「サマータイム」とは、日本語に直すと「夏時間(なつじかん)」と何やら間抜けな感じですが、
最近「節電」の煽りでやたら注目されています。
この「サマータイム」は、夏の間、太陽の出ている時間帯を有効に利用する目的であり、
現行の時刻に1時間(30分のケースもあり)を加えたタイムゾーンを採用する制度です。
緯度が高く夏の日照時間が長い「欧米諸国」においては、一般化している制度となります。
目的として「時間を有効に活用する」というのは納得できるのですが、
「節電対策」として本当に役に立つかどうか、甚だ疑問です。
とある文献によると、交通事故や犯罪発生率も低下すると書かれていますが、本当でしょうか?
そもそも、サマータイムには二つのやり方があります。
一つは国の制度として、時計を1時間早めてしまうというやり方で、
もう一つは、学校や企業が個別に規則を変更するやり方です。
前者の、法律まで変更して日本全国一律に時間を変更するやり方には意味があるとは思えません。
後者の、学校規則や企業の就業規則で、ローカルルールを変更すればよいだけなので、
欧米諸国にサマータイムが根付いている理由がよく分かりません。
また、日本列島は東西に長いため、東日本と西日本で日の出・日の入りの時刻に大きな差があり、
全国一律にサマータイムを導入するには不適だとも言われています。
そして、サマータイム制が導入されれば、時計を1時間進める必要があるため、
時計機能付きの電化製品などを全て調整しなければなりません。(めんどくさい)
そうなると、サマータイムは集団ごとに個別にやることが理に叶っているといえます。
しかし、集団ごとの個別のサマータイムにしても、本当に意味あるのでしょうか?
会社に早く来て早く帰ったとしても、会社としては節電になるかもしれませんが、
みんなが早く家に帰って各家庭で冷房を入れれば、むしろ余計に電気を消費する気がします。
大勢の人間が同じ場所にいる方が、電力消費は抑えられる気がするのです。
また、始業時刻は夏時間であったとしても、本当に終業時刻を早めることができるかどうか疑問です。
結局、外が明るいので、いつもと同じ時間まで働いてしまい、逆に残業が増加するのではないでしょうか?
たとえ早く会社を出たとしても、明るい時間から飲む気にもなれず、飲食店の売上が減少する可能性もあります。
さらに、生活サイクルが変わることで、人間の睡眠リズムが狂い、健康そのものに悪影響を与え、
睡眠障害や、抑うつが発生する危険性もあり、交通事故なども増える可能性もあります。
実際に、サマータイムを導入している「カナダブリティッシュコロンビア州」では、
夏時間導入直後の月曜日には変更直前の月曜日より交通事故が平均で23%増加したという報告もあります。
これらのことから、制度を大きく見直すよりも、一人一人が節電や生活改善を心掛けたほうが、
リスクが小さくメリットが大きい気がします。
蓮舫行政刷新相も単なるアピールのための「サマータイム導入検討」はやめていただきだいです。