派手な売り文句に飛びつかない

そもそも”資産運用”という言い方は、
僕らが子供の頃にはなかったような気がします。
近いのがあったとすれば、バブル期の”財テク”でしょうか?
そして財テクの代表選手といえば、株式投資と並んで、不動産投資がありました。
いまは”土地神話”も崩壊して久しいですし、
当時とは比べ物にならない位のいろいろな金融商品があるわけですが、
それでも依然として、資産家のポートフォリオの中で
不動産投資が重要な地位を占めているという例は多いと思います。
国税庁が発表している全国の相続税の財産種類別では
最新の平成20年分の統計だと土地だけでも約半分、
「家屋・構築物」も入れると全体の55%を占めています。
投資対象としての不動産人気は根強いということですね。
                                            (国税庁の資料より)

不動産投資の人気の理由を考えてみますと、
たとえば毎月決まった家賃が現金で入ってくるというのがいいですよね。
インカムゲインの魅力という点では株式投資の配当金だとか預金や債券の利息、
あるいはFXでのスワップポイントなんかもありますが、それらと比べても
不動産からの家賃収入は断然、安定した高収入が見込めます。
あと、投資する際に銀行がお金を貸してくれるなんていうことも、
他にはちょっとない、不動産投資ならではのメリットです。
でもそれ以上に、不動産投資最大の魅力は、
「金持ち父さん」で有名なロバート・キヨサキ氏も言っているとおり、
リスクを自分でコントロールできるという点じゃないでしょうか?
不動産投資のリスクというと、
たとえば一般的な賃貸マンションを考えたとき、主なものとして
・空室になる
・賃料の相場が下がる
・売却価格が下落する
といったものがあります。
物件を選ぶ段階ではこうしたリスクが最小限となるように
資料をあれこれ見比べるのは当然のこととして、
不動産の場合は実際に足を運んでみることによって、データだけでは分からない部分を
自分の目と感覚で確かめることができます。
それから、いざ所有してからも、
リスク軽減のために、マンションの資産価値を下げないよう、
オーナーにできることはけっこうあります。
“マンションは管理を買え”とは、居住用のマンションを買う際によく言われていることですよね。
マンションの資産価値を高く保つには、管理状態が大きく影響するわけです。
株価や為替相場を変えようと思っても、個人投資家のレベルでは
どうにもならないことが多いのとは大きく異なります。
不動産投資には「100:10:3:1の法則」があるといわれています。
不動産投資で大成功を収めたことで有名なドルフ・デ・ルース氏の言葉ですが、
これは、100件の物件を見て、そのうち10件の物件に買付証明書を入れ、
そのうち3件の物件に融資の手配をしてはじめて、
最終的には1件を購入することができるという意味です。
つまりそれくらい年月と労力をかけて感覚を養い、
慎重に慎重を重ねた先に、成功への道はあるということですね。
100件の物件を見るには、たとえば毎週末に1件ずつ足を運んだとしても2年…。
なかなか気の長い話ですが、逆にいうと、それだけやっておけば、
成功への確信のようなものが得られるということでしょう。
そのようにして購入した1件が、毎月しっかり稼いでくれる。
そこまでいけば、不動産投資の旨味をじっくりと味わう段階です。
これが、常にリスクに怯えながら売買の判断を迫られたりする他の投資とは
また違った醍醐味なんですね。
お忙しい先生方にとっては簡単なことではないかもしれませんが、
もし不動産投資を始めるのなら、しっかりと腰を据えて時間と手間ヒマをかけて
楽しみながら物件を探す。それが第一歩なのだと思います。
間違ってもポスティングのチラシにあるような
「不動産で高収入!」「マンション経営でラクして儲ける!」みたいな
派手な売り文句にはすぐに飛びつかないことですね…。
※当ブログの目的は、投資に関する話題の提供であり、投資勧誘ではありません。
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あらためてご自身でご確認ください。
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