チャイナパワー

 

最近あらゆる場面で中国の勢いを感じます。

やり方に関してはいろいろな見方はありますが、この勢いだけは認めざるを得ないところです。

北京五輪における金メダルの数(22個)。

先日行われた体操世界選手権・男子団体では4連覇。

上海万博の入場者数7000万人突破。

GDPにおいては、今年中国が日本を抜いて2位になりました。

そしてなんといっても、中国人旅行客の多いこと多いこと・・・

現在、中国は日本にとって最大の貿易相手国であり、

日本企業が中国で生産した製品を世界に販売して収益を上げています。

自動車では中国の国内販売台数はついに日本を抜き、

トヨタや日産やホンダなどの日本メーカーは、中国市場への依存を深めています。

欧米の自動車メーカーも同様に、中国への依存度が高くなっています。

高くなっているどころか、中国資本に買われてしまうメーカーも出ています。

代表的なのが、スウェーデンの名車ボルボです。

一般に知られているボルボの乗用車部門は、正式にはボルボ・カーズといいます。

ボルボ・カーズの前身はボルボグループで、

トラック部門や船舶エンジン部門で構成されるコングロマリット企業でした。

ボルボ・カーズは1998年に米・フォードにより64億ドルで買収されました。

しかし、今度はフォード自身の経営悪化に伴い、

2010年に中国の吉利汽車の親会社にあたる「浙江吉利控股集団」に18億ドルで売却されてしまいました。

 

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また、同じくスウェーデンの老舗自動車メーカーSAABも、一部が中国傘下になりました。

SAAB1940年代にスウェーデンの航空・軍需品会社として発足し、

1990年、乗用車部門がゼネラルモーターズ(GM)との折半出資会社「サーブ・オートモビル」に移管され、

2000年にはGMの完全子会社となりました。しかし、2009年にGMが経営破綻し、

不採算部門であったサーブ・オートモービルズも公的管理下におかれました。

その後、2010年に入ってGMと中国の「北京汽車」との間で、

一部の車種の知的財産権と生産技術、生産設備を売却することが基本合意されました。

 

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それ以外には、米国のハマーも中国に売却される話がありました。

しかしこの話は、ハマーの燃費があまりにも悪いため、

環境問題を抱えている中国当局が待ったをかけたとのことです。

(あの中国に断られるほどの燃費の悪さって、どれだけ環境破壊する車なんでしょう!?)

 

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このような買収の惨劇をみると、ヨーロッパと米国の自動車産業の凋落が手に取るように分かります。

日本の自動車メーカーも日産がルノーに買収されましたが、いつの日か中国資本なんてこともあるかもしれません。

明日は我が身。 恐るべしチャイナパワーです。。

 

 

こうなると、「好き・嫌い」の問題でなく、中国と如何にお付き合いをしていくかということになります。

彼らにとって知的財産権はほぼ関係ないので、

日本のお家芸である生産技術やノウハウを、極力漏らさないということが重要だと思います。

 

また、一度決めたことでも平気でちゃぶ台をひっくり返すというあの交渉術に対抗するためには、

あらゆる約束を反故にされることを覚悟したうえで、付かず離れずのお付き合いをするしかないですね。