節約こそ最強の資産運用

先日久しぶりに学生時代の友だちと会って話す機会がありました。
そのなかの一人が、いま何かとホットな某電力会社に勤務しているデンスケ君(仮名)。
当然ながら、その場の話題は彼に集中することになりました。
幸い(と言っていいのかどうかわかりませんが)彼は原子力とはまるで接点がない部門の人なので、
TVの報道に出てくる人たちのような切迫した状況にはなく、ウィキリークスに流れるようなキワドイ話も出てきません。
でも彼から聞いた社内の重苦しい雰囲気は僕が想像する以上でしたし、
24時間態勢で通用門に張り付いているマスコミの取材攻勢にもデンスケ君は辟易していました。
以前は彼の仕事場近くのお店を利用することが多かったのですけど、
今回は、それはちょっと無理、という申し出があって、品川に集合です。
目に見えない風当たりのようなものが、いま彼らにはとてもセンシティブな問題だということがよく分かりました。
当面は全社総力を挙げて事故への対応と、あとはこれからの代替電力源の確保、そして節電への取り組み、
といったあたりが、彼らには大きなプレッシャーとして覆いかぶさっているということでしょう。
自社株についての気の毒な話も…。
これはあまりにも気の毒なので、ここではあえて触れません(笑)
聞くと、電力会社には節電を推進することを任務とする部門が、以前からあったんですね。
本来は電力という商品を売ることを商売としていながら、客に対してそれをあまり使わないようにしてほしい、
節約してください、と呼びかけなければならないという何とも矛盾した使命です。
社内での位置づけが報われなかったり、仕事に対するモチベーションの持ち方が難しかったり。
ずっと言われていたことらしいのですが、それはまあわかる気がします。
でもそんなマイナーだった存在が、ここにきて一躍脚光を浴びるようになっています。
最近はスマートグリッド(次世代送電網)という言葉をよく耳にするようになりました。
これは資源エネルギー庁の資料ですが、ごく大ざっぱにいうと
ITの力で電力インフラを効率化するという概念のことです。
技術的にはかなりのところまで研究が進んでいるのだそうですね。
そのなかでも僕らの生活に直結するシステムはHEMS(home energy management system、家庭内エネルギー管理システム)と呼ばれていて、これを活用した家が”スマートハウス”。
スマートハウスが実現すると、家で使っている電力のなかでどこにムダがあるのかが一目でわかったり、
ムダのない最適な利用状況が保たれるように自動調整してくれたりするわけです。
家電の操作もすべて外出先からできるのが当たり前、という時代も、
もうすぐそこまで来ているんですね。
ただそれらがなかなか簡単には実用化されないのは、
電機メーカーやその周辺の業者の利害関係が複雑に絡まっているからだそうで、
分かりやすくいうと、たとえばリモコンが故障して洗濯機が動かなくなったというような場面ひとつとってみても、
誰がどこまで修理をしてそのあとのフォローを誰がするのかといった切り分けなどが非常に難しく、
なかなか業者どうしが歩み寄る形にはならないみたいです。
邪魔をしているのは技術面ではなく、むしろ人的な要素。
しかも解決にはまだもうすこし時間がかかりそうだということでした。
そこで僕ら一般人に今できることは、やはり身近なところから意識的に節電することでしょう。
そのあたりは次回もうすこし踏み込んでみようと思います。
そう、「節約」というのは株価がどんなに上下しようが無関係の、確実な運用手法。
こんなリスクのない高利回り商品に勝てる金融商品はない――。
これは10年ほど前にベストセラとなった『投資戦略の発想法―ゆっくり確実に金持ちになろう』という本で
強調されていたフレーズです。
この言葉は今でもまだ生きていると言うべきでしょう。

もっとも著者の木村剛氏は、その後、日本振興銀行の経営に失敗していろんな無茶をやった結果、

金融庁の告発を受けて、しまいには逮捕されてしまうという見事な凋落ぶりのほうが有名になってしまいましたが…。
※当ブログの目的は、投資に関する話題の提供であり、投資勧誘ではありません。
また、記載した情報はweb上で公開されているものですが、実際に投資される際には
あらためてご自身でご確認ください。
投資はあくまでもご自身の責任と判断でされるようお願い致します。