ダルビッシュのワインドアップは熨斗紙(のしがみ)のようなもの。
日経新聞のコラムで「豊田泰光」氏が言っていました。
上手いこと言うな~と感心しました。
「なくても良いが、あれば華やかに見えるもの」の例えだそうです。
今のピッチャーは、ランナーがいなくてもセットポジションで投げるピッチャーがほとんどです。
理由は、極力無駄な動作を無くし、癖を盗まれなくするためです。
そんな中、ファンからのリクエストに応えて、ワインドアップを披露したダルビッシュは流石です。
合理化を追求する今の時代、余分なものは全てなくしてしまおうという風潮がありますが、
ときに、「遊び心」は必要だと思います。
今の日本は、欧米の真似をして、合理化だけを追い求めた結果、窮屈な社会になりつつあります。
製造業における製造工程の合理化は必要だと思いますが、
それをサービス業にまで展開するのは、正直、違和感があります。
私自身、大手にいるときは、営業活動の標準化のため、SFA(セールスフォースオートメーション)
を積極的に導入し、営業マニュアルを作成に努めたこともあります。
営業マン各人が使用した経費を見える化して、経費節減に努めたこともあります。
しかし、今思えば、そういった管理志向は、ユニークな人材の長所を消してしまいます。
臨機応変な行動が必要とされる対人業務や、クリエイティブな仕事をする人材に対しては、
あまり合理的なことは馴染まない気がします。
なぜなら、仕事のやり方が十人十色だからです。
一見無駄だと思われるような行動も、時には必要ではないでしょうか?
大手の人材紹介会社は、候補者募集業務や対個人と対法人の業務を分割し、業務の効率化を追っています。
これに対し我々のような零細企業は、1人で全てをこなします。
それぞれの業務が重複し、効率が悪いことは重々承知していますが、これで良いと思っています。
事前に担当地域を下見に行ったり、候補者と面談したり、用が無くても法人を訪問したり、
そういった業務はすぐに成果を生む行為ではありませんが、やり続けることに意味があると思います。
仕事にも「遊び心」は必用です。
ただし、プロセスが自由裁量である仕事は、最後に結果が問われることを忘れてはいけません。
遊びながら結果を出す。
難しいですが、そんなスタイルに憧れます。