のある大会は、下記の18のトーナメントです。

ベスト18といって、カテゴリー別に最多ポイントを取得した総合ポイント数でランキングが決定します。

これらのトーナメントはカウンタブル・トーナメントと呼ばれています。

 

グランドスラム:4

マスターズ1000:8(モンテカルロ大会を除く)

マスターズ500:4

マスターズ250:2

 

 

なお、年末のランキングが8位以内であれば、

ロンドンで開催される「ツアーファイナルズ」という大会に出場することができ、

19のトーナメントの合計ポイントで、その年度のランキングが決まります。

(ランキングが8位以内になると、このような美味しい特典もあるのです。)

 

ちなみに、先日の全米オープン終了後のランキングは以下です。

 

 

こうやってみると、最近はヨーロッパ勢が強いですね・・・

アメリカ勢が強かった時代が懐かしいです。

わたしがテニスを始めた頃は、サンプラス、アガシ、クーリエ、チャンなど米国選手の全盛期でした。

 

また、選手達の出身国とは別に、気になる点があります。

TOP10の選手は、11~30位の選手よりも出場試合数が少ないという点です。

この背景にあるのは、上位選手は4大大会のようなポイントが大きい試合に照準を定めており、

小さい大会には出場せずに体力を温存しているからだと思われます。

錦織選手も決して体力がある方ではないので、今後も出場試合数は絞ることになるでしょう。

 

 

なにはともあれ、最近テニスが盛り上がっているのは嬉しいことです。

しかし、サッカーと同様に、にわかファンも増えてきた気がします。

携帯(au)のCMで、松岡修造に対して「テニスされてたんですか?」というセリフがありますが、

平成生まれの人達にとってみたら、松岡修造は単なる暑苦しいオッサンなんでしょうか?(笑)

 

全国的にテニス熱が上がるのは嬉しいのですが、

ルールや往年の名選手の名前ぐらいは覚えて欲しいものです。苦笑