減収増益は悪くない

 

先日、友人と話をしていて、友人の勤める会社の社長がこんなことを言っていたそうです。

 

「当社は今期、減収増益という情けない状況で恥ずかしい!!」

 

 

わたしはこの話を聞いて「ん??」と違和感を感じてしまいました。

なんで「減収増益」で恥ずかしいことなのか、正直わたしには分からないのです。

ちなみに、その会社はそれまでずっと「増収増益」を継続してきた会社ではありません。

 

 

「減収増益」とは、売上が減ったけど利益は増えたという状況です。

わたしの中では、「増収増益」>「減収増益」>「増収減益」>「減収減益」という順番であり、

「減収増益」は上から2番目なので、特段恥ずかしいということは無いと思うのです。

 

 

おそらく、その社長さんの中では、増収=売上を伸ばすことが最重要ミッションなのでしょう。

私の経験では、バブルの時期に最前線にいた方は、売上に執着する方が多いように思います。

私が初めて社会人として企業に入社した当初はバブルの名残がある時期だったので、

売上をつくる作業に追われていたことがあります。(いわゆる通し物件を架空計上するやり方です)

 

しかし、その作業に全く意味を感じなかった私は、上司に止めるよう直訴したことがあります。

ただ、当時は銀行が企業を評価する際に、売上が伸びているかどうかを気にしていた時期だったので、

多少なりとも意味はあったようです。

 

 

しかし、今のご時世、売上よりも利益です。

企業が存続するためには、なんとしても利益を上げるしかないと思います。

利益の付いてこない売上なんて無い方がマシです。

 

売上を増やすためにダンピングしてまで仕事を取ろうとする輩がいますが、

それは自らの価値を否定していることにつながります。

また、市場そのものが想定よりも早くシュリンクしてしまいます。

 

 

よって、わたし自身は「増収減益」こそがだと思っています。

なぜなら、これは無理して見栄を張っているいる証拠だからです。

 

 

どんなマーケットもいつまでも拡大することはないため、

業界トップの企業であったとしても、どこかで増収ペースは落ちます。

そんなとき、経営者がすべきことは、財布のひもを締めることです。

要するに、今まで使ってきた経費を圧縮し、売上が増えなくても黒字を確保できる体制を整えるのです。

 

当然、新しいマーケットに参入することも重要ですが、

まずは出血を止めなければ、企業は潰れてしまいます。

成長市場には資本を投下して、成熟市場で節約することはセオリーです。

 

そういう意味では、「減収増益」は、無駄を省いて筋肉質になっている証拠なので、

決して恥ずかしいことではありません。

身の丈を知り、売上を減らしてでも節約して黒字を出すことは素晴らしいことです。

 

 

ちなみに、弊社はまだ生まれたての成長期の会社なので、

当分は「増収増益」を目指します。

しかし、増収に目が行くとバランスが崩れるので、増益が最重要ミッションだと思っています。