損切りは、機械的に、厳格に

クリスマス前に、ドル円がちょっと円高に振れました。
日本人が天皇誕生日でのんびりしている間に海外の市場で円買いが進んだらしく、
結果、チャートの右のほうですが、ドルは1日の間に83.50付近から82円台まで
50銭以上、ストンと落ちています。
いわゆる”クリスマス相場”というやつでしょうか?
欧米の投資家たちがクリスマスの長い休暇に備えるために、
持っているポジションを全決済することで、クリスマス前の一瞬だけ相場が荒れて、
それ以降、年が明けて投資家たちが休暇から戻るまでは
市場の参加者が少ないせいで値動きが静かになる…これがクリスマス相場です。
僕はちょうどタイミングの悪いことに、
今月中旬に83.76で思い切ってドルに10万円の買いを入れたところでした。
週末のドルは82.91円。
ううー、いまのままだと8万円以上の損を抱えた状態で年を越さなければならない…。
ここで損切りするか、持ち続けるか…。
損切り(=ロスカット)は、すべての投資において最も重要でしかも最も難しいと言うプロの投資家もいるぐらいですから、
僕みたいに趣味で楽しんでいるような素人にとっては、損切りを適切に行うことさえできれば、
それだけでも投資はうまくいくきそうな気がしてきます。
よく言われるのは、感情的にならずに、ただ機械的にやればいいだけの話…。
でも言うは易しで、それがなかなか難しいのは、投資で損をした経験のある人なら誰もが
身にしみて感じさせられていることでしょう。
FXに関していいますと、自動ロスカットというのがあって(業者にもよりますが)、
業者が機械的にしかも強制的に損切りをやってくれたりする仕組みがあります。
このロスカットの基準は預けた証拠金の20%程度に設定されているのが一般的で、
これが30%、40%、50%と選べるようになっている業者もあるんですね。
具体的には、たとえば自動ロスカットの基準が20%に設定されているFX業者に
10万円の証拠金を預けて売買をしているとすると、
1回の取引で8万円以上の損失を出したらその時点で売買は自動的に決済されてしまうということです。
強制的に決済とまではいかなくても、損失が一定の基準まできたらメールや電話で警告をしてくれるサービスもあって、
マージンコールとかアラートとか呼ばれる仕組みですが、ロスカットにはこれも大いに活用すべきですよね。
この自動ロスカットやマージンコールなどのシステムが整っているという点に限っては(業者により若干の差はありますが)、
FXは他の投資よりも、ある意味で安全といえる部分かもしれません。
とは言っても、損は損。
投資する以上は、自動ロスカットなんていう措置はできれば生涯に一度だって経験したくないものですけどね。
FXの自動ロスカットは、僕にはボクシングのレフェリー・ストップみたいに思えてしまって、
あなたはもう戦えない、これ以上戦うと体に致命的なダメージが残る、だからこの辺でやめておきなさい…、
なんて、実はこういう発想自体が禁物だったりするんですけど。
FX以外の投資だと、たとえば株価が下がったからといって、手じまいをアドバイスしてくれる人がいたとしても、
親切な(?)証券会社が強制的に決済注文を出してくれるようなことはあり得ませんよね。
たとえば持っている不動産の価値が下がったからといって、
差し押さえにくるような良心的な(?)不動産屋さんというのもあり得ないです。
だからこそ投資する際には、投資金額の何%までとか、金額でいくらまでとか
自分なりのルールを決めて、厳格に厳格に、守らなければならないわけですけど、
損切りをするときというのは、やはり精神的ダメージが大きいですよね。
 ”ここで損を確定させるのは、自分の負けを認めることになるんじゃないか…?”
 ”もう一回立ち上がれば、俺はまだ戦えるんじゃないのか…?”
ここでは間違っても不屈のボクサーの気持ちになってはダメですね(笑)
損切りをした(試合に負けた)ときの精神的なダメージと、
さらに損を膨らませた(一度立ち上がってからとどめの一発でKOされた)ときの現実的なダメージを、
冷静によーく比べることができなければ、待っているのは生命の危機ということになります。
ちなみに僕のなかでのルールとしては、今回はストップポイントとして損失額10万円を考えていて、
つまり82.76円よりも円高になったら、諦めて売り決済をすることにしようかと。
自動ロスカット基準まではもう少し余裕があるところが、ちょっと不確定要素ではありますが(笑)
まあ年明けからがドルが元気に上向いてくれることを祈りつつ、
まだ損切りはせずにもうすこし様子を見ようかなと。
なので、年の瀬はちょっと落ち着かない気分で過ごすことなりそうです。
みなさまよいお年をお迎えください…。
※当ブログの目的は、投資に関する話題の提供であり、投資勧誘ではありません。
また、記載した情報はweb上で公開されているものですが、実際に投資される際には
あらためてご自身でご確認ください。
投資はあくまでもご自身の責任と判断でされるようお願い致します。 

