イップス


「イップス」

耳慣れない言葉かもしれませんが、

野球、ゴルフ、テニスなどのスポーツの世界では浸透しているそうです。

 

極度の緊張感や精神的なことが原因で筋肉が硬直し、

思い通りのプレーができなくなる運動障害のことだそうです。

 

わたしは自称スポーツマンなのですが、大概のスポーツは経験してきました。

(野球、サッカー、ゴルフ、テニス、スキー、卓球etc.

この中で、わたし自身が最もメンタル的に影響しやすいスポーツはテニスです。

 

今でも週2回、テニススクールに通っているのですが、

サーブとフォアが全く入らなくなることがあります。

過去にも同じような経験が何度もあるのですが、極度に緊張すると発症します。

 

元々緊張しやすい体質なので仕方が無いと半ば諦めていたのですが、

ネットで検索したところ、同じような症状で悩んでいる方が多くいることに驚きました。

そして、やり方によっては改善できたケースもあるようで、強い興味を持ちました。

 

 

「イップス」は誰でも発症する可能性を秘めています。

しかし、「イップス」になる人には幾つかの特徴があるようです。

「真面目。責任感が強い。心が優しい。」という性格の持ち主です。

 

自分がこれに完璧に当てはまるかというと非常におこがましい面もありますが、

たしかに上記のような一面を持ち合わせております。

(嫁から見れば全く別のことを言われそうですが・・・苦笑)

 

 

では、「イップス」が発症するメカニズムはどのようになっているのか?

 

 

まず、人間には意識しなくても自然に身体を動かせる状態があります。

これは潜在記憶(無意識の記憶)と呼ばれているそうです。

しかし、全てを無意識で行う状態は無く、何割か意識を使って補っています。

そして、「意識:無意識」比率のバランスが崩れると「イップス」を発症するようです。

 

具体的には、「意識:無意識」の比率は「1937」ぐらいが最適だそうです。

緊張により、意識の割合が多くなりすぎると、運動機能のバランスが崩れ、

思い通りのプレーができなくなるとのことです。

また、「イップス」になっている選手の筋肉を調べると、発症時は筋肉が収縮しているそうです。

 

わたしがよく感じる感覚は、「心と体が分離しているような感覚」です。

こうなってしまうと、短時間で修復することは難しくなります。

 

そんな中、いままでに効果のあった修復方法は、上手な人のプレーを見ることです。

むやみにボールを打つと考えすぎてしまうので、しばらく映像だけをみてイメトレをします。

そうすることで、多少なりとも効果はありました。

 

今思い返してみると、

この手法は、意識レベルを減らして無意識を増やす効果があったと思います。

(他にも素振りをひたすら繰り返すなどやりましたが、多少の効果がありました。)

 

 

しかし、このようなアプローチで一時的に回復しても、すぐに再発してしまいます。

一説によると、一流スポーツ選手が「イップス」を克服できずに辞めていくことも多いそうです。

自分は趣味のレベルなので、スポーツを辞めてもさほど問題はないのですが、

プロスポーツ選手がこの症状を克服できずに辞めていくことはさぞかし辛いことでしょう・・・

 

わたしが思うに、「イップス」を完全に克服することは難しいと思います。

それは、日本人のアスリートが本番に弱い人が多いということにも強く関係しています。

上述した「真面目。責任感が強い。心が優しい。」という特性は、日本人のメンタリティそのものです。

これはスポーツ以外の場面では非常に役に立つし、まさに日本人の強みです。

 

スポーツは、トップクラスになればなるほどメンタルが重要になります。

国民性で比較すると、ここ一番のメンタルの強さでは日本人は欧米人に適いません。

しかし、日頃からコツコツと物事を継続する地道な特性は、どこの国にも負けていないと思います。

 

 

「イップス」の話から少し逸れてしまいましたが、

要するに日本人が世界のひのき舞台に立つと、途端にいつもの能力を発揮できなくなるのは、

「イップス」と同じことだと感じているのです。

 

ただし、スポーツの種類によってはそれ程メンタルが関係ない競技もあります。

それはチームワークを重視する団体競技です。

むしろ団体競技は日本人の特性に適していると思います。

もうすぐ始まるワールドカップ(サッカー)も例外ではありません。

 

 

是非、ザックジャパンには「大和魂」を見せて頂きたいものです。

 

頑張れニッポン!!

