背伸びは禁物

タックス・ヘイヴンは英語ではtax haven。
“haven”は避難所、安息所といった意味で、直訳だと「租税回避地」となります。
一方では、よく「税金天国」という言い方もされていて、これは英語の得意な人からは
“haven”と”heaven”を取り違えた誤訳というふうに思われているようです。
でも実際のところは、利用する側(税金を逃れようとする人)からすると、
日本のような高税率と比べたらまさに天国、
これは「回避地」よりもむしろ「天国」のほうがぴったりくるということで
ヒネリを利かせた意訳として使われ始めたのが「税金天国」という言葉です。
wikipediaによるとフランス語では「paradis fiscal」という語があてられているそうです。
これだとそのまま税金天国。
払う税金が少なくて済むならそれは天国、という感覚は、フランス人も日本人と同じなんですね。
タックス・ヘイヴンはマネーロンダリングの温床とも言われます。
不法に得た巨額の資金をタックス・ヘイヴンに開設した口座に預けておけば、
税金からも逃れられるし、その資金の出所もわからなくできる…。
これがマネーロンダリング(資金洗浄)です。
ゴルゴ13のお決まりの台詞に「スイス銀行に振り込んでくれ」というのがありました。
別にデューク・トウゴウは節税をしたかったわけではなくて、スイス銀行の守秘性の高さを利用していたわけですが、
税金面でも日本の銀行などよりは間違いなく有利だったことでしょう。
ちなみに「スイス銀行」は架空の名称で、そういう名前の銀行が実際にあるわけではないです…。
それでタックス・ヘイヴンですが、世界にはタックス・ヘイヴンと呼ばれる地域が数十もあるんですね。
これらの国や地域に日本人が個人で海外に口座を作って税金を安く済ませることは、可能といえば可能ですが、
ただそのためには、その国の制度や金融のルールについて十分な情報を得ておく必要がありますし、
常に最新情報を入手できるようにしておかなければ意味がないでしょう。
それには日本からの海外投資に道を開いた、”ゴミ投資家シリーズ”や橘玲氏の書籍や
海外投資を楽しむ会(AIC)のサイトは参考になります。
ただ一歩間違えると脱税行為とみなされてしまったりするリスクもありますから
自分で法律についても勉強しておいたほうがいいでしょうし、
ひとことで言うと、手間暇のかかることが多くなるわけです。
そう考えると、金融の専門的な知識があったり、
毎日のように海外をあちこち飛び回って各地の金融情報に触れられるような人は別として、
日本で一般の人がふつうに生活しながらタックス・ヘイヴンを利用するのはちょっと敷居が高い気もします。
やっぱり背伸びは禁物です。
前回触れたようなセントクリストファー・ネイビスだとかアンティグア・バーブーダといった
カリブ海諸国に法人を設立するなどの方法はゴルゴ13レベル、かなり上級編ということですね…。

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