前回のブログで、卒業試験時の苦い思い出があると書きましたが、
自分としては、あれはあれで良い経験だったと思っています。
なぜなら、あれが無ければ、大学卒という意味が薄れていたと思うからです。
日本において、高偏差値の大学に合格すれば、4年間遊び通しても簡単に卒業でき、
その後の人生は安泰だという風潮があります。
しかしこれでは、付加価値の少ない大卒を大量生産しているようなものです。
大学側も卒業生の質には責任を持って、受験時よりも入学後に重きを置いた方が良いと思います。
日本の大学の進学率は年々上昇し、今や5割をゆうに超えています。
これは国際的に見てもかなり高水準です。(以下グラフ参照)
さらに、もっと興味深いことは、大学入学後の退学率の国際比較です。
実は、日本の大学の退学率は世界的に見て異常に低い数値となっています。
少し古いデータ(2005年)となりますが、日本の大学退学率は10%なのです。
上記2つの掛け合わせが大学卒業者の割合となりますが、日米で比較すると以下のようになります。
(卒業率は100%から退学率を引いた数値です)
アメリカ: 進学率53%×卒業率47%=大卒者の割合:約25%
日本: 進学率56%×卒業率90%=大卒者の割合:約50%
これを見る限り、今のような状況ですと日本の大卒者には価値がないということになります。
もっと入学後に厳しくして、卒業率を欧米諸国と同じ半分ぐらいにすべきでしょう。
これが出来ていないから、就職試験の際に半数の人が篩(ふるい)にかけられるわけです。
大卒の就職率が半分そこそこだというのは全くおかしなことではありません。
そもそも、世の中の仕事の半分がホワイトカラーなんて有り得ないのですから。。。
大卒者全員がホワイトカラーに就職できる社会にしたいのであれば、
大卒者の割合をホワイトカラーの割合に合わせるべきです。
受験勉強を「競争社会を生き抜く試練」に位置づけるのであれば、非常に良い経験だと思いますが、
勉強が好きじゃない人まで大学に入学して4年間遊びほうけるのは意味の無いことだと思います。
そういう方々は、無理せず、早めに路線変更して専門職を目指す方が効率的だと思います。
横並びではなく、もっと自由に進路を考えればいいのに・・・