投資と投機

先日8月27日にアメリカのラスベガスでボクシングのビッグマッチがありました。
49戦49勝というパーフェクトレコードを持ち、2年前に引退をしたボクシング界のレジェンド、フロイド・メイウェザー・ジュニア対総合格闘技団体UFCのライト級現チャンピオンコナーマクレガーの異種格闘技戦です。
ルールはボクシングルールで行われるということでしたので、2年間というブランクを考えても圧倒的にメイウェザー有利という見方が大勢で、ブックメーカーのオッズでもメイウェザーが1.2倍前後、マクレガーが5倍前後とメイウェザー有利でした。

試合結果は、特に波乱も危険な場面もなく、メイウェザーがTKOでマクレガーを下しました。大差がついたオッズを結果が裏切ることはありませんでした。

「賭け」は一般的に投資や投機とも区別されます。「何が違うんだ」と言われるとなかなかはっきりとは答えづらいのですが、お金が手元を離れてからそれがどうなるか結果が出るまでの期間がそれぞれ違うというのは一つの答えだと思います。
投資、と言われるとある程度長期的な資産運用をイメージする人が多いのではないでしょうか。投機はそれよりは短期、1日~数週間といったところで、ギャンブルに至っては数秒で結果がでるものも少なくありません。
日本で賭博は禁止されています。
その禁止されている賭博は「偶然の勝敗により財物・財産上の利益の得喪を争うこと」と定義されています。

しかし、上記ボクシングの試合を例にとってみても、結果がはたして「偶然」といえるかどうか疑問です。
賭博をこの理由で禁止しているのであれば、投機的な資産運用も禁止としなければいけないのではないかと、個人的には思います。
ところで、この試合に勝ったメイウェザーですが、今回の試合のファイトマネーは300億円にものぼると言われています(ファイトマネー1億ドル+テレビ視聴料のインセンティブが1億ドル以上もらえるそうです)。
メイウェザーは金の亡者としても有名で、この対マクレガー戦で3億ドル前後の収入が見込めるにも関わらず、友人を通じて自分の勝利に40万ドルを賭けようとしていたそうです。
1.5倍のオッズに賭けようとしていたようなのですが、当たったら60万ドル、もうけは20万ドルです。結局、賭けの対象となっている本人が金を賭けていいのか、ということが問題になったようで満額は認められず8万7千ドルを賭けただけのようですが、3億ドルを手に入れようかという勝負の場に立とうとしている人間のとる行動としては理解しづらいですね・・・