幻のエア雑誌

前回の続きになります。

 

 

先日、「取材商法」なるものに引っかかった私ですが、

そもそも掲載される予定の雑誌が発行されないのではないか?という疑惑があります。

(営業マンいわく、月間発行部数3万部の雑誌です。ただし月毎の変動あり。)

 

なぜなら、営業マンは雑誌のサンプルを置いて帰ることを極端に嫌がったからです。

そのサンプルには、ユニクロの柳井さんが表紙に掲載されており、

The Human20113月号とありました。

 

私は営業マンに言いました。

「記事のサイズUPを検討するためにも、サンプルを置いて行ってください。」

 

しかし、営業マンはこう言います。

「本日午後から別の現場に行くので、サンプルが1冊しかないため置いていくことができません。」

「弊社では営業に割り当てられるサンプルが少ないので、差し上げることができないのです。」

「月曜日に必ず別のサンプルを郵送いたしますので、どうかご勘弁を。。。」

「ちなみに、サンプルは見終わったら返送をお願いします。」

 

最後の言葉に胡散臭さを感じつつも、仕方なく、その場は引き下がったのですが、

月曜日になって営業マンから電話が入りました。

 

営業マン

「あの。。社長にお詫びしなければいけないことがあります。」

「実は、”The Human“は8月にリニューアルされる雑誌でして、現時点ではサンプルがございません。」

「その前身となる”現〇画報”という雑誌を送らせていただきます。」

 

わたし

「ん?あの柳井さんの載っていた20113月号はなんなの?」

 

営業マン

「あれは単なるサンプルでして・・・・」

 

わたし

「無言・・・・・・・・・・・」

 

 

この時点で、「The Human」という雑誌は現時点では架空のものだということが確定しました。

そうです。 「エアギター」ならぬ「エア雑誌」です。

 

 

そして、火曜日に送られてきた雑誌「現〇画報」ですが、目を通してビックリです。

私のようにインタビューを受けた社長のオンパレード(苦笑)

「時代を切り拓く経営者に聞く!」と題して、聞いたことの無い会社の経営者ばかりが登場・・・

 

見開きのカラーページの社長さんはイキイキとした表情で語っています。

(さすが60100万円のコストをポケットマネーで支払える人は違います。)

そして、総ページ数200P以上の超大作です。しかも、毎月発行、Vo17211,500円。

見知らぬ経営者ばかりが夢を語る雑誌なんて、いったい誰が読むのでしょうか???

 

 

要するに、毎月これだけの人が「取材商法」「社長商法」に引っかかっているということになります。

ただし、あくまでもこれは私の観点であります。

 

 

掲載されている社長さん達は、おそらくほとんどの方が満足しておられます。

喜んで掲載料を払っている訳ですから、なんら違法性はございません。

これが「社長商法」というものなのです。恐るべし「社長商法」。。。

※「社長商法」:社長の自尊心をくすぐり、実際の価値の何倍もの価格で商品を売りつける商法。

 

 

少し話は逸れますが、通常、雑誌の収益構造は「購読料」「広告料」の二本立てです。

制作コストを購読料で補い、広告料を利益として計上できれば、その雑誌は優良雑誌です。

ところが、今回の雑誌の収益構造は全く異なります。

 

営業マンいわく「うちの雑誌は経営者の方からの掲載費用でほとんどが成り立っています。」

ということは、購読料が無いということであり、購読されていないということです。

しかし、掲載費用だけで1冊あたり3千万円ほど収益を上げるそうですから凄いビジネスです。

(まあ、カラーページに100万出す社長が毎月30人いれば良いだけですが。)

 

 

最後に、この「社長商法」「取材商法」をやっているグループ会社名は、

「国〇通信社グループ」といいます。1984年創業。大阪本社。グループ売上高21億円。

雑誌はいくつかあるようですが、大半の雑誌が「経営者のインタビュー記事」で成り立っています。

 

 

Google「国〇通信社」と検索すると、他のキーワードとして「国〇通信社 取材商法」と出てきます。

創業当初は「国〇ジャーナル」という雑誌を発行していたようですが、

その後、「報〇ニッポン」「現〇画報」といった、いかにもありがちな名前の雑誌を発行し、

その都度、同様の「取材商法」でビジネスを続けてきたようです。

 

 

これまで27年もの間、このスタイルが継続できたということは尊敬に値します。

(変化し続けるものが生き残る。正にその極みです。)

 

 

今の世の中、ネット上に情報が氾濫しているので、少し検索したら分かりそうなもんですが、

今回は雑誌名The Humanでググっても何も出てこなかったことで油断してしまいました。

やはり、お付き合いする会社は、企業名で検索して現状を確かめないとダメですね。

 

おそらく、先方はそれを見越して雑誌の名前や会社名をコロコロ変えているのだと思われます。

The Humanという雑誌も、いずれ名前が変わることでしょう。

っていうか、本当に発行されるんですかね??

 

 

一応、A41/4(白黒)で7万円お支払いするので、出来上がった雑誌は納品してくださいね(笑)

 

 

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