「中国の地方当局、公共の場のクリスマスツリー設置を禁止」
香港のロイター通信によると、中国・広東省珠海の当局は、ショッピングモールや飲食店など、
公共の場所でのクリスマスツリー設置を禁じている。火災の原因となることがその理由だという。
なんとここでも中国の情報統制か!? と思いましたが、これは2007年の過去の話。
今では中国でもクリスマスは商業的に広まっており、
オフィスビルから政府のビルに至るまで、クリスマスの装飾やクリスマスソングで溢れています。
デパートではクリスマス商戦、街中ではあちこちにサンタクロースや雪だるまを目にします。
「中国ニュース通信社」は、クリスマスが祝われるようになった原因を下記のように分析しています。
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これほどまでにクリスマスが祝われるようになったのには二つの原因がある。一つは楽しさと利
益が得られること。もう一つは、抑圧や禁欲を強いられる儒教社会から個人のアイデンティティ
ーが開放されることが実感できるからだという。
また、中国人にとってクリスマスは欧米文化の所産としてよりも、”豊かさの象徴”としてとらえ
られており、急速な成長を続ける中国はクリスマスを祝うことで豊かで安定した国への仲間入り
を果たしたことをアピールしているとも言える。
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中国では年々盛り上がりを見せているクリスマスですが、アメリカにおいては様子が異なるようです。
実はアメリカでは、「公共の場で特定宗教の行事をおこなうのはいかがなものか」
といった考え方が広まりつつあり、街中のクリスマスらしさが年々低下してきています。
また、「クリスマスカード」もビジネスシーンから消えつつあるようです。
この背景には、顧客や取引先の、キリスト教以外の信者たちに対する配慮があります。
この問題を象徴する「事件」が数年前、全米各地の空港で起こりました。
様々な人が利用する空港で、キリスト教文化にだけ肩入れするのはよくないという論争が勃発したのです。
それを意識せざるを得ない役所や大企業は、クリスマスツリーを飾ることを控えるようになりました。
しかしそんなアメリカでも、家庭においては他の国と同様に装飾はされています。
ただし、呼び方が異なるようで、11月下旬から正月にかけての5~6週間ほどの期間を、
「ホリデーシーズン」と呼び、クリスマスは「ハッピーホリデーズ」と呼ばれています。
さて、日本のクリスマスはどちらのケースに似ているかといえば、当然中国寄りでしょう。
キリスト教信者は少ないにも関わらず、商業的には国をあげて盛り上げようとしています。
しかし、日本においては中国のように「個人のアイデンティティの解放」や「安定した国への
仲間入りへのアピール」といった意味合いはなく、商業化しすぎていることが気になります。
最近では10月のハロウィンパーティなるものも定着しつつありますが、
日本の古来からある催し事(例えば七夕や年賀状や節分など)が廃れてきている最中に、
欧米文化が浸食していることに危機感を覚えます。
特に年賀状という文化は素晴らしいものだと思っています。
普段お世話になっている人や疎遠になっている知人に、葉書を送る唯一の機会です。
特に後者は、年賀状におけるコミュニケーションが唯一だったりします。
温故知新という言葉がありますが、新しい欧米文化を取り入れるのも良いですが、
旧き良き日本の文化も継続していきたいものです。
とはいえ、ここ数日で年賀状の準備をしなければならないことを考えると、気が重いです(苦笑)