医師への道

本日のお題は「医師への道」

医師の皆様はこれまで多大なる努力の結果、今の立場があるのだと思いますが、

単純に「医学部進学への学力面での努力」「学費という金銭面での投資」という点から、

医師になるための難易度をあらためて推察してみました。

まず、我々一般人からすると、

学力だけ優れていても資金面で余裕のない人は医師にはなれないと思いがちですが、

色々調べてみると国立大学の学費は思ったほど高くないようです。

国公立の医学部を6年で卒業した場合にかかる費用は、平均で約350万円とのこと。

これが私学になると、なんと平均で約2,240万円です。

一般庶民にとって、私学は無理ですが国公立であればなんとかなりそうな気がします。

しかし、国公立の医学部に入る前の段階で、かなりの教育費をかけているはずです。

そもそも医学部合格者のほとんどが私学の高校出身者です。

小学校から高校まで全部私学だったとすると、学費だけで1,000万円以上かかると言われています。

また、学費以外にも塾などの費用もかかりますから、下手すると全部で2,000万円オーバーです。

これでは一般庶民には到底無理な話です。。。

(逆に塾へも行かず、高校まで全て国公立に通ったとすると、200万円程度で済みます。)

医師の中で、小学校から大学卒業まで全てが国公立だった人の割合はどれぐらいなのでしょうか?

わたしがこれまで見てきた先生達のご経歴においては、非常に少なかったと記憶しております。

しかし、ごく稀にオール国公立という先生もいらっしゃいます。親孝行ですね(笑)

ちなみに、下記は医学部の偏差値順位と「公立・私立」の表になります。

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上位20校のうち、実に17校が国公立という結果でした。

しかも、ランクインしている私学は、学費が安い私学のベスト3という結果でした・・・

みごとに学費と偏差値(難易度)は逆相関の関係にあります。

なお、学費が借りられる等の優遇施策のある大学もあります。

上記の表にランクインこそしていませんが非常に高倍率で難易度が高いといわれています。

自治医科大学(21倍)、防衛医科大学(18倍)、産業医科大学(18倍)  ※2008年実績

【自治医科大学】は名目上は私立大学ですが、当時の自治省が設置し、

運営に各都道府県の分担金や宝くじの収益金が入っているので、ほぼ公営の学校です。

卒後9年間、指定された全国の山間離島などで勤務すれば、学費の返済が全額免除されます。

【防衛医科大学】は、在学中の学費は一切必要ありません。

そればかりか、在学中も「自衛官」であるため、毎月の給与や年二回のボーナスまで支給されます。

そして、卒後9年間の自衛隊内勤務をすれば、学費は一切掛かりません。

【産業医科大学】は、こちらも名目上は私立大学です。

しかし、国からの助成金が多額算入されているため、実質的には公営の大学です。

こちらの学費は6年間で2千万円以上と高額ですが、学費の大半は貸与されます。

そして、卒後9年間、指定された医療機関で勤務すれば、貸与分の学費の返済は不要になります。

国公立であれば、一般庶民の家庭でも経済的にはなんとかなりそうですね・・・

正直、医師はお金がないと無理だと思っていました。

しかし、非常に狭き門だということは確かです。

続いて、私学の場合は、国公立に比べて授業料が格段に高い為、難易度は若干低くなります。

それでも偏差値は6070で、それなりの学力がないと厳しいといえます。

ただ、私学の入試科目は英語・数学・理科の3科目で済む場合がほとんどです。

科目数が少ないほど偏差値は高くなる傾向にあるので、科目を絞れば集中して勉強できそうです。

精神的に少しは楽になると思われます。

ただし。

私学の場合は学費だけでも6年で最低2千万円はかかるため、

一般庶民であれば借金するしか道は無さそうです・・・

結論、「医師への道」が険しいということがよく分かりました。