言葉の誤用

先日ラジオで「言葉の誤用」について話をしていました。

内容としては「本来の使われ方からすると、あくまでも誤用なのですが、

既に一般的になりつつある表現は多数ありますよね」というものでした。

例えば、「花に水をあげる」は間違いで、「花に水をやる」が正解。

理由は、「あげる」は敬語であり、人以外のものに敬語はつかわないからです。

これと同様に、「ペットに餌をあげる」も間違いのようです。

ただ最近ではペットを人間のように扱っている家庭も多いので、

「ペットに餌をあげる」はアリなんだと思います。

他には、「感動した」という意味で「鳥肌が立つ」という表現が使われることがありますが、

本来「鳥肌がたつ」と言うのは、寒い時や恐ろしい時に使う表現なのです。

しかし最近では「とても感動した」と言う意味合いで使われていることが多いです。

ちなみに、名古屋では「鳥肌が立つこと」を「さむぼろがでる」といいます。

さらに、大阪では「さぶいぼがでる」といいます。

だからといって、感動したときに「さぶいぼがでる」とはいいません。。。

あと、最も一般的になっている誤用表現の一つに「全然大丈夫」というのがあります。

こちらに関しては、ちょうど言葉が流行り始めた頃が

学生から社会人になる頃だったので、よく覚えています。

本来「全然」の後ろに来る表現は「否定形」にならなければならないのに、

テレビで芸能人が「全然大丈夫」「全然OK!」を連発するので、慣れてしまいました。

しかし当時、会社の会議で「全然いけますよ~」と発言した同期が、

年配の上司から叱られている姿をみて、まだまだ一般的ではないのだなと感じたことを思い出します。

誤用された言葉がどの時点で市民権を得るのか、非常に興味深いものがあります。

そして、一度一般化された言葉は、何事もなかったかのように大衆に溶け込んでいくのですね。

普段から「誤用」を乱発しているわたしにとって、早く一般化して欲しい気もしますが、

本来の使い方や言い方も知っておくべきだとも思います。

最後に、既に一般化しつつある「誤用」の抜粋を以下に。

かなり勉強になるはずです。

                               By「言葉にご用心」サイト

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一所懸命(正)

一生懸命は誤り。

薀蓄(うんちく)を傾(かたむ)ける

「薀蓄を垂(た)れる」は誤り(「説教を垂れる」と混同されやすい)。

押(お)しも押(お)されもせぬ

「押しも押されぬ」は誤り。

恰好(かっこう)良い/格好良い

「かっこいい」は誤り。

乾布(かんぷ)摩擦(まさつ)

「寒風(かんぷう)摩擦」は誤り。

極(きわ)め付(つ)き

「極め付け」は誤り。

首を傾(かし)げる

「頭を傾(かし)げる」は誤り

喧喧囂囂(けんけんごうごう)

「喧喧諤諤(けんけんがくがく)」は誤り

黒白(こくびゃく)をつける

「白黒(しろくろ)をつける」は誤り。しかし現在は慣用表現。

固定(こてい)観念(かんねん)

「固定概念(がいねん)」は誤り。

こんがらかる

「こんがらがる」は誤り。

時期尚早(しょうそう)

「時期早早」「時期早尚(そうしょう)」は誤り。

時節柄(じせつがら)

「季節柄」は誤り。

舌先三寸(したさきさんずん)

「口先(くちさき)三寸」は誤り。

済(す)みません

「すいません」。本来は「すみません」。「すまない」。

ストリーキング

「ストリートキング」は誤り。streaking(「疾走する」の意)

 街頭など人中を全裸で駆け回ること。「street king」ではない。

対症(たいしょう)療法(りょうほう)

「対処(たいしょ)療法」は誤り。

著作権法(ちょさくけんほう)違反

「著作権違反」は誤り。

丁字路(ていじろ)

T(ティー)字路」。本来は「丁字路」。

独擅場(どくせんじょう)

「独壇場(どくだんじょう)」は誤り。

「独擅場(どくせんじょう)」の「擅(せん)」を「壇(だん)」と誤読して生じた語。

どんぐりころころ どんぶりこ

「どんぐりころころ どんぐりこ」は誤り。

童謡「どんぐりころころ」の歌詞。「どんぶりこ」は擬音表現。

二(に)の舞(まい)を演(えん)ずる

「二の舞を踏(ふ)む」(「二の足を踏む」と混同されやすい)。一般的に誤用。

プラグを抜く

「コンセントを抜く」は誤り。コンセントから抜く。

已(や)むを得ず/止(や)むを得ず

「やむおえず」は誤り。

「せざる負えない」といった表記もしばしば見かけるが、これは「せざるを得ない」の誤り。

雪やこんこ 霰(あられ)やこんこ

「雪やこんこん あられやこんこん」は誤り。

渡る世間に鬼はない

「渡る世間は鬼ばかり」は誤り。

世の中は無慈悲な人間ばかりではないということ。「鬼ばかり」はテレビ番組のタイトルであり造語。

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以上、「言葉にご用心」サイトから私が興味を持った表現のみ、引用してきました。

「ストリーキング」より「ストリートキング」の方が御茶目な気がするのは私だけでしょうか?

「言葉」って面白いですね。

 

 

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