昨日、日航CA「監視ファイル」事件の判決が出ました。
結果は原告の全面勝訴です。
日航CA「監視ファイル」事件とは、日航で働く客室乗務員のほぼ全員と退職者を含む9862人もの個人データが
違法に収集され、JAL労組が保有していた事件です。
07年2月、週刊朝日が“驚愕のスクープ“『JAL(極秘)客室乗務員監視ファイル』と報じた記事で発覚しました。
監視ファイルには、158項目にわたる記入欄があり、個人情報が記載されており、
一般的な個人情報に加え、思想・信条、家庭環境、個人の病歴、容姿や性格が記載されていたようです。
「赤っぽい」
「私生活乱れている」
「父なし子を育てている」
「父親は教員、日教組」
「子作り前倒し」
「総会屋の娘」
「流産」
「SL(生理休暇)常習」
07年11月に原告たちは日本航空とJAL労組を相手どり提訴しました。
08年2月の第1回口頭弁論で、会社側は「訴えられた事実は無根」としたうえで、
損害賠償(約4800万円)にだけ応じ、真相を隠したまま幕引きをはかりました。
しかし、JAL労組との裁判は継続し、会社と労組が一体となって個人情報を収集していたことが明らかになります。
どうやら、会社側と労組が定期的に情報交換をしていたようです。
問題の根幹は、なぜこのような個人情報が必要だったか?なのですが、結局は経営陣の保身のためだといわれています。
経営陣に反対意見を言う問題社員を取り締まるために、
個人情報をネタに黙らせたり、場合によっては退職を強要するケースもあったようです。
山崎豊子の小説「沈まぬ太陽」で、経営陣に逆らった”恩地”がアフリカに飛ばされたように、
経営陣にとって都合の悪い社員に対する理不尽な処遇はあたりまえであり、数十年前から日航の経営体質は腐敗していたのです。
わたしが思うに、このような風土や体質が一旦蔓延ると、なかなか改善されないと思うのですが、
わざわざ税金を投入して再生させる意味が本当にあるんでしょうか?
稲盛さんがアメーバ経営を根付かせるなんていってますが、一朝一夕に変わるような体質ではないと思います。
今後航空業界の競争が激しくなる中、いま抱えている借入金や人的資源は重たすぎます。
一度清算して、有能な社員だけを採用してやり直した方が良いのではないでしょうか。
世の中には税金を投入されずに潰れていった会社が山のようにいます。
JALの社員やOBは、自分たちの給与や年金を国民全体で負担しているということを自覚して欲しいものです。