シェイプアップガールズご来社!!

それは一本の電話から始まりました。

わたしの不在中に、社員が一本の営業電話を受けました。その内容は、

「”The Human“というビジネス雑誌の編集をしているものなのですが、

 御社の社長を取材させていただけないでしょうか?

 ゲストインタビューアーとして、シェイプアップガールズの”中島史恵”さんが

 御社を訪問させていただきます。今週の金曜か土曜でお時間ございませんか?」

取材ということで、社員も急いで私に連絡をしてきたのですが、

最初は”いかにも胡散臭い話”として取り合う気も無く、

「シェイプアップガールズ」という単語だけが頭の中をグルグル回っていました。

その日は電話を折り返すこともなく、放っておいたのですが、翌日また電話がかかってきました。

2回目の電話では私が直接応対し、興味半分で話を聞いていたのですが、

ついつい営業トークに乗せられて、取材をOKしてしまったのです。。。

(今から考えると、浅はかな考えだったと反省しております・・・)

なぜなら、電話の最後の最後に、こんなことを言っていたからです。

「大変申し訳ございませんが、取材費を少々負担していただくことになります。

 記事掲載費という名目で7万円頂戴しております。

 7万円ですとA41/4サイズになりますが、グレードアップ希望の際は仰ってください。」

取材を受ける立場なのに、なぜこちらが金を払う必要があるの??と思いつつ、

芸能人をインタビューアーとして派遣するコストがかかるんだろうな~と勝手に解釈していました。

また、7万円であれば、たとえ騙されたとしても許容できる金額だと思ったのも事実です。

そして、土曜日の11時から取材は弊社にて開始されます。

「中島史恵さん」は事前の噂通りの美人さんで、とても43歳とは思えないスタイルでした。

「中島史恵さん」が所属している「シェイプアップガールズ」とは、

1994年にデビューした女性4人組のセクシー系のタレントグループです。

これと似たようなグループで、1990年にデビューした女性4人組グループC.C.ガールズ」

青田典子が所属していたことでも知られていますが、

「シェイプアップガールズ」は「C.C.ガールズ」の妹分みたいなものです。

どちらのグループも「バブルの象徴」です。

話を元に戻しますと、取材はいたってノーマルでした。

「社長の今日に至るまでの経緯や苦労話」

「専門家としての信念・信条」

「将来の展望・夢」

いかにもありがちな話ですが、もう一人の同席した記者に誘導されるがまま、

一通り思っていることをお伝えしました。

取材が終了し、ゲストと一緒に記念撮影をし、無事終了~と思いきや、次なる展開に・・・

カメラマンとゲストが先に退室し、花が無くなった部屋に残った営業マンが

なにやら神妙な面持ちで話し始めます。

営業マン

「取材は以上で終了です。」

「それでは、これから記事の作成にかかりますので、どのサイズの記事にしますか?」

「カラー見開き(A4×2枚分)ですと100万円になります。」

「白黒ですとカラーの約半額になります。」

「社長の熱い想いをできるだけ多くの活字に残したいので、最低でもA4カラーがお勧めです。」

「この場でご決断ください!」

わたし

「は?なんで今決めなきゃいけないの?」

「こういうことは社員と話をして決めます。」

「社員みんなで稼いだお金ですから、社長の一存では決められません。」

営業マン

「今までの社長さんは、全てその場で即決でした!」

「金額も50万ぐらいが平均です!」

「半分以上の社長さんは自腹を切って決断されていました!」

わたし

「私には自腹を切る余裕はございません。」

「あと、その場で決断を迫るやり方って、俺俺詐欺と一緒じゃないですか?」

「取りあえず、雑誌のサンプルをください。」

「それを元に、週明けに社員と検討します。」

営業マン

「あの。。。。申し訳ございません。」

「雑誌のサンプルが1冊しか手元にないため、これを置いて帰ることはできません。。。」

わたし

「無言・・・・・・・・・」

 

ようやくピンと来たのですが、この雑誌は実在しないものではないか?と感じたのです。

事前に送られてきたFaxには「発行部数3万部(月毎に変動あり)」と記載されていました。

(月毎に変動ありってどういうこと??)

しかも、販売形式は直接販売。全国の図書館などに最新号を常設。とありました。

(この雑誌を今までに目にしたことがありません。ネット上にもサンプルしかありません。)

現在進行形の話なので、この後の話は控えますが、

現時点では、微妙に「詐欺」とは呼べない状態であります。

記事の納品は未だですが、最低金額の7万円(税別)は支払うことが決まっております。

(未だに営業マンからはグレードアップ要請の電話がかかってきますが。。。)

そして、手元にあるのは、「中島史恵さんと撮った記念写真」・・・・

こんなこともあろうと、ネタとして友人を呼んでおいたので、その場は楽しい場でした。

また、終わった後も、それをネタに話は盛り上がっています。

友人は「イイ匂いがした~」と喜んでいました。

まとめますと、現時点での7万円に対する対価は、

1、中島史恵さんとの対談ができた。

2、中島史恵さんとの記念写真を撮影できた。

3、友人と盛り上がるネタができた。

これを高いと感じるか安いと感じるかは、あなた次第です(笑)

ちなみに、こういった商法はウィキペディアによりますと、「社長商法」「取材商法」とあります。

権力者の自尊心を刺激することで、標準価格以上の金額を支払わせる商法だそうです。

体裁上、お互い同意の商取引であるので、法に触れることはありません。

たしかに、お互いが満足していれば問題ありませんね。

わたしには、権力者の自尊心というものが欠けているようなので、営業の方は諦めてください。

わたしにあったのは「ちょっとしたスケベ心」でした。

よって、取材を受けてしまった自分への罰として、最低金額の7万円はお支払いいたします。

「社長商法」にまんまと引っかかった「踏み絵(ふみえ)代金」です。

タレントさんが中島史恵(ふみえ)だけに・・・

 

(注)中島史恵さんはこれらのビジネスの詳細は把握していないと思われます。

   本人の名誉のためにフォローさせていただきます。本当に良い人でした。

 

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