キャナリーゼ

 

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3.11の震災以来、東京の不動産価格がどうなったのか気になったため、

マンションの口コミサイト等を調べていたら、やたら「豊洲」のスレッドが多く驚きました。

 

いろいろ覗き見してみたのですが、内容はアンチ豊洲派が圧倒的に多く、

なぜそこまでアンチが多いのか理解に苦しみました。

実は、私の後輩も豊洲にマンションを購入していたので他人ごととは思えず、その理由を探ってみました。

 

 

この「豊洲」という地域は、首都圏のマンション市場における人気スポットのひとつです。

再開発が急速に進み、「ららぽーと」「キッザニア」のような商業施設が充実しており、

近年は大型マンションが多く建設されています。

 

そして、都心(銀座等)へのアクセスが良く、将来的には築地市場の移転も予定されているため、

豊洲は首都圏住民の羨望スポットになりつつありました。

というか、既に羨望スポットでした。

 

豊洲に住む主婦は「キャナリーゼ」と呼ばれ、「ご当地マダム名」としては、

「シロガネーゼ」「コマザワンヌ」「マリナーゼ」と並び、かなりの市民権を得ていました。

なぜ「キャナリーゼ」かというと、豊洲の周囲は運河(キャナル)で囲まれているからです。

 

google検索件数

「シロガネーゼ」 106,000件  ※ウィキペディア有

「コマザワンヌ」 6,530

「マリナーゼ」  80,300件   ※ウィキペディア有

「キャナリーゼ」 14,200

 

ちなみに、豊洲に住むサラリーマンは「キャナリーマン」と呼ばれているそうです・・・

こうした呼び名は、デベロッパーが仕掛けた一種のブームなのですが、

その地域のブランドを浸透させるために、マスコミと組んで面白おかしく命名しているようです。

 

 

そんな羨望スポット「豊洲」が、なぜこれほどまでバッシングされているのか?ということですが、

正直なところよく分かりませんが、原因はいくつかあります。

 

まずは液状化現象。

マリナーゼの住む新浦安や舞浜ほどではありませんが、豊洲も多少はやられたようです。

ただし、マンション自体は全く問題なし。

 

次に、放射能。

米医師会のダラス教授という方が、持参したガイガーカウンターで都内をチェックしたところ、

豊洲では(第1原発から60数キロの位置にある)福島県郡山市の数値よりも高い数値が出たようです。

 

放射能に関しては、震災の影響では無く、おそらく以前の工業地帯時代に原因だと思われます。

1950年代には相当な核ゴミが投棄されていた可能性があるとのことです。

ダラス教授は、大人には影響がないが、子供は注意したほうがいいと言っています。

 

 

これらのことから、不動産価格としてはマイナス要因が多いのですが、

それを言うならば、新浦安の方が被害が大きい訳で、豊洲だけがバッシングされる理由にはなりません。

 

 

わたしが思うに、豊洲が特にバッシングされている理由は、

投機的に不動産を買った人が多かったからではないでしょうか?

長期的に住む目的ではなく、値上がりしそうだから取りあえずマンションを買う人が多かった?

(あくまでも私の推測です)

 

しかも、それを買える人たちは、大金持ちとは言えないまでも、結構な富裕層であり、

いうなれば、かつてのIT長者や株長者のような「新興富裕層」が多かったのではないでしょうか?

そういう人たちに対する嫉妬や妬みが原因で、一般庶民からバッシングされている気がします。

 

「他人の不幸は蜜の味」などといいますが、

人は本当に不幸な人に対しては、バッシングなどしません。

幸せな人が少し不幸になるときが一番危ないのです。

 

 

誰かが言っていました。

「心がけのいい人間は、決して他人の幸福を否定しない。」

「自分が不幸な時でも他人の幸福を喜ぶものである」

 

深いですね・・・