想像力(その2)

将来起こりうる危機に備えるためには、
いろんな意味で想像力を豊かにしておく必要があります。
資産運用ということで言えば、起こりうるあらゆるリスクを想定しておくということですね。
たとえば投資家にとっては、為替がさらに円高に振れるリスク、逆に円安へと向かっていくリスク。
企業の不祥事が発覚して、持っている株価が急落するリスク。
最近は以前ほど騒がれなくなりましたが、預金先の銀行が破綻するリスク、
加入先の保険会社が倒産するリスクもあります。
リスクについて突き詰めると、備えを完璧にしたつもりでも
自分ではどうにもならない事態というのがあるものです。
どんなに気をつけていても、通勤や通学中に交通事故に巻き込まれるリスクだとか、
外食したときに食中毒に遭うリスクはゼロにはできないでしょう。
地震や津波のリスクについて僕らは最近敏感になっていますが、
もちろんそれらが自然災害のすべてではないですし、
極端な話、ある日突然、巨大隕石が落ちてくるというのだって、
確率は低いとしても起こりうるリスクのひとつなわけです。
ただ、そうしたあらゆるリスクにすべて備えることはできないので、
じゃあいったいどこまで備えておけばいいの?ということになります。
ちょっと乱暴な言い方になりますが、そこは人それぞれの想像力の問題だと僕は思っていて、
つまるところ、その人の想像力の範囲内で不安に感じることならば備えるべきだし、
想像力が及ばないことに対しては、備えは必要ないのではないかと。
ただ問題だと思うのは、せっかく豊かな想像力の持ち主なのに、
情報不足のせいでその想像力を生かしきれていないケース。
あるいは、情報が偏りすぎているために、
たとえば、それこそ隕石に備えるための地下シェルターでも持っていないと
毎日が不安で不安で、生活ももままらないというような人。
前回、牛丼が1杯1000になるかもしれないという話をしたときに、
みなさんはどの程度のリアリティをもってその場面を想像できたでしょうか?
それは大変!と思われた方は、
今すぐインフレに備えるための情報収集を始めて対策を考えてみてください。
いや、そんなことが起きるはずはない、と思われた方は、
明らかに想像力か情報のいずれかまたは両方が不足しているのではないかと思います。
その程度のことなら大したことではない、と思われた方。
それはすでにインフレも考慮した資産の危機管理を実践している勉強熱心な方か、
そうでなければ金融資産をほとんど持っていない方ではないでしょうか(笑)
ちなみにご参考まで、いろんな事象が起こる確率を紹介しているサイトがあって、
それによると隕石が当たる確率というのは1/10,000,000,000(100億分の1)だそうで、
飛行機に乗って事故に遭う確率は1/500,000(50万分の1)なのだそうです。
みなさんはどの程度の備えが必要だと思いますか?
なかなか面白かったので、他にも目に留まったものを抜粋しておきます。
(残念ながらこのサイトは2008年以降は更新されずに放置されているようですが)
想像力で思い出したのですけど、
以前僕はよく上司からこんなふうに言われていたものでした。
 ちょっと想像力を働かせればわかるだろう?
 お前それ想像力が足りないんじゃないか?
日々何かちょっと問題が起こるたびに
いつもこんなことを言われていたように思います。
出版社にいた頃でしたので、新刊の担当を何本も抱えて
著者の意向や印刷所の都合や会社の事情でスケジュールがごっちゃごちゃに入り乱れて、
毎日毎日、些細なトラブルは日常茶飯事でした。
だから僕は毎日毎日それこそ耳にタコができるほど、
そんなことを言われ続けていたわけです。
でもそんなふうに言われても、まだ20代で生意気で自信満々だった僕は
自分が想像力がない方だとはあまり思っていなかったですし、
上司の言っている意味をまったく理解する気にはなれませんでした。
部下が自分の思い通りに動かないとき、
上司というのは説教したり権威を振りかざしたりして自分の地位を誇示したがるもので、
ダメな管理者ほどそれが顕著なのは、多少なりとも組織に属したことがある方なら
お分かりいただけるのではないかと思います。
かつての僕の上司の場合も想像力というのはそういうときに非常に便利な言葉でした。
うまくいかないことはすべて部下の想像力のせいにすることによって、
自分の手も汚さずに事態をやり過ごすことができたわけです。
でも実際のところは、たまたま僕が上司の期待していたとおりに動かなかっただけの話。
僕に想像力があるとかないとか、多いとか足りないとかそういう問題ではなかったんです。
今現在はそういう想像力の乏しい上司が存在しない寛容な仕事場であることに、
僕は心から安堵し感謝しています…。
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