開業医の差別化

今年のGWは飛び石連休だったので、2日と6日を休んで

10連休」という方もいらっしゃたのではないでしょうか?

わたし自身、仕事を休むことはありませんでしたが、10日連続で出社しませんでした。

お陰様で、心身共にリフレッシュできました。

と言いたいところですが、最終日に風邪を引いてしまい、今日は朝から病院へ行ってきました。。。

毎年この時期に同様の症状となるのですが、私なりには以下の因果関係を怪しんでいます。

花粉症が終わって一安心⇒マスクを外す⇒中国からやってくる黄砂により喉をやられる

⇒風邪と似たような症状となり、最終的には気管支炎になる。 といったものです。

他人の症状なんて、どうでもよい話なので本題に入ります。

(とにかく、この時期は咳が止まらなくて辛いんです。)

 

さて、今回のブログでは、今朝診療していただいた都心の医療モール内で、

不思議な現場を目にしたので、それについてコメントします。

その不思議な現場とは、6つある診療科のうち、内科が2つ隣り合わせで開業していたことです。

通常、医療モール内では同じ科目が重複しないように調整されると思うのですが、

どちらにも「内科」と書かれていました。

ひょっとすると、詳細な専門があるのかもしれませんが、標榜上は「内科」でした。

去年通院した際は、もう一つの内科は無かったので、

おそらく、空き室を作ることを嫌がった医療モール運営会社が、

既存の内科医を説得し、無理やり押し込んだのだと思われます。

ただし、以前からあった内科は非常に流行っているのですが、

お隣の新規の内科は、患者さんが少なそうでした。

待合席は共有物なので、どちらの患者さんか見分けがつきませんが、

私が見る限り、新規の内科の診察券は数枚しか入っていませんでした。

開業当初は致し方ないのかもしれませんが、「今後の集客」について興味があります。

二つの内科の違いは、以下の通りです。

医師:既存の内科医は男性で50歳ぐらい、新規の内科医は女性で40代前半

看護師:既存の内科は老齢で温和な看護師、新規の内科は若く小奇麗な看護師

医院の外観:既存の内科は何の工夫もなく、新規の内科は予防法等のパンフレットを展示

これだけを見る限り、女性or若い人は新規の内科に流れそうな気がします。

また、ふらっと立ち寄った新規の患者さんは、

すぐに診療していただけそうな新規の内科に流れる可能性があります。

ただし、ここのモールを訪問する患者さんの絶対数は、

内科が2つあるからといって増えるようには思えません。

他の業界では、わざと競合が近所に出店することで集客効果を増すことはよくあります。

例えば、自動車のディーラーが並んでいる大通りや、デパート内における衣料品店です。

しかし、医療業界で、同じ標榜科目で隣り合わせというのは少し違う気がします。

「あなたの好みの内科を選択できます」とでも広告を打つのでしょうか?

今回の例は極端だと思いますが、開業医の方は「同業との差別化」に悩んでいると思います。

そもそも、医療広告にはお上が定める規制があり、

原則として、医療機関、医業等に関する広告は禁止されています。

また、法律(医療法第69条)により広告を許されている事項は以下のものだけです。

・医師又は歯科医師である旨

・診療科名(政令で定めるもの、厚生労働大臣の許可を受けたもの)

・病院又は診療所の名称、電話番号及び所在地

・常時診療に従事する医師又は歯科医師の氏名

・診療日又は診察時間

・入院設備の有無

・紹介することができる他の病院又は診療所の名称

・診療録その他の診療に関する諸記録に係る情報を提供することができる旨

しかし、平成13年に厚生労働省から告示された内容によると、下記のものもOKとのことです。

(これを表に出すことができれば、多少の差別化にはなると思われます。)

「医師の年齢、性別及び略歴」

当該医師としての経歴を簡略に示す以下のような事項を総合的に記載したものを広告できます。

例として、「生年月日、出身校、学位、医籍登録年月日、勤務した医療機関(診療科、期間)」等。

 ※ただし、常勤医のみ広告可。

また、広告できないと判断される事項の例としては、「専門医・認定医資格の取得」です。

苦労して資格を取得されても、広告として使用することができないなんて辛いですね。。。

だから、これ見よがしに玄関や診察室に飾ってあるのでしょう。

今日もマジマジと見てしまいましたが、医療業界以外の方が見てもピンとこないと思います。

そんなこんなで、広告における差別化は非常に難しいことがよく分かりました。

ということは、患者さんに対しては、診療中にアピールするしかない訳です。

「開業医はサービス業」といわれていますが、実際そうなのだと思います。

広告を大々的に出せないとなると、重要なのは「口コミ」です。

良い口コミを得るためには、患者さんと真摯に向き合うことはもちろんですが、

ちょっとしたリップサービスも必要なのだと思います。

診察そっちのけで世間話ばかりされるのもどうかと思いますが、

目に見えない「ヒューマンスキル」のようなものが、開業医には求められると思います。

(わたし自身も、診療していただいた医師のお人柄により再訪を検討しています。)

一生懸命勉強して、高いスキルを身に付けたうえで、ヒューマンスキルまで求められるなんて、

医師は本当に難しい職業だと思います。

そんな中、ヒューマンスキルに自信のある医師は、どこに行っても引っ張り凧です。

弊社においてもそんなスキルを持った医師は大歓迎です。

求職活動の際は、是非、わたしたちに「求人開拓」をお任せください!