東海地区の医師不足状況

本日は知人の紹介で東海地区の医療機関をいくつか訪問しました。

知人は80歳前の老人なのですが、未だに現役の社長として全国を飛び回っています。

男性は仕事を辞めた途端に老けるといいますが、この方は未だに現役という事もあり、

衰えることは全くなく、常にハツラツと動かれています。

ただ、日頃の無理がたたって時々眠くなるようで、

昼間にマンツーマンで話をしている最中に、居眠りしてしまうことが多々あります。

そんな時は、そっとしておきます(笑)

今回は、自らの仕事で東海地区を回るついでに、

日頃からお付き合いの深い医療機関の理事長や会長を紹介してくれるというので、

弊社のサービスをアピールするために同行して参りました。

さて、訪問先は愛知県がメインだったのですが、どこの医療機関も医師不足で悩んでおります。

理由は、医学部の数と人口の関係にあります。

愛知県には医学部が4つあります。(名古屋大、名古屋市立大、愛知医科大、藤田保健衛生大)

その4つの医学部に対して、人口が740人程度となりますが、これは非常に少ないのです。

次に、愛知県の比較対象として福岡県を例に挙げますと、

福岡県にも医学部が4つあります。(九州大、久留米大、産業医大、福岡大)

医学部の数は同じですが、人口は510万人程度なので、愛知県の1.5倍程度の医師が存在することになります。

ついでに、三重県は医学部1つ(三重大学)に対して、人口は185万人

岐阜県は、医学部1つ(岐阜大学)に対して、人口は208万人

一番ひどいのは、静岡県。医学部1つ(浜松医科大)に対して、人口は377万人

この数値を見ると、静岡・愛知・岐阜・三重の医師不足は深刻な状況といえます。

東海4県で7つの医学部があり、人口は1500万人なので、1つの医学部あたりの人口は200万人強です。

これに対して、東京は非常に恵まれています。

なんと、東京都だけで13の医学部があるのです。国公立(東京大、東京医科歯科大)

私立(杏林大、慶応大、昭和大、順天堂大、帝京大、東京医大、慈恵会、女子医、東邦大、日本大、日本医)

人口は1316万人なので、1つの医学部あたりの人口は100万人程度ということになります。

私学の医学部ですと、地方の医学部を卒業して上京する人も多いので、

実質的にはもっと地域格差があるのだと思います。

今回は東海地区のみの実感ですが、関東とは比較できないほど医師の募集に苦労されています。

わたし達の人材紹介ビジネスにおいても、東海地区の登録者は非常に少なく、

なかなかお役に立つことができません。

そもそも、絶対数が少なすぎるということです。

それであれば、医学部の数を増やすか、今ある医学部の定員を増やせば良いと思うのですが、

医師会が認めないと思います。

おそらく、医師が増えすぎると、医師の価値が下がると考えているのでしょう。(法曹界の例もありますし)

わたし達の人材紹介サービスも、医師の希少価値があるから成り立つ訳で、

それに関しては、何とも言えない立場にあります。

ちなみに、今日お会いした医療機関の理事長が以下のように仰っていました。

「今のままでは、日本の医師の技術が低下していくことは間違いない。」

「もう少し、医師の中にも競争環境があった方が良い。」

「そのためには、医師の数を増やすべきだ。」

たしかに、仰る通りだと思います。

わたしも、医師の絶対数は増やすべきだと思います。

ただ、弊社のビジネスを考えると、もう少し待って欲しいというのが本音です(苦笑)