ニュースは株価に織り込み済み

決算発表ラッシュの時期ですが、平成22年4~12月期決算で、
大手を中心に過去最高益やら大幅増益といった話も聞かれるようになりました。
せっかくなので、右肩上がりの日経平均のチャートを眺めながら景気の良いニュースをざっと概観してみましょうか。
自動車業界では大手8社(トヨタ、日産、ホンダ、富士重、マツダ、三菱、ダイハツ、スズキ)とも売上高は前年同期を上回り、
本業のもうけを示す営業利益はトヨタが約8倍、日産とホンダが約2倍など大幅に伸びたとのこと。
世界販売台数は、富士重や三菱などが前年同期比2桁増を達成していて、
富士重に至っては通期で過去最高益になる見通しだそうです。
トヨタ、日産、ホンダ、富士重の4社は23年3月期予想も上方修正。
「世界的には、日本以外には厳しい市場は見当たらない」(トヨタの伊地知隆彦専務)というコメントにも表れていますが、
各社とも国内の売上に左右されずに海外で稼ぐ構図が出来上がってきたということですね。
ホンダは「1ドル=85円でも年間1千億円の営業利益が出る」(近藤広一副社長)そうです。
この円高の逆風下でコスト削減を進めて収益体質を改善させるわけですから、本当にすごいと思います。
合理化のしわ寄せがどこに来ているのかがちょっと気にはなりますけど、
それにしても大変な企業努力の賜物なのでしょう。
ビール大手4社(キリン、サッポロ、アサヒ、サントリー)でも営業利益は4社とも大幅増だそうです。
サントリーホールディングスとアサヒビールではともに売上高と純利益が過去最高、
サッポロホールディングスも純利益は過去最高とのこと。
総合商社では、大手6社(三菱商事、三井物産、住友商事、伊藤忠、丸紅、双日)が軒並み大幅増益を達成。
石炭や鉄鉱石、原油など資源価格の高騰が大きな増益要因となって、
三井物産と丸紅は通期の業績予想を上方修正しています。
こちらも、高成長を続けるアジアや中国など新興国でのビジネスが好調とのこと。
家電量販店業界では大手5社(ヤマダ電機、エディオン、ケーズホールディングス、コジマ、上新電機)が
経常利益と税引き後利益が過去最高に。
エディオン、ケーズホールディングス、コジマ、上新電機の4社は11年3月期の連結業績予想を上方修正しています。
ヤフーの売上高、純利益も過去最高です。
10年4―12月期の連結営業利益は前年比11.5%増の1172億円。
リスティング広告(検索連動型広告など)の前年比増が大きかったのは、交通・レジャー、生活用品、百貨店・通販などで、
ディスプレイ広告(バナー広告など)の前年比増が大きかったのはネット関連企業や金融とのこと。
景気の良いニュースは他にもぞろぞろ出てきます。
・ディー・エヌ・エー(DeNA)が5四半期連続で過去最高売上高・利益を更新
・セコムは4-12月期として過去最高益を達成
・ライオンの経常利益が6%増で過去最高益、純利益は11%増
・オリエンタルランドが入園者増や商品販売好調で4~12月期で最高益
すごいです。
ちなみに時事通信社の集計によれば、上場企業全体で見ても、
東証1部上場で先週の2月10日までに連結決算を開示した金融を除く1090社(全体の94.5%に当たる)では
売上高で前年同期に比べ7.7%増、経常利益は81.3%増。
通期の業績予想を上方修正した企業は自動車大手も含めて203社に上り、下方修正した企業の2倍以上です。
ついでにニューヨークでは10~12月期の決算で
IT関連大手5社(マイクロソフト、アップル、グーグル、アマゾン・コム、インテル)のうち
マイクロソフトを除く4社が四半期として過去最高益を出しています。
良いニュースばかりを集めてみましたがどうでしょうか、実感はありますか?
まあここに書いたような大きな決算発表の内容は各社の株価には織り込み済みだったりするもので、
名前が挙がった銘柄がとくに買いとは思いません。
ただ全体の構図としては、このような大手にもっともっと牽引してもらった先に、
面白い展開が待っているのではないかと。
僕の個人的なビジョンとしては、ここ1年位で売り抜けられるような銘柄を物色中といったところですかね…。
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