自分がよくわからないものには投資しない

僕は経済情勢やニュースをまめにウォッチするのが苦手なほうなので、
たとえばどの業界が伸びるとかどの分野の企業業績が良くなるとかを予想してみたところで、
自分の直感にはいまひとつ自信が持てなかったりします。
それでファンド選びとなると、気になってしまうのがファンドマネージャーの存在。
彼らの魅力的な一言が、また投資家を惹きつけたりしますよね。
米国の業界誌”Absolute Return+Alpha’s”が毎年春に、
世界のファンドマネージャーの報酬ランキングを発表しています。
2009年の1位はアパルーサ・マネジメントのデビット・テッパー氏で、
40億ドルという年俸は日本円にすると約3700億円。
個人の年収としては史上最高だとか言われています。
いまや彼の発言や保有ポジションなど、一挙手一投足が
世界中の投資家の間で話題になっているのもうなずけますね。
それにしても上位10人はいずれも米国のヘッジファンドで活躍するファンドマネージャーです。
ここに、いつの日か日本人ファンドマネージャーが名を連ねる日は来るのでしょうか?
いまや世界のトップレベルで活躍する日本人プレーヤーは各分野で珍しくありませんが、
金融の世界でも頑張ってほしいものです。
僕の憧れのファンドマネージャーといえば、何といってもジム・ロジャーズ氏。
まだ”ヘッジファンド”という存在自体がかなりマイナーだった1970年代に、
かのジョージ・ソロス氏と組んでクォンタム・ファンドを設立し、
10年間に3365%のリターンをたたき出したという伝説の投資家です。
ジム・ロジャーズ氏を有名にしているのは、投資家としての実績もさることながら、
1990年代にオートバイで2年間、世界の6大陸を10万5000マイル走破する旅に出かけ
(これはギネスブックにも載っているそうです)、
その旅の間に肌で感じた直感を頼りに新興国への投資やコモディティ(商品)への投資をして
またまた成功を収めたといった、エピソードのほうではないでしょうか?
実は僕もそんな豪快な人生に魅かれたクチであります。
彼はその後もメルセデスに特注して作らせた自慢の格納式ハードトップ4WDに乗って、
世界116カ国、15万2000マイルを走破して再びギネスブックに載り、
“冒険投資家”の呼び名を定着させました。
ジョージ・ソロス氏が2009年のランキングでも堂々2位、今でも”超”がつくほど現役なのに対して、
ジム・ロジャーズ氏は最近はファンドマネージャーとしてよりも
タレント業や講演会の講師業などのほうでの活躍が目立っているようです。
かといって、輝かしい経歴やエピソードが色あせることはなく、
日本語サイトのなかでもジム・ロジャース氏の発言や動向にはいつも注目が集まっていますし
非公式ながらファンサイトまであります。
「世界中で起きていることをそのまま理解し、そこへ行って、この目で真実を見つけ出したい」
(著書『冒険投資家ジム・ロジャーズ世界大発見』より)
「私が思うに、文字通り自分の足で国境を跨ぎ、食べ物と燃料と寝るところを自分で用意するのでない限り、
本当の意味でその国に行ったとはいえない」(同)
ウォール街で活躍する他のファンドマネージャーからはバカにされながらも
信念を持って自分の足で世界中を回り、目で見て体で納得したものだけに投資して、結果を出す。
“自分がよくわからないものには投資しない”という、このスタンスにはしびれます。
ちなみにジム・ロジャーズ氏は最近のインタビューで、最近注目しているコモディティは何かとの質問に対して、
“そうですねぇ…、米(ライス)に関心があります”
とコメントしています(「ダイワ・コモディティインデックス・ファンド」ファンドレター2010年12月9日より)。
これは、日本のコメにも投資を始めるということでしょうか?
興味津々です…。
※当ブログの目的は投資に関する話題の提供であり、投資勧誘ではありません。
また、記載した情報はweb上で公開されているものですが、実際に投資なさる際には改めてご自身でご確認ください。
投資はあくまでもご自身の責任と判断でされるようにお願いします。