マーケティング用語に「スマイルカーブ」という言葉があります。
本日の日経新聞にも掲載されていました。
もともとは電子機器産業の収益構造を表す言葉のようですが、
最近では自動車産業においてもこの収益構造が当てはまるとの記事でした。
電子機器産業では、事業プロセスの川上に位置する「商品開発」や「部品製造」のプロセスと、
川下プロセスにあたる「メンテナンス」や「アフターサービス」の部分の収益性は高いですが、
中間プロセスにあたるの「組み立て」や「製造」はあまり儲からないと言われています。
日本の電子機器メーカーは、部品の開発・製造を関連会社に任せ、組み立て部分のみ手がけてきました。
ところが、以前は複雑だった組み立て工程も最近では簡素化され、付加価値が減少しました。
唯一黒字化している東芝さんは、今や半導体(フラッシュメモリ)で黒字の大半を稼いでいます。
また、川下はヤマダ電機等の量販店に握られているため、全く儲からない体質になってしまったのです。
この現象を、縦軸に収益性、横軸に事業プロセスをとってグラフ化すると、
上記の図のように、スマイルマークの口のラインのようになることから、
マーケティング用語では「スマイルカーブ」と呼ばれています。
実はこのカーブ、私達が運営する人材紹介事業にも当てはまると思います。
川上は「医師の集客」、中間は「マッチング」、川下は「求人の開拓」となります。
たしかに、川上の「医師の集客」に特化していたエムスリーさんは儲かってます。。。
しかし、最近は川下プロセスにも進出しつつあります。
今後、エムスリーさんが高収益を維持したまま事業を拡大できるかどうか見物です。
では、川下の「求人の開拓」を頑張っている企業はどこか?
これは一概にどことは言えませんが、私はここが最も重要なプロセスだと見ています。
美味しい求人を開拓できる能力は、高付加価値に直接つながります。
実は、この「求人の開拓」という業務は非常に辛い業務です。
何度も何度も電話を繰り返し求人開拓をするため、「折れない心」が必要です。
これが継続できるかどうかが、勝負の分かれ目となるでしょう。
また、この求人開拓という業務は長年の勘が役に立ちます。
よく大手の人材紹介会社は未経験者を採用したり、アルバイトに求人開拓業務を任せますが、
この業務こそエージェントとしての経験を発揮すべきプロセスだと思っています。
医師の方が紹介会社を選択する際の指標としていただきたいことは、
求人の「量」ではなく「質」に着目することです。
(求人の「量を」を集めることは大して労力はかかりません。)
ユニークな求人があるかどうかが、その企業が努力しているかどうかを見極めるポイントなのです。
ありきたりな求人は、どの紹介会社も同じ求人を持っています。
(その瞬間無かったとしても、すぐに探し出すことが可能です。)
よって、ユニークな求人を持っている紹介会社を選ぶことが、重要なポイントだと思います。
医師の皆様、是非実践してみてください。
ユニークな求人の多い紹介会社には、優秀なエージェントがいます。