ティッシュ王子こと大王製紙の元会長「井川意高」氏はギャンブルで身を滅ぼしました。
なぜ、このようなことになったのでしょうか?
彼は愛媛生まれですが、中学から上京し、筑波大学附属駒場高等学校を経て、
東京大学法学部を卒業した超エリートです。
大王製紙のトップに立った後も、取引先との関係改善やブランド戦略などによって、
同社内の家庭紙事業を黒字転換させたとして、その経営手腕は高く評価されていました。
しかし、私的な巨額借り入れが問題となり、「特別背任容疑」で東京地検特捜部に逮捕されました。
その借入額は表に出ているだけでも100億を軽く超えており、
今後の捜査により、さらに上積みされる可能性も秘めています。
その主たる用途は、マカオやラスベガスのカジノ(ギャンブル)であり、
一説によると、「井川氏の一億円が一般人の一万円」ぐらいの金銭感覚だったようです。
井川氏が身を滅ぼした「ギャンブル」ですが、
そもそも、「ギャンブル」とはやってはいけないものなのでしょうか?
わたし達の生活の中で、ギャンブル性の高い遊びは沢山あります。
競馬やパチンコはまさにギャンブルですが、日中堂々取引されている証券取引もギャンブルです。
また、売出し中の「年末ジャンボ宝くじ」だって、ギャンブル以外のなにものでもありません。
要は、リスクを背負ってリターンを享受する類のものは、全てギャンブル性を含んでいます。
これらの類をこの世の中から全て排除してしまうと、非常につまらない世の中になるでしょう。
ただし、ハマりすぎて高額を突っ込んで人生を破滅させることは避けなければいけません。
しかし、ギャンブルを運営する側は、あの手この手を使って誘惑してきます。
近年普及しているオンラインゲームも同じ現象だと思います。
ゲームに勝つ感覚により脳内物質「ドーパミン」が発生し、快楽を求め更に増幅していきます。
一度大勝してしまうと、その満足感を脳が覚え、再び求めてしまうということです。
■はまるパターン
大勝の経験⇒自信を持つ⇒負け続ける⇒負けを取り戻そうと金額をアップする
⇒借金が膨らむ⇒現実逃避
■はまりやすいタイプ
「思い込みの激しい人」「プライドの高い人」「意志が弱い人」
「理屈っぽい人」「数字に強いが実は認識の甘い人」
By「ビジネスに生かすギャンブルの鉄則」谷岡一郎著
おそらく、井川氏も上記のパターンにはまったのだと思います。
エリートの人ほど、一度はまると取り返しがつかないことになるのです。
そういう点では、真面目な医師の方々もはまる可能性は高いといえます。
なぜなら、大学を卒業するまでの勉強や、卒後の仕事における成功は、
努力の積み重ね、いわゆる「必然」の結果であるのに対して、ギャンブルは「偶然」の結果です。
これまで「必然」が支配してきた世界が、「偶然」に支配されると、
プライドの高い人や数字に強い人ほど、必勝法則を見つけることに必死になります。
しかし、よくよく考えれば分かることですが、ギャンブルは胴元だけが勝つゲームなのです。
運よく当初は勝ち続けたとしても、最終的には負けるようになっています。
よって、どのタイミングで切り上げるかということが重要です。
大脳皮質で「ギャンブルは結局もうからない」と冷静な判断をすることができれば、
この世界から足を洗うことができるでしょう。
ここまできて、何が言いたいかというと、わたしはギャンブル自体は否定しません。
ただし、節度を保ちながらやる必要があるということと、引き際が肝心だということです。
それをわきまえるためには、それなりの訓練が必要だと思います。
よく、ギャンブルは夜遊びは若い時期に経験しておけといわれますが、その通りだと思います。
年配になって遊びを覚えるとロクなことがありません。(歯止めが効きません)
若い時期に、多くの失敗をしておくことが、将来的には財産になるのです。
ギャンブル依存症は病気と言われていますが、
若い時期に失敗を重ねることで、ギャンブルに近づかなくなります。
よって、ギャンブルは若い時期に、誰かの教育の元、思いきりやらせるべきだと思います。
ただし、自分のお小遣いの範囲内でやりましょう。
決して人様のお財布からお金を無心しないように(苦笑)