祝・株式上場

最初に言っておきますが、弊社の話ではございません。


先日、弊社の取引先でもあるメドピアさんが東証マザーズへの新規上場承認が得られました。

上場日は627日(金)のようです。

とりあえず、おめでとうございます。

 

医師のキャリアを支援している企業で上場企業は少なくないのですが、

ほとんどの企業が他の主たる事業を持っており、売上規模が大きい企業が多いです。

(上場企業の子会社や一部門で細々と運営している企業が多いです。)

 

■民間医局

民間医局を運営するメディカルプリンシプル社は、

ジャスダックに上場するクリーク・アンド・リバー社の子会社。

クリーク・アンド・リバー社のメイン事業はメディア製作。

グループ全体の売上は直近で200億強。

■リクルートドクターズキャリア

 リクルートさんも親会社のリクルートホールディングスがもうすぐ上場します。

 リクルートグループのメイン事業は媒体運営とマッチングビジネス。

 グループ全体の売上は直近で12千億。

■エムスリーキャリア

 親会社のエムスリーは東証一部に上場しており、

 メイン事業は製薬会社の広告業など医療に関わる分野では多岐に及びます。

 グループ全体の売上は直近で340億。

■メディウェル

 親会社のアインファーマシーズは東証一部に上場しており、

 メイン事業は調剤薬局です。

 グループ全体の売上は直近で1700億。

DtoDコンシェルジュ

DtoDコンシェルジュを運営する総合メディカルは東証一部に上場しており、

 メイン事業は上記と同じく調剤薬局です。

 グループ全体の売上は直近で1000億強。

 

 

上記の企業は医師紹介業としては上位にランクされている企業なのですが、

いずれの企業もメイン事業は別にあり、企業全体の売上高が大きいところが多いです。

そんな中、今回上場されるメドピアさんは比較的売上規模が小さく(直近で6億弱)、

わたしたちから見て身近な存在でしたので非常に興味深く思いました。

 

 

わたしが思うに、株式を上場するメリットってあまり無いと思うのですが、

一般的にはどうなんでしょう???

 

株式上場のデメリットを挙げるとキリがないです。

その最たるものは、常に買収のリスクに晒されるということです。

株式は上場することにより市場で自由に株を売買されることになります。

それ故に、株を過半数買い占められたら買収されてしまう恐れがあります。

 

そしてもう一つの大きなデメリットは、株主が増えることにより経営の自由度がなくなることです。

上場すると、不特定多数の株主の意見を聞く必要が出てくるので、

今のように少数株主を説得するよりも大きな労力がかかります。

それらの意見を無視すれば、下手をすると役員を解任される可能性も出てきます。

(あくまでも、わたしの現状を鑑みたリスクを語っています。笑)

 

また、上場企業は財務状況や経営上の戦略をガラス張りにする必要があり、

これは同業他社からも見られるわけで、競争をするうえで非常にやりにくい状況になります。

実際、上場企業の子会社である同業他社は、経営数値が簡単にWEBで見ることができます。

 

 

では、こういったデメリットがあるのに、なぜ株式を上場する企業が後を絶たないのか?

 

 

一般的に言われている第一の目的は「資金調達」でしょう。

企業が発展するためには、海外展開や研究開発が欠かせません。

その費用を市場から調達する手法の一つが「株式上場」なのです。

(これに近いやり方で、第三者割当増資というものがありますが今回は割愛します。)

 

しかし、大型投資を必要とする業種は限られており、

儲かっている会社であれば、自己資金の範囲内で投資を継続することは可能だと思います。

 

わたしが思うに、上述した目的は表向きの理由であり、

本当の理由は「創業者や早期に投資した株主がお金を回収したいから」です。

企業がコツコツ儲けても、そこから得られる株主利益は知れています。

これはROEという指標で表すことができますが、せいぜい1030%程度です。

 

ところが、株式を上場すると、株式の価値は一気に1020倍に跳ね上がります。

ということは、株主さんが投資したお金を回収する最も効率的なやり方は、まさに「株式上場」なのです。

(ちなみに、メドピアさんは今回の上場で価値が約23倍になります。)

 

創業当初の企業に出資する奇特な方々は、お金が余っている方が多いので、

数倍のリターンでは満足せず、数十倍のリターンを求めているのです。

(実際、うちの株主さんも小銭には興味ないと言っています。笑)

 

というわけで、今回のメドピアさんの上場においても、誰かの懐が潤うことは間違いありません()

長者番付に載るようなお金持ちは、ほとんどが自分で起業して株式を上場した方々です。

みなさん、桁違いのお金持ちになりたいなら、会社をつくって「株式上場」しましょう()