先日、大阪市長の橋下徹さんについて、
「知事就任前におこした新地ホステスとの不倫スキャンダル」が週刊誌に掲載されました。
政治家が私生活を暴露されるのはよくあることですが、
問題はスキャンダルをどのように対処するかで、その後の政治家としての評価が分かれます。
今回の橋下市長の対応は堂々たるものでした。
記者会見で報道内容を一部認め、時折冗談を交えながら余裕のある表情で受け答えしていました。
これらの報道は反・橋下派が仕掛けたことだと思いますが、
むしろ橋下氏の好感度は上がったのではないでしょうか?
(かなり贔屓目に見ていますが。笑)
政治家は時としてこういったプライベートなスキャンダルで攻撃に晒されます。
元アメリカ大統領のビル・クリントンも破廉恥な事件で弾劾裁判にかけられました。
かの有名な「モニカ・ルインスキ事件」です。
この事件は、”大統領任期中”に、”職場であるホワイトハウス”で、”研修生”との不祥事でした。
この3点セットでは、もう言い逃れができないでしょう・・・
と思いきや、クリントンはこの逆境を辞職せずになんとか乗り切りました。
ただ、この事件によって政治的には大きなダメージを受けています。
大統領の「品格」を問われる事態に世論から批判が沸き起こり、弾劾裁判にかけられたのです。
しかしその結果は、有罪評決に必要な2/3には達せず、辛うじて大統領辞任は免れました。
この時の陰の主役は「ヒラリー夫人」です。
ヒラリー夫人は、公衆の面前で「わたしは夫を許します」と堂々と宣言したのです。
(まあヒラリー夫人は政治家なので先々の自分の立場を考えて行動していたとは思いますが・・・)
また、この当時のアメリカ人の反応はクリントンに対して寛大でした。
アンケート結果によると、「大統領は任期までつづけるべきだ」と考える人が7割弱もいたのです。
そんなことで揉めているよりも、とっとと公務を進めて欲しいという考えが根底にあったのでしょう。
ちなみに、米国や日本においては、政治家のセックススキャンダルが大きな問題となりますが、
フランスにおいては、政治と直接関係がない政治家のプライベートはほとんど報道されません。
実は、フランスのミッテラン前大統領には愛人がいましたが、政治記者はこれを報道しませんでした。
最終的には大衆紙が大統領任期満了間際の1994年にスキャンダルとして報道するのですが、
逆に批判されたのは大衆紙側でした。
これが何を意味するかというと、
フランス人は政治家の「仕事」と「プライベート」は別物と考えているということです。
わたしもこの考えには賛成です。
政治家の本分は、法律をつくって国(自治体)を繁栄させることです。
それさえ実行できているのであれば、それ以外の事には目を瞑っても良いのではないでしょうか?
(仕事をせずに女遊びをしている政治家は問題外ですが。。。)
国民が政治家に期待することは、政策により国を良くしてもらうことです。
よって、政治家としての能力が高く、実績を残せているのであれば、
その人の性格やプライベートなことはそっとしておいても良いと思うのです。
(これを妻に話したら完全否定されましたが・・・涙)
また、政治家にとって「政策」と「政策実行力(政治手法)」は別物だと思います。
少し前に橋下氏が野田首相の政治手法を「決められる政治を実行してる」と称賛しましたが、
これはあくまで「政治実行力」を褒めただけで、「政策」に賛同している訳ではありません。
(一部の報道では橋下氏が寝返ったと報じていましたが、それは誤解だと思います。)
一般企業の例に例えると、「政策」は「会社の方針」や「事業計画」であり、
「政策実行力」はそれらの方針や計画を遂行する能力です。
もっと分かりやすくいうと、「政策実行力」とは「統率力」や「リーダーシップ」です。
日本人は、政治家の政治手腕(政策立案力+政策実行力)と
政治家のキャラクター(人格)を一緒くたに考えるクセがあるようです。
しかしこれは全くの別物だと思います。
一般の世界でも、仕事はできるが嫌な人間はいますし、
性格は凄く良いが残念ながら仕事ができない人もいます。
当然、仕事ができて性格も良い人が一番良いのですが、そんな人にはなかなか出会えません。
そうなりますと、どちらかを選ばざるを得ないのです。
これが会社経営であれば、ほとんどの会社が前者を選ぶでしょう。
(会社の業績が順調なときは後者のような存在も必要だと思います。)
人間はどうしても好き嫌いで人間を判断してしまいますが、
人間の業務遂行能力と人格は別物です。
業務遂行能力に長けた人間を、「人格」や「素行」の良し悪しで判断するのは拙速だと思います。
昔から「英雄色を好む」といいますが、得てして能力の高い人間ほど色物を好みます。
今回の橋下市長のスキャンダルはそっとしておいてあげましょう。
「制服フェチ」は橋下さんだけじゃなく、男性としてはそんな珍しいことではありませんから(苦笑)