最近、大卒の価値がどんどん薄れている気がします。
それは数字の上でも大学進学率の推移を見れば明らかです。
戦後間もない頃の大学進学率は10%程度でした。
それが徐々に上がっていき、1990年頃には25%程度になります。
そして2009年には、ついに50%を超えたのです。
ここ20年の伸び率は異常ですが、理由は少子化にあります。
1990年前後に大学入学した世代が「第二次ベビーブーム」の世代であり、
それから先は大学を受験する母集団が減少する一方です。
そのため、大学側も経営を成り立たせるために、多少出来の悪い生徒でも入学させるようになります。
これがいわゆる「大学全入時代」の到来です。
大学進学率が倍になったということは、単純に考えれば大卒の価値が半分になったということです。
そうであるならば、今の大卒内定率が60%台ということも全然おかしくありません。
本来ならば大学に行く必要がない人(本来ならば入学できなかった人)が大学に入学し、
4年間たいして学ばずに卒業した訳ですから、そのような人達を企業側に「大卒の待遇で雇いなさい」というのも酷な話です。
そもそも、学生人口に対して大学が多すぎるのです。
先日テレビを見ていたら、「理系以外の大学はいらない」という大胆な意見を言う人がいました。
理由は、「世の中の仕事で大学を卒業しなければできない仕事は理系職ぐらいだから」というものでした。
ちょっと極端な気はしますが、的を射ていると思います。
一般社会に出ると、ほとんどの人が大学で学んだことなど一切使わない職業に就いています。
大学で学んだことと、その後の職業がそのままリンクしているのは、医学部を卒業した医師が代表格ですが、
あとは法学部を出て司法試験を受ける人か、理系学部を出て研究開発職に就く人ぐらいです。
いったいなんのための大学なんでしょう??
実はこんな不況期においても、専門学校を出た人の就職内定率は9割を超えています。
ならば、いまある大学の半数は専門学校にしても良いのではないでしょうか?
大学で、社会に出ても役に立たない授業を受けるよりも、よっぽど意味があると思います。
大卒という価値が下がった今、大卒内定率という基準値は意味をなさないと思います。
その分、上位校の価値が高まったとも言えます。
だから今回のようなカンニングをしてまで合格したい人が出てくるんですね・・・
ご愁傷さまです。