 

 

P.S.

ちなみに、わたしは「イップス」の克服を諦めません。

 

 

頭の良すぎる人は経営者には向いていない

 

「頭の良すぎる人は 経営者に向いていない。」

 

とある雑誌に掲載されていた一言なのですが、

非常に心に刺さる言葉だったのでメモしました。

この言葉の主は、大手スナック菓子メーカー「カルビー」の「松本晃CEO」です。

 

カルビーの歴史を紐解きながら、この言葉の意味を探ります。

 

カルビーは1949年、広島県広島市で、松尾糧食工業株式会社として設立されます。

会社名のカルビーは、当時の日本人に不足しているとされたカルシウムの「カル」と、

ビタミンB1の「ビー」を組み合わせた造語だそうです。

 

1964年に発売された「かっぱえびせん」が大ヒットし、カルビーの名が世に知られるようになります。

1973年に本社を広島から東京に移転し、社名をカルビー株式会社に改めます。

2005年に3代続いた同族経営をやめて、創業家外の社長兼CEOとして中田康雄氏が就任します。

 

そして20096月に中田康雄氏(当時66)は相談役に退きます。

創立60周年を迎えるのを機に経営陣の若返りを図り、

会長兼CEOにはジョンソン・エンド・ジョンソン元社長の松本晃氏(当時61)が就任したのです。

 

前任の中田CEOの経営手法は、「コックピット経営」と呼ばれ、多くのデータを重視する経営でした。

コックピット経営とは、事業ユニットごとの膨大な数値データをグラフ化して毎週更新し、

全従業員に共有して様々な判断に活かす手法です。

(飛行機のコックピットには複雑な計器が沢山あるのでこのように呼ばれています。)

 

ところが、松本昇氏がCEOに就任すると、指標を減らす「ダッシュボード経営」に移行しました。

このネーミングは車のダッシュボードに例えて名付けられたそうですが、

車のダッシュボードには必要最低限のメーターしかないことが由来しています。

 

わたしが以前所属していた企業でもコックピット経営同様の経営手法が取られていましたが、

複雑すぎる数値は現場を混乱させるだけでした。

これではいかんな~っと思っていた私も、上には逆らえず、従順な社員を演じていました()

 

KPI Key Performance Indicator 】 重要業績評価指標とは、数を絞ることで効果を発揮します。

特に現場は忙しいので、指標を減らすことに意味があります。

よって、経営者の仕事とは、その時々で会社が重視する数値を絞って従業員に伝えることなのです。

 

 

ここで冒頭の言葉がよみがえるのですが、

頭が良すぎる経営者は、物事を複雑に考える癖があります。

それを人に押し付けると、従業員は経営者の考えを理解できず、進むべき方向が分からなくなります。

 

 

そんな状況において、松本昇CEOのお言葉は非常に重みが出てくるのです。

「私みたいに”中の上”ぐらいの頭が経営者には向いているんです。」

 

 

経営を単純化し、目標を絞ることの重要性を再認識する一言でした。

 

 

P.S.ちなみに、松本昇CEOは京都大学農学部修士課程を修了されています。

  決して”中の上”の頭ではありません()

 

昨日は4周年記念日でした

最後のブログから1年経とうとしています。

決して閉店した訳ではございません。

開店休業状態が1年続いたといったところです。苦笑

 

さて、本題に入ります。

 

ちょうと去年の今頃書いたブログで「与沢翼」さんに触れましたが、

彼は秒速で成り上がり、秒速で破産してしまいました。

急成長する企業は、常に破産と隣り合わせだということを改めて認識しました。

 

弊社における成長スピードはまさに亀の歩みで決して無理はしません。

その甲斐もあって、昨日5/264周年を迎えることができました。

これも支えてくださった皆様のお陰です。

この場をお借りして御礼申し上げます。

本当に有難うございました。

 

弊社は201451日より5期の事業年度が始まっているのですが、

前期(4期)はメンバーの頑張りもあり非常に良い業績でした。

これで4期連続で増収増益となります。(超優良企業です。笑)

 

以前のブログで、企業の生存率について書いたことがありますが、

その数値を改めて見直すとかなり低い数値だと思いました。

 

設立1年=40

設立5年=15% ← ちょうど今はここ

設立10年=6

設立20年=0.3

設立30年=0.02

 

