慎重に慎重に、情報収集を

不動産投資は事業経営を始めるぐらいの覚悟でなければ、みたいなことを2回にわたって書いたので、
もっとラクして儲かる方法はないのかという先生の声が聞こえてきそうです。
ラクして儲かる投資商品というと、僕なんかは投資信託が最初に思い浮かびます。
(僕がラクして儲けた、というわけでは残念ながらないのですが…笑)
いちど買ってしまえば、運用は投資のプロに任せておくだけで放っておいても大丈夫、
リスク分散されてるからよほどのことがない限り元本割れしない、
1万円位から始められるし、やめようと思えばいつでも解約できる…、
投資信託にはそんなイメージがありますが実際のところはどうなんでしょう?
商品の選び方や売買のしかたしだいでこのようなメリットを受けられるなら、
たしかにラクな資産運用法と言えるような気もします。
問題は、その選び方と売買の時期でしょうか。
それで調べてみると、投資信託は国内だけでも5000以上あるようです。
選ぶといわれても何を基準にどう選んだものか、
どこから手をつけたらよいか迷ってしまいますね。
実際にどんなものがあるのかというと、11月末時点での純資産総額のランキングを見ただけでも、
いろんなタイプでいろんな名前のついたファンドがあります。
                                                 (”投信資料館”より)
純資産総額は投資信託の実質的な規模、つまりおカネがいくら集まっているか表すもので、
いわば人気ランキングなわけですが、でも人気があるからといって
高いリターンが約束されるわけではありませんよね。
他にも、たとえば運用成績のランキングを見ると…
                                                         (同)
これは国内株式一般型のランキングですが、
過去1年の騰落率(1年前に買った人にとっての利回り)が年率20%以上なんていうすごいのもありますね。
でもこの上位2つのファンドの過去3年とか過去5年とかを見るといずれもマイナスだったわけですから、
つまり、いま調子がいいものに限って、浮き沈みが激しいということです。
他を見ても、上位にきているのは過去3年、5年は見事にみんなマイナスですね。
しかも、このランキングはあくまでも過去の運用成績についての順位にすぎないわけで、
上位にあるからといってこれからも高いリターンが保証されるというわけではないことに
気をつけなければなりません。
ではいったいどうやってファンドを選べば良いのか、その選び方ですが、
たとえば産業の動向に興味をもって日々のニュースに接している先生なら、
これからはアジアの資源関係が伸びるだろうとか、いや北欧の優良企業は伸びているとか、
やっぱり韓国のハイテクはすごいとかで発想を膨らませて、
そのビジョンに沿ったファンドを選ぶというのは、自然な絞り込み方ですよね。
仮に注目する業界や地域などがあったとして、株式投資を考えるとしたら、
その業界や地域のなかでもどの企業を選ぶかでまた頭を悩ませるところです。
でも投資信託はそれをファンドマネージャーがやってくれるとなると、
この業界が伸びる!という直感さえあれば、確かにその先の労力はかなり軽くなりそうです。
ある意味、ラクな投資ができるといえるのかもしれません。
それか、もし先生がほかの業界の動きについてとくに関心が高いわけではないとしても、
医療の世界に身を置くからには、医療関連企業が成長する期待を込めて、
医療分野に特化したファンドに投資するというのはどうでしょうか?
たとえば今年の7月に発売された、世界の医療関連企業の株式を組み込んだ”日興ロックフェラー医療戦略ファンド”。
これは運用を、あのロックフェラーの子会社が担当することでも話題になったファンドです。
運用会社の実績データを見ると、発売以来、いまのところ5%ほど基準価格を上げています。
医療関連企業の収益拡大がファンドの運用成績を左右するそうですので、
一般の投資家よりも医療の現場で活躍されている医師の先生方のほうが、
業界の動向を肌で感じることできるという点で、有利なところにいるもしれないですね。
どうでしょう?医療業界の将来は明るいですか?
投資信託についてよく言われていることは、
どんな商品にも(元本確保型のファンドだとしても)元本割れをするリスクはあるということ、
したがって必ず複数のファンドに資産を分散させること。
また、手数料や信託報酬などのコストがかかること、
したがって少額から短期で始められるとはいっても、それではあまり意味がないこと。
といったところでしょうか。
数ある投資信託のなかかから”これは”というものをいくつか見つけられれば、
もしかしたらその先にはラクして儲かる世界が広がるかもしれませんが、
そこに至るまでは、慎重に慎重に、情報収集をしたいところですね…。
※当ブログの目的は、投資に関する話題の提供であり、投資勧誘ではありません。
また、記載した情報はweb上で公開されているものですが、実際に投資される際には
あらためてご自身でご確認ください。
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