いきなりですが、「○○放題」というと何を思い浮かべますか?
ひと昔前なら「食べ放題」「飲み放題」と飲食系を連想することが多かったですが、
今の時代は「パケ放題」「スマ放題」など通信系を連想する方が多いのではないでしょうか?
そもそも「放題」とは、商売において「定額制」を意味します。
この「定額制」とは非常にクセもので、大概は消費者が損をするようになっています。
「定額制」の反意語は「従量制」ですが、多くの場合は従量制の方が得をします。
なぜなら、「定額制」の価格を設計する際、過去の実績から算出して得する価格にするからです。
食べ放題や飲み放題なら、一人当たりの飲食量を算出したうえで価格を決め、
パケ放題やスマ放題なら、一人当たりの通信量を算出したうえで価格を決めます。
しかも、その価格は余裕をみて平均値よりも高めに設定されることが多いようです。
そのため、平均的な人は損をします。
得をする人は、ごく一部のイレギュラーな人たちだけです。
イレギュラーな人たちとは、飲食系ならレスラーとか胃下垂の人。
通信系ならかなりのヘビーユーザーです。
いずれも得をする対象者は数%の方だと思われます。
しかも、飲食系は「プロレスラーや力士はお断り」と書いてあるケースもあり、
対象者を絞り込んでいるケースがほとんどです。
(さすがに「胃下垂の人はお断り」とは書いてありませんが・・・)
通信系でも、パケ放題と言いつつ多くのキャリアで上限が設定されています。
その上限値は「7G」に設定されているケースが多いようです。
(上限値に達すると通信速度が極端に落ちます)
ちなみに「7G」とは『YouTube』でHD動画を約900分再生するレベルです。
900分とは長いように思いますが、一日あたり30分です。
30分なんて通勤時間に見てたらすぐに終了します。
(都会の通勤時間をナメたらいけません。片道90分はざらです。)
要するに、ヘビーユーザーが使い過ぎない制度設計になっているのです。
また、通信系はこれまでデータ通信だけに適用していた定額制を、音声通話にも適用するようになりました。
わたしもこれを機会に会社携帯は全て、音声通話も定額制に変更しようと思いましたが、
よくよく検討したら従量制の方がコストが低くなりそうです。
(よほどイレギュラーな使い方をしない限り、従量制の方がお得です。)
このように定額制には売り手のトラップがしかけてあるので、
従量制から定額制に移行する際は、厳密なシミュレートをした方が良いでしょう。
そういえば、日本代表サッカーの試合後に渋谷のスクランブル交差点に行けば、
「さわり放題」「しかも無料」と報道されていましたが、
世の中「無料」ほど危ないものはありません。
どうしても行きたい人は、捕まるリスクをシミュレートしてください(笑)