そして、施すこと…

被災から1週間が過ぎて、避難・救助のムードから一気に復興・支援へと動き始めましたね。
支援の申し出は全国各地からいろいろな形で沸き起こっていますし、
海外からの支援も相次いで報じられています。
ツイッターのハッシュタグ#prayforjapanが反響を呼んでいますが、
その中でも国連事務総長の潘基文氏の言葉には、僕もなんだか勇気づけられた気持になりました。
 「日本は今まで世界中に援助をしてきた援助大国だ。今回は国連が全力で日本を援助する」
この国もなかなか捨てたものではないと改めて感じた方も多かったのではないでしょうか。
そう言われてみれば、確かに日本はこれまで海外に向けて少なからず援助をしてきたわけで、
すっかり忘れていましたがODAの支出純額の実績を見ても90年代はずっと世界一を誇っていたんです。
ODAの是非については、ひところは税金の無駄遣いだとか垂れ流しだとか、
ただの世界のカネづるになっていいのかとか、あれこれと議論がありました。
でもこうして海外からの支援の手が差し伸べられるのを見ていると
日本が施したことはあながち無駄ではなかったように感じられて、ほっとします。
いいじゃないか垂れ流しでも、カネづるでも大いに結構、
情けは人のためならず、人類みな兄弟、ラブ&ピース、なんて。
ODA実績はここ数年でアメリカ、イギリス、ドイツ、フランスに抜かれて、いまは世界5位。
この国の財政事情のことを考えると、いまだに世界5位の援助をし続けていることも驚きですが、
まあそれでも援助大国であることには違いないのでしょう。
お人好し国家・日本、といったところでしょうか。
先週、石原東京都知事が今回の地震を「天罰」と表現して物議を醸したときに、
いまの日本人のアイデンティティーは「我欲」だと言っていました。
そして、この津波を利用してそれを洗い落とさなければ、とも。
天罰という言い方はまずかったのでしょうけど、
たしかに我欲というのはある面、ここ数年の雰囲気を感覚的に言い当てているようにも思えました。
我欲という悪い面だけでなく、良い意味での自己防衛の風潮が広がってきていて、
資産運用というのも、それがうまくバランスしたところで一般的に認知されるようになってきたような感じがします。
でもいまは、施すこと、それがまず先決ですね。
家や家族や健康を失った人、現場で活動されている先生方や医療関係の方々のことを思うと、
遠く離れたところからできることは、我欲を捨てて施すことしか思いつきません。
ただのお人好しでもいいじゃないか、
情