医師求人といえば病院での勤務医求人が大半を占めていた2000年代序盤から、初期研修制度の導入や診療報酬の改定等大小さまざまな改変を経て2010年代後半からは訪問診療や外来クリニックなど病院以外での求人が増えてきました。
開業志向の医師が減り、クリニック院長も勤務医としての勤務体系で勤める、ということが一般的になって久しいですが、通常そのような求人は大手医療法人もしくは既存クリニックの多店舗展開・業務拡大に伴って発生する求人でした。
しかしながら昨今これに加わり、医療機関のM&Aによる求人の発生がとても多くなってきています。医療機関のM&Aが年々増えてきているからというシンプルな理由ですが、その市場拡大に伴い参入してくる企業も増え、これまで医師採用について行ってこなかったところが紹介会社にその医師求人を依頼しているという現状です。
医療機関のM&Aが増加した背景にはM&Aというビジネススキームが活発になったことかつ国内開業医の高齢化・後継者不足が言われています。加えて医療機関経営が過去に例のない厳しい現実に直面していることも無関係ではないでしょう。
参考:医療機関の休業・廃業に関する帝国データバンクのレポート→https://www.tdb.co.jp/report/industry/20250122-iryoukikan/
今後もこの傾向は続いていくもの考えていますが、そこから発生する医師求人に対して今までJMCのような紹介会社が扱ってきたものと差異があるのでしょうか。クリニックの医師求人はM&A派生でなくともそもそも管理医師の求人が多く、条件としては一般の勤務医よりも少し良い待遇になっています。その傾向自体は変わりませんが、M&A案件だと新規開院と違って移行当初からそれなりの収益が期待できますのでさらに給与面が高待遇になっていることが多いです。一般の企業が損益を管理していることも多く、想定をこえる収益増があった場合は医師に還元されるような仕組みを作っていることも多くあります。
条件的にはこのように通常の求人よりも良いものも多く、魅力的な医師求人として紹介会社としてもとてもありがたい存在です。ただ、M&Aは秘密裏に進められることが多く、求人の依頼があった時点では具体的な施設名・場所等が案内できないことも多いです。さらにその前段階で、受け継いでくれる医師が存在してはじめて交渉ができる、といったような案件もあります。求人もウェブ上での公開・訴求ができず、直接やり取りのある医師とのみ口頭や対面、その他の方法で伝えるというとてアナログな手法でのマッチングが主です。そうなると転職を希望する医師としては求人が現実的なものととらえることができず検討が難しいケースも多々あります。ここは紹介会社の課題で、今後はM&Aで発生する求人スキームを我々でもより理解をし、譲受法人との関係を密にして、できるだけ不安感なく求人を受け取っていただけるような提案の工夫が必要です。
JMCには顕在化していない求人の依頼がたくさんあります。このような依頼は性質上全国に跨ってございます。エージェントから直接お話しすることでしかお伝えできませんが、通常の求人同様に個人情報の秘匿は前提としてお話できますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
一般の事業会社が資金などを拠出して実際の運営を行なっている、となるとノルマや経営面で非常に厳しい数字を求められるのではないか、と考えられる方もいるかと思います。これは意外かもしれませんが、通常の大手医療法人と変わらない、どころかもう少し緩めの管理をしているところが多いと感じています。
また純粋なM&A業者だけでなく、医師がトップの医療法人で積極的にM&Aを行っているところも多くあります。そのような法人は当然ながら勤務医への理解は深く、働きやすい環境が期待できます。
「開業志向の医師は減少傾向」と上述しましたが、そのような時勢で開業をしている医師・開業志向の医師は拡大傾向が強い方が多いと感じています。弊社でも飛ぶ鳥を落とすような勢いで拡大を続ける医療法人と複数付き合いがございます。実際に参画するしないは置いておいて、話を聞くだけでもとても刺激的です。ご興味のある方はどうぞお気軽にJMCのエージェントへお問い合わせください。