企業というものがいかに短命であるかということが浮き彫りになる数値です。

これを偏差値に置き換えると、以下のようになります。

 

設立5年=15%≒偏差値60以上

設立10年=6%≒偏差値65以上

設立20年=0.3%≒偏差値77以上

設立30年=0.02%≒偏差値85以上

 

わたしの今の年齢が41歳なのですが、今後25年以上会社を継続させられる確率は、

上記の数値から0.02%程度(偏差値だと85以上)ということになります。

(これは大学受験に例えると東京大学の理三に合格するレベルです)

そう考えると、非常に難易度が高い数値ですが、多くを望まなければ何とかなるような気もします。

 

個人(医師)、法人(医療法人や企業)、一緒に働くメンバー、株主さん、

様々な関係者から必要とされる存在であれば末永く生き残れるはずなので、

まずは必要とされる存在になれるよう、目の前の仕事をコツコツとこなします。

 

引き続き、よろしくお願いいたします。

 

統一球問題にみる組織代表のスタンス

いま巷で話題になっているプロ野球の統一球問題。

 

日本野球機構「NPB」の加藤良三コミッショナーは、

「知らなかったから不祥事とは思っていない」と言う。

また、「責任はあるが、不祥事を起こしたとは思っていない」と辞任を否定している。

 

この「NPB」は2004年に起こったプロ野球再編問題の際に、

責任の所在の曖昧さに加え、事態を収拾する能力のなさをも露呈し、

大きな批判を浴びたことがある。今回の状況も当時と非常に良く似ている。

 

 

組織の代表ともあろう人が、知らなかったから責任は取らないとはいかがなものか?

というのも、ボールの「反発係数」は適宜報告されていたらしい。

(そこに変更したという説明が無かったというだけ。)

代表とは、細部が分からなくても数字の変化から事象を想像するのが仕事である。

 

「全ての事象には必ず理由がある。」

ガリレオの湯川先生も言っているではないか?

 

何か違和感を感じたときは、仮説を持って数字を見る。

数字を見て変化があれば、そのときは確実に何かが起きている。

この仮説検証作業は物理学や医学の世界では基本中の基本である。

 

 

日本のプロ野球は、今年に入って明らかに低投高打に変わった。

これは野球ファンならずとも素人目に見ても分かる。

なぜこれに対して違和感を感じなかったのだろう?

 

ボールの反発係数が変わるということは、

水泳の水着のレギュレーションが変わるのと同じぐらい選手にはインパクトがある。

F1ならエンジンの排気量や重量制限、タイヤが変わるようなものだ。

ゴルフではボールのディンプル形状や構造によって飛距離やスピン量が変わるので、

プロは自分専用のボールをメーカーに開発させている。

 

日常からミクロの戦いを強いられているプロにとって、ボールの変更は死活問題である。

また、そもそもNPBがボールの反発係数を上げた理由は、

ホームランが飛び交う乱打戦の方が観客数UPに繋がると見込んでいるからである。

 

しかし、はたして本当にそうなのだろうか??

野球ファンの中には、ハイスコアな乱打戦を好む人もいればロースコアの投手戦を好む人もいる。

(ちなみに、僕は後者です。野球は知的なスポーツであり心理戦だと思っています。)

 

だから、今回のように安易にボールを変えてしまい、それを隠ぺいしたことは、

野球ファンをバカにしていることになる。

NPBには野球ファンを思いやる気持ちが足りないのではないか?

 

とにかく、このような重大な事件を起こしておいて、組織の代表が責任を取らないことは有りえない。

もし「知らなかったから不祥事とは思っていない」という言葉がまかり通るのであれば、

NPBの代表は単なる名誉職であり名義貸しに等しい。

(まあ実態はそうなのだが・・・加藤コミッショナーの前職は駐米大使であり野球には何も関係ない。)

 

 

ところで、昨日の試合前に記者から「ボールの反発が上がれば今後の戦い方が変わるのでは?」

と質問を受けた現中日監督の高木守道氏の短絡的な一言。

「うちは変えますよ。全てホームラン狙い!」とニヤリ。

(試合の結果は西武100中日で、あわやノーヒットノーランをやられそうになってました。)

 

前中日監督の落合が築き上げた投手王国を、

就任わずか2年目にして崩壊させた手腕は特筆すべきものがあります。

(中日の現有戦力からして守る野球じゃなければ勝てません)

 

加藤氏と高木氏の二人に共通することは、バカな監督や代表が組織をダメにするということです。

数字の読めない人や現状を把握できない人は代表に就任すべきではありません。

何かの間違いで代表になってしまったときは、何かの折に責任を取って辞めましょう。

 


4期 始まりました

ご無沙汰しております。

 

お陰様でJMC社は今月から4期目に入りました。

ということは、既に創業から3年が経過したことになります。

企業の生存率は設立1年で40%、設立5年で15%と言われているので、

設立4年目ということは2025%の会社しか生き残れません。

 

弊社が生き残れたということは、世間に存在価値を認められた結果だと思います。

しかも、売上は順調に増え、同時に社員数も増えています。

サポート範囲も、関東周辺から関西、九州に拡大しています。

 

 

事業を拡大していくときに気を付けるべきことは、身の丈に合った投資をすべきという点です。

マスコミに取り上げられるような経営者の中には莫大な借金をして、

一か八かの賭けに勝ってのし上がった方もいらっしゃいます。

しかし、そういう方は一時は持て囃されますが、最終的に消えている気がします。

 

 

僕自身の考えとしては、事業を拡大する際は決して利益以上の投資はしたくありません。

また、わざわざ利息を払って銀行からお金を借りたくありません。

稼いだお金だけを再投資に回していれば大怪我をすることは無いからです。

 

投資家から見ると、非常につまらない会社に見えると思いますが、

上場を目指して事業を急拡大することは大きなリスクを伴います。

「継続>拡大」という僕の価値観においては、必要以上の拡大は不要です。

 

 

ただし、事業を継続するために、ある程度の規模まで拡大すべきだと思っています。

「ある程度の規模」というレベルは携わる事業の種類によると思いますが、

何らかの事情で人が辞めたり休職したりした際に、事業に与えるインパクトが少ないレベルです。

 

うちはモノづくりをするメーカーではなくサービス業なので、社員の増員なくして増収はありません。

よって、徐々にではありますが、社員数を増やしていかなければなりません。

その際に気を付けるべきことは「一緒に働くメンバーは慎重に選ぶ」ということです。

 

弊社のようなサービス業における最大の投資は、いうまでもなく「人」です。

「企業は人なり」という名言(経営の神様・松下幸之助)がありますが、

企業の栄枯盛衰はそこで働く人によって決まり、人材は地道に社内で育成することが重要です。

 

 

そのため、採用には細心の注意を払っています。

 

 

なにを一番見ているかというと、「既存社員との相性」です。

はっきり言って、この一点につきます。

会社は「仲良しクラブ」ではいけないという意見を耳にすることが多いですが、

僕自身は「仲良しクラブ」の何が悪い?と思っています。

 

 

会社組織を運営するうえで重要なことは、情報共有による社員同士の連携です。

一部の能力が劣る社員がいたとしても、社員全員で取り組めば大抵のことはクリアできます。

要は、社員がお互いに協力し合える風土があれば、組織は繁栄するのです。

 

こういった風土は単なるルール作りだけで創り出すことは不可能です。

組織を構成するメンバーが利己的な考えを持たず、利他的に振る舞えるかどうかが鍵です。

「自分さえ良ければいい」とか「他人のやることには興味ない」といった自己中心的な方は、

いくらスキルが高くて経験豊富でも採用しないようにしています。

(そういうタイプの方は顧客に対しても失礼な振る舞いをする可能性が高いので。。。)

 

 

うちの会社に必要なのは,まさにこの「仲良しクラブ」というお互いの信頼感なのです。

 

 

もちろん、個人目標を持ち、お互いに切磋琢磨する環境は必要です。

しかし、必要以上に競争を煽ると、社員同士が足を引っ張り合うことになります。

ほどよい緊張感の中でお互いを支え合う、そんな環境が組織を繁栄させると思っています。

 

 

まあ、こういうやり方ではスピード感のある事業拡大は望めないでしょうし、

投資家からすると面白味のない会社に映るでしょう。

しかし、僕は打ち上げ花火のように派手で刹那的な経営は好きじゃありません。

たとえ地味でも、線香花火のようにワビサビがあって長続きする経営を心がけます。

 

 

話しは変わりますが、先日、六本木で「与沢翼」さんを見かけました。

彼はまさに「時代の寵児」ですね。僕の考え方とは真逆ですが()


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