「誰かのために」
これはAKB48のプロジェクト名ではありません。
今日の日経新聞の「豊田秦光」さんのコラムに、
「昔の選手は組織のためというより、人と人とのつながりで動いていた。」
「人間は漠然としたのものより、ある誰かのために頑張るときの方が、力がでるのではないか。」
という記事がありました。
私としては、すごく共感できる内容でした。
(豊田氏のコラムは奥が深く、いつも興味深く拝見しています。)
会社の組織運営において、欧米のマネジメント手法が注目されるようになって久しいですが、
若手の経営者がいる企業は、これらのシステマチックな手法をなんらかの形で導入していると思います。
映画化された小説「もしドラ」にも、これらの手法が取り入れられていました。
今さら「もしドラ」の説明は必要ないと思いますが、一応ストーリーはこんな感じです。
公立高校の弱小野球部のマネージャー「川島みなみ」が、野球部を強くするために本屋に行きます。
そこで偶然、「ピーター・ドラッカー」の組織管理論手引書「マネジメント」を手に取るのですが、
この本の内容を元に野球部の意識改革を進め、甲子園を目指すと言うものです。
正直、あまり面白くありませんでしたが、「ドラッカーブーム」の火付け役となった作品です。
経営者がマネジメント手法を学ぶ際、まず「ドラッカー」から入る方が多いと思います。
彼の著作には大きく分けて「組織マネジメント系」と「社会や政治などの類」があります。
本人によれば、彼のもっとも基本的な関心は「人を幸福にすること」にあったそうです。
「ドラッカー」は人に対する興味が非常に高かったといえます。
そして、彼が注目していたのは、「個人としての人間」ではなく「組織の中の人間」でした。
要するに、人は組織の中でどう振る舞うべきかということを常に考えていたのだと思います。
彼は日本企業についてもよく研究していました。
彼の残した名言の中で、興味深い言葉があります。
「日本人の強みは、組織の構成員として、一種の「家族意識」を有することにある」
わたしも正にそう思います。
逆に、この「家族意識」なくして組織で働くことはできないと思っています。
そして、もっと言えば、「組織の中のある誰かのために」というものがあった方が良いと思います。
それぐらい濃密な人間同士のつながりが、会社を強くすると思うのです。
自分の上司に対して、「この人を男にしてやりたい」とか。(女じゃなくてすみません)
部下に対して、「こいつを一人前のビジネスマンにしてやりたい」とか。(ウーマンじゃなくてすみません)
同僚に対して、「こいつと一緒に成長したい」とか。
何が言いたいかというと、システマティックなマネジメント論ではなく、
人と人のつながりが濃密であれば、案外マネジメントなんて必要ないと思うのです。
(規模にもよるとは思いますが・・・)
わたしはマネジメントが嫌いなので、特にそう思います。
ただ、一つだけ気を付けているポイントがあります。
それは、組織を構成する人間が、「誰かのために」と思える人かどうかということです。
この「誰かのために」と思える人は、当然お客様に対しても同じことができます。
弊社のサービスは医師の人材紹介業です。
「誰かのために」≒「医師のために」という気持ちが強いほど業績につながります。
そのため、この「誰かのために」という気持ちを更に盛り上げるため、
できるだけ直接医師にお会いして、その人の「人となり」を理解した上で対応することを心掛けています。
(直接お会いした人とそうでない人とでは、モチベーションが全く異なるので・・・)
自分のためだけに働くのは面白味に欠けます。
常に、「誰かのために」という意識でやっていきたいと思っています。