国家一種

公務員試験 I種応募者2.5%増 女性割合は過去最高

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 人事院は22日、各府省の幹部候補である国家公務員I種の2011年度採用試験の申し込み状況を発表した。

 応募者数は前年度比2.5%増の2万7567人。民間企業の採用抑制が影響し、09年度から3年連続で増加した。

 また、応募者に占める女性の割合は31.1%で、09年度に並び過去最高となった。

 試験区分別では、行政、法律、経済など法文系が6.0%増、理工系が5.8%減、農学系が6.4%減。

 1次試験は5月1日に実施され、2次試験を経て6月20日に合格者が発表される。

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                                       時事通信(2011/04/22-16:32

国家一種とは、一般的には「キャリア」といい、それに対して一種以外を「ノンキャリア」といいます。

(分かりやすくいうと、「踊る大捜査線」の青島はノンキャリアで室井はキャリアです。)

今回公表されたのは、各省庁の幹部候補を採用する試験の申し込み状況です。

この試験の難易度は非常に高く、司法試験や公認会計士試験と並び、日本の三大難関試験と呼ばれています。

公務員試験というのは、不景気になると倍率が上がると言われていますが、

昨年の倍率UPは半端なく、ついに20倍を超えてしまいました。

今年の応募者数から推測すると、更に倍率が上がることは間違いありません。

<参考>

平成22年度 申込者:26888人 合格者:1314人 合格率:4.8% 倍率:20.4倍

平成21年度 申込者:22186人 合格者:1494人 合格率:6.7% 倍率:14.9倍

平成20年度 申込者:21200人 合格者:1545人 合格率:7.2% 倍率:13.8倍

平成19年度 申込者:22435人 合格者:1581人 合格率:7.0% 倍率:14.2倍

また、合格者は東京大学出身者が半数近くを占め、その他の合格者もほとんどが上位校の卒業者です。

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採用後は、二種以下の採用者と比較して出世スピードが異常に早く、若くして重要な仕事を担当します。

30歳前後で課長に昇進し、その後も出世街道まっしぐらな訳ですが、注目されるのは「事務次官レース」です。

事務次官とは省庁のトップですが、50代中盤で事務次官が誕生するまで、出世レースは続きます。

(同期間の出世レースという意味では、医局の内部に似ている気もします。)

事務次官になる1人以外は全員敗者となる訳ですが、出世レースに敗れてもそれなりのポジションが用意されています。

それがいわゆる「天下り」なのですが、ほとんどの人が民間企業や関連団体に再就職することになります。

そして、いくつかの団体を23年置きに渡り歩き、辞める度に退職金をもらいます。(これを渡りといいます)

よって、事務次官レースに敗れたからといって、人生の敗者という訳ではなく、

生涯賃金では、早々と官僚組織を去った人の方が多くのお金を稼いでいるケースもあります。

また、お金という面だけで見ると、若いうちはそれほど優遇されていません。

例えば、キャリア官僚の収入は30歳で約600万、40歳で約1000万程度です。

これだけみると、民間の大企業よりも良いわけではありませんが、

退職金が多いことと、天下った後の収入と退職金が大きいため、生涯賃金ではかなりの金額になるようです。

(ちなみに、元防衛相事務次官の守屋氏の退職金は7千万円でした。)

お金の話ばかりで恐縮ですが、そもそも国家一種を志す人は、生涯賃金の事など頭にないかもしれません。

なぜなら、キャリア官僚とは、日本という国を背負って立つお仕事だからです。

「日本という国をより良くしたい!」という気概を持ってキャリア官僚になる人ばかりであると信じたいです。

ちなみに、国家一種合格後の配属先は、一応は希望を聞かれるようですが、

人気のある財務省や外務省には、国家一種試験にトップクラスの成績で合格しないと入れません。

よって、ほとんどが東大出身者で固められており、省内においては「東大に非ずは人に非ず」ともいわれています。

官僚とはそのような優秀な方たちの集まりなので、「国家の頭脳」と言い換えることができるでしょう。

よく「官僚主義」とは悪い意味で使われますが、官僚とは本当は優秀な人たちの集まりなのです。

官僚さえしっかりしていれば、どの党が政権を取ろうが、誰が首相になろうが関係ありません。

政治家に頼れない今、高い志を持ったキャリア官僚に頑張っていただくしかありません。

より優秀な方がキャリア官僚になり、日本をよくしてくれることを望みます。