昨日は高校の友人と久しぶりに一献やりました。
その友人たちは皆、いわゆる一流企業のサラリーマンです。
ただ、置かれている立場はそれぞれ異なり、三者三様の悩みを抱えていました。
世界一のタイヤメーカーに勤める石橋さん(仮名)は、
そろそろ転勤辞令が出るらしく、どこに飛ばされるのか不安に感じていました。
日本最大の電気通信事業会社に勤める電電さん(仮名)は、
孫さんが主張していた「NTT光回線部門の別会社化」について毒を吐いていました。
(総務相が代わったことで孫さんが孤立しお蔵入りしてしまいましたが・・)
最も大きな悩みを抱えていたのが、かつてのナショナルフラッグキャリアに勤める鶴飛さん(仮名)です。
鶴飛さんとは高校・大学の同級生で、家族ぐるみの付き合いをしています。
彼の悩みとは、まさに渦中の「整理解雇」問題です。
彼自身は対象ではないのですが、同期の何人かが対象となり、会社を辞めざるを得ない状況とのこと。
彼いわく、対象の絞り方に問題があるとのことでした。
元々パイロットという職種は安全第一なので、ちょっとした体調不良でも休むことを奨励されていたのですが、
今回の整理解雇対象者の絞り込み要件に、休暇取得日数があったとのこと。
(休暇取得が多い人が自動的に選出された)
そうなると、今後のリストラに怯えて、体調不良を抱えたままフライトするパイロットが増え、
空の安全が脅かされる可能性があるとのことです。
しかも、彼の同期は30代後半の副操縦士であり、転職先はほとんどないそうです。
実は、機長と副操縦士では転職時に天と地ほどの差があります。
世界的にみると、副操縦士から機長への昇格は一定のフライト時間があれば、ほぼ自動昇格するのですが、
日本の会社だけは異なるようで、会社側が昇格試験をコントロールしているのとのことです。
スカイマークは機長昇格試験すらないそうです。
その理由は人件費の抑制です。
スカイマークは、定年退職後の機長と若い副操縦士を雇用することで人件費を圧縮しているようです。
そして、副操縦士は永久に副操縦士のままなので、給料は上がらない仕組みになっている・・・
また、世界の航空会社では機長資格を持っている人しか採用しないため、
副操縦士のままでは転職すらできないのです。
要するに、機長昇格試験の権限を会社が握ることにより、人件費をコントロールしているのです。
完全なる飼い殺しですが、経営としては「賢い」と言わざるを得ません。
※参考データ:パイロットの年収比較
・ANA(全日本空輸) 2,199万円
・JAL(日本航空) 1,964万円
・スカイマーク 619万円
そうなると、今後日本に進出してくるLCCの人件費は当然スカイマークレベルでしょうから、
日本の航空会社はそれに対抗できるのかどうか疑問が残ります。
よほど付加価値の高いサービスで別の料金体系で勝負しないと難しいのではないでしょうか。
航空産業しかり通信産業、ひいては農業もそうですが、開国を余儀なくされるタイミングが必ずきます。
いつまでも国内規制の枠の中で考えていてはダメだということです。
医療業界についても、いつの日かコストの低い後進国の医師を受け入れる日が来るのかもしれませんね。
そうなってしまうと、医師不足は解消され、わたしたちの仕事も無くなる訳です(><)
どんな一流企業も規制緩和ひとつで業績がガラッと変わる世の中ですから、
大企業にいれば安心という訳にはいかないですね。
もちろん、確率的には大企業の方が安定していますが・・・
零細企業に勤める自分としては、いろいろなところでビッグバンが起こって欲しいと思っています(笑)