ついに「ブルガリ」まで「LVMH」の傘下に入りました。
[ミラノ 7日 ロイタ-通信]
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仏高級ブランドLVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)(LVMH.PA: 株価, 企業情報, レポート)は7日、
イタリアの高級ブランドのブルガリ(BULG.MI: 株価, 企業情報, レポート)を買収すると発表した。
買収は株式交換方式で実施する。両社の発表によると、LVMHは1650万株を発行し、
ブルガリ一族が保有するブルガリ株1億5250万株と交換する。
LVMHは残りの株についても、1株当たり12.25ユーロ(17.14ドル)で公開買い付けを実施する。
ブルガリ株の4日終値は7.59ユーロで、買い付け価格はそれを大幅に上回る水準となる。
ロイターの計算によると、ブルガリの買収価格は約37億ユーロとなる。
また、買収に伴う株式交換により、ブルガリ一族はLVMHの第2位株主となる。
ブルガリのトラパニ最高経営責任者(CEO)がLVMHの執行委員会メンバーに加わり、
今年下半期にはLVMHの時計および宝石事業を率いることになる予定。
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被買収企業の「ブルガリ」は、ギリシャ系の「ソティリオ・ブルガリ」が
1884年にイタリアのローマに創業した高級ファッションブランドです。
1977年から腕時計の製造も始め、現在では財布や香水なども取り扱っており、ホテル経営も手掛けていました。
日本では東京都千代田区紀尾井町に本店があり、日本全国では40店舗ほどとなっています。
現在では創業者「ソティリオ」の孫に当たるパオロ・ブルガリとニコラ・ブルガリが引き継いでいます。
また、「BVLGARI」という表記は、単純にローマ字読みすると「ブブルガリ」となりますが、
「B」の後に「V」が来る理由は、古代アルファベットに「J」「U」「W」の3文字が無かったため、
「V」の代わりに「U」を使っていた名残であり、あえて当時の表記を継続しているとのことです。
対する「LVMH」は1987年に、「ルイ・ヴィトン」と「モエ・ヘネシー」の両社が合併して誕生しました。
現在はフランスやイタリア、スペインなどのヨーロッパを中心に60近くの高級ブランドを持つほか、
かの有名な免税店「DFSグループ」なども傘下に持ちます。
世の中の高級ブランド市場の6割以上が、
わずか30程度の主要ブランドによって占められるといわれていますが、
その中でも「LVMH」は最大の高級ブランドといえるでしょう。
少し古いデータになりますが、矢野経済研究所によると08年の海外高級ブランドの国内市場規模は1兆円強で、
最盛期の1996年の1兆9千億円をピークに、この12年間で規模はおよそ半分近くになったとのことです。
おそらく、08年よりも景気の悪い現在は、ピーク時の50%を切っているものと推測されます。
この最大の理由は、中間所得層の減少でしょう。
1996年といえば、バブルの余韻が残る時期であり、1億総中流時代といわれていました。
わたしの地元・名古屋「栄」においても、右を向いても左を向いても「ヴィトン」だらけでした。
本来、高級ブランドは貴婦人がパーティに出かける際に身に付ける物だと思うのですが、
バブル時の日本においては、スウェット姿に高級バックという姿も珍しくはありませんでした。
そんな日本ですが、世界の高級ブランド市場において、全体の40%のシェアを握るといわれています。
日本の「中間所得層の減少」=「高級ブランド購入層の減少」が、
世界の高級ブランドのM&Aを加速させたといっても過言ではないでしょう。
(日本で減少した分は中国が買い漁っている気がしますが、インパクトが少ないのでしょうか?・・・)
今の若者たちは高級ブランドには見向きもしません。(代わりにユニクロを着ています)
また、車にも興味を持ちません。(そもそもあまり外出しません)
さらに、バブル時にあんなに人気のあったスポーツ「スキー、テニス、ゴルフ」にも興味がありません。
(代わりに室内でネットやゲームをしています)
高級ブランド企業にとっては本当に受難な時代だと思います・・・
もうちょっと、「欲望」があっても良いんじゃないでしょうか?
「欲」があるから勉強や仕事を頑張れる訳で、それが全くないというのは非常に淋しい気がします。
もう少し、みんなで「見栄」を張りませんか?
とはいえ、わたしも服は「ユニクロ派」です。苦笑