完全なる斜交い読みですが、大前研一さんの「お金の流れが変わった!」を読みました。
世界の「ホームレスマネー」4000兆円と「高齢者の貯金」1400兆円を取り込めば、
増税しなくとも日本は再生する!といった内容だったと思います。
(ちゃんと読んでいないので詳細は覚えていませんが・・・)
大前研一さんといえば、米国系経営コンサル会社マッキンゼー・アンド・カンパニーの出身ですが、
医療系に進出しているコンサル会社の経営陣には、マッキンゼー出身の方が本当に多いです。
メディヴァさんとかメディカルクリエイトさんやエムスリーさんもそうですね。
外資系コンサルといえばマッキンゼーやボスコンが有名ですが、本当にIQが高い人達ばかりです。
メーカー在籍時代に、3か月間ほどの中期研修(ロジカルシンキング系)を受けたことがあるのですが、
その時の講師が「東大法学部⇒ハーバードMBA⇒マッキンゼー」という輝かしい経歴の持ち主で、
全く持って講師の思考に付いていけませんでした。
そのときの研修のクオリティは非常に高く、
今でも私のビジネス思考の基本はその時に得たもので成り立っています。
ところで、コンサル会社には二つのスタイルがあると思っているのですが、
一つは自らも事業を運営しながら長期的にビジネスを組み立てていくスタイルであり、
もう一つは短期集中的に問題解決策を助言し、次から次へとコンサル先を渡り歩くスタイル。
どちらが好ましいかは一目瞭然ですが、一般的にコンサルと言えば後者のスタイルを連想します。
IT系から派生したコンサル会社は後者のようなハゲ鷹的なところが多い気がします。
ただ、最近は前者のスタイルのコンサルも増えてきており、メディヴァさんは正にそのスタイルだと思います。
話は大前さんの本の内容に戻りますが、
本の中で、「後進国において先進国で成功したモデルをそのまま転用すれば、
未だ日本のビジネススタイルも海外で通用する。」といった内容があるのですが、
国内の医療系ビジネスにおいても同じことが言えると思います。
はっきり言って、医療業界はほかの業界と比べてかなり遅れています。
だから、コンサル会社がこぞって参入しているのです。
他の業界で通用していたビジネスモデルを転用しているケースが非常に多いといえます。
ただ、公共性が高いということと専門性が高いという部分で、
改革が思ったように進まない可能性があります。
似たケースとして航空業界が挙げられます。
専門職としてパイロットがおり、周囲がそれをサポートするという関係性は、
医療業界の医師とそれを取り巻く環境に似ています。また、公共性が高いということも同様です。
いま正に航空業界が変わろうとしていますが、
いずれ医療業界も同じように変わらざるを得ない時期が来ると思います。
航空業界の場合はオープンスカイという規制緩和により競争が激化しましたが、
医療業界も規制緩和されて海外との垣根がなくなれば、同様のことが起こると思います。
ただし、言葉の障壁が高いので、しばらくは大丈夫でしょう。
どんどん本の内容からずれていくので、もう一度元に戻します。
大前さんが提案している日本再生案の中で、興味を持ったものを下記に並べました。
基本は世界の「ホームレスマネー」4000兆円と「高齢者の貯金」1400兆円を取り込む施策です。
1、家や車などの高級資材の減価償却年数を短くし個人経費としても認める
⇒消費すればするほど所得税や住民税が減るので、お金持ちの消費が活性化される。
2、期限付きで相続税を無くす
⇒大金を手にした若者が浪費して消費が活性化される
3、土地の規制をなくし工業用地を住宅地や商業地にしてしまう
(そのために中央省庁から基礎自治体に土地の使用に関する主導権を完全移管する)
⇒晴海や勝どきや築地の一帯をウォーターフロントとして開発することで、
都心に近い超高級住宅街ができあがり、世界中から人と金が集まってくる。
三つ目が海外からの投資を呼び込む施策となっています。
仮に壮大なヴィジョンに魅せられて、ホームレスマネーが東京の海浜地域に集まったとして、
継続的に発展することが可能なのかどうか気になります。
10~20年はバブルとなるかもしれませんが、その後に成長のシナリオが見えなくなれば、
ホームレスマネーは一夜にして別の地域に移ってしまうでしょう・・・
バブルの間に、国の借金を返してしまえば良いということなのでしょうか?
中国もそうですが、バブルの後にどうなるのか、興味深いところです。
大前さんも言いっぱなしではなく、東京都知事になって是非とも改革を進めて欲しいです。
1995年に落選したときよりも、今は政策に耳を貸す人が増えています。
もう一度出馬するなんてありえないですか??