クール・ジャパン

スーパークールビズには賛否両論あるようですね。
みなさんのご感想はいかがですか?僕はかつての”省エネルック”よりはだいぶ進化したとは思います。
でもあんまり恥ずかしい格好してる人は、たぶん自然に淘汰されていきますよね(笑)
まあいろいろ思い切ったこともやってみた上で、着地点みたいのが見つかっていくのなら、それも良い機会。
業種や職種によって”制服”が必要なところもあればそうでもない職場もあるでしょうし、
これを機に、いちどそういうふうに服装を根本から見直してみるのもまあ、アリなのかなと。
ところで僕が最近、気になっているキーワードは、”クール・ジャパン”。
“クール”はもちろん、カッコいいとかイケてるとかいう意味のスラングから来ていて、
クール・ジャパンは世界に向けて日本の良いところをアピールしていく動きのなかで使われる言葉ですね。
この言葉自体が最初に使われたのは2002年のこと。
米国人ジャーナリストのダグラス・マッグレイ氏が雑誌に”Japan’s Gross National Cool”という論文を掲載したのが最初だそうです。
現代の国力を見るときに、GNP(国民総生産)やGDP(国内総生産)といった従来の経済指標でなく、
これからは『GNC(総合的な国家のかっこよさ)』を国のあり方の尺度としていこうと提唱したんですね。
当初、ゲーム・漫画・アニメなどのポップカルチャーのコンテンツ業界で盛り上がりを見せて
クール・ジャパンを合言葉にGDHやプロダクションIGといったアニメ制作会社が相次いで株式上場した時期もありました。
DVDプレーヤー&レコーダーが普及して2005年から2006年をピークにビデオソフト市場が最大化した頃の話です。
しかしそれも数年で失速します。
GDHは債務超過から上場廃止になり、プロダクションIGはコミック出版社のマッグガーデンと経営統合してIGポートとなるなど、
勢いは少し消沈してしまった感がありました。
今にして思うと、コンテンツ産業がまだ成熟していなかったということでしょうか。
それでも海外での日本ブーム自体は冷めるどころかますます盛り上がりを見せていて、
とくにフランスで毎年開催されている”ジャパンエキスポ”は約100,000 ㎡の会場に17万人以上が集まるビッグイベントに成長しています。
12回目の今年も6月30日から開催されますが、19万人もの来場者を見込んでいるということですから、このブームはもう一過性のものではないでしょう。
(ジャパンエキスポのサイトより)
遅まきながら、国内でもこうした流れに乗っていこうという動きは起こっていて、
たとえばNHKデジタル衛星ハイビジョンでやっているバラエティ番組『COOL JAPAN~発掘!かっこいいニッポン~』は
鴻上尚史氏の司会で2006年から続いているのでご覧になったことのある方がいらっしゃるかもしれませんね。
国としてもこれを日本の経済発展に利用しないという手はないということで、
経済産業省製造産業局に「クール・ジャパン室」が設置されたのは去年、2010年の6月のこと。
ここでは11月からことし5月にかけて「クール・ジャパン官民有識者会議」が8回にわたって行われています。
座長は資生堂名誉会長の福原義春氏。出席者には、あの秋元康氏も名を連ねていて、
毎回の議事録や報告書は経済産業省のサイトで見ることができます。
このプロジェクト現段階ではまださほど認知されていないかもしれませんが、
推進事業として、シンガポールを拠点とする海外販路開拓支援事業や
海外展開支援プロジェクトなどが徐々に動き出しています。
お上主導の動きということもあって、まだなんとなく地味な印象は拭えないのですけど、
実は僕は個人的に、ちょっと期待しています。
なにしろコンテンツ産業の輸出比率は、日本ではまだまだ低すぎます。
米国が17.8%なのに対して、日本なんと1.9%。
僕が翻訳出版に携わっていた5、6年前に肌で感じたことですが、
アメリカの出版物を日本で翻訳出版する際には、著作権使用料として印税の数%(数十万~百数十万円)を著作権者に払う必要があったのに対して、
日本の出版物を、たとえば中国や韓国で翻訳出版したとしても、年間でせいぜい数百円にしかならなかったものです。
このギャップをなんとかしない限り日本のコンテンツを世界に輸出するのはとても無理。
それがようやく改善の方向に動いているというふうに僕は理解しています。
このような下地を耕す作業が続く中で、いずれ、どこかでブレイクポイントを超えるときが来るような気が最近していて、
たとえば投資に関しても”クールジャパン銘柄”が大きく買われる時期も、そう遠くないのではないかと…。
ただもしクール・ジャパンが大ブレイクして日本の”クール”が世界から注目されるようになったとしても、
クールスだとかクールファイブがまたヒットするようなことは、たぶんないとは思います…笑
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あらた