スワップ運用

“FX長者”という言葉を耳にするようになってから、もう何年も経ちますね。
FXについて知られているのは、どちらかというと時間に余裕のある主婦や、
脱サラしてデイトレーダーになった人などが活躍する世界というイメージではないでしょうか?
手数料が格安だし、レバレッジを使えば少ない資金で大きな取引ができるので
莫大な利益を手にすることも可能。
逆に、油断すると莫大な損失につながるリスクがある…。
お忙しい先生方には、ちょっと難しいかなと思われてるかもしれませんね。
危ない橋は渡らないというポリシーからすると、
FXのイメージはもしかしたら対極で、ハイリスク・ハイリターンの短期投資型
といった印象でしょうか。
でも長期投資向けのFXというのもありますので、
あらためて注目してみてはどうでしょう?
金利差(=スワップ金利)を利用したFXというのがそれです。
金利の安い国と高い国との金利差のことを”スワップ金利”と呼ぶのですが、
日本のように低金利の国で、金利の高い国の通貨の”買いポジション”を持ち続けると、
そのスワップ金利分を毎日受け取ることができるという仕組みです。
スワップ金利についてはFX業者によってスワップポイントが毎日決められていて、
FX業者比較サイトをみると、たとえば10月28日時点の各社の
スワップポイント一覧が載っていたりします。
これは1万通貨あたりの買いスワップの比較一覧ですので、
たとえば外為オンラインで1万米ドルの買いポジションを持つと、
1年後には
  4円×365日=1,460円
のスワップポイントが受け取れるというわけです。
これが、たとえばオーストラリアのような高金利国の通貨だと、
  111円×365日=40,515円
となり、こうなるとちょっと魅力的に見えてきますね。
つまり1万豪ドル(今のレートで80万円弱)で1年後に受け取れるスワップポイントは約4万円、
しかも実際に必要な証拠金は、十数万円とかで済ませることもできるわけです。
(レバレッジの掛け方にもよりますが)
頻繁な取引をせずとも、日々じわじわと殖えていく。
FX投資でありながら、感覚としては金利が高い時の定期預金みたいなものでしょうか。
少ない資金で投資できますし、もちろん満期なんてないので
定期預金よりもずっとおトク感がありますね。
FXの中でも”スワップ派”の人たちは、”デイトレ派”の人たちより地味に映ります。
相場を読んだりチャートを分析したりする必要もないので、
“勝負”というよりは、”資金計画”という感覚ですね。
興味をもたれた先生がいらしたら、
まずはFX業者の研究あたりから始めてみるのがいいのではと思います。
ただこのスワップ運用にも、もちろんリスクはあります。
金利差を利用しているからには両国の金利の変動に左右される部分からは免れません。
たとえばもしいま日本の金利が急に他国よりも上がったら(あり得ない話ですが)
買いポジションだと逆に損失になってしまうわけです。
(そのとき利益を出すには、逆に売りポジションにすれば良いのですが)
また、金利の高い国の為替は概して変動しやすいとも言われます。
為替が大きく変動したせいで、コツコツと貯め込んだ金利が一気に吹き飛んだ
なんて話もありますので。
デイトレ派のように仕事中まで数時間ごとにチェックする必要はありませんが、
外国為替に投資している以上は、その通貨の国の金利や為替相場の動向には
なんとなく気にかける程度でもいいので、最低限の関心は持っておく必要がありますね。
そしてくれぐれも”相場の予測は外国為替がいちばん難しい”をお忘れなく…。
ところで前回、ドルの買い場か?なんて言っちゃいましたが、
なんだかホントにそんな気がしてきたので
実は先週こっそり自分でも少しドルを買ってみました。
次回以降は、その辺のレポートも交えていきたいと思います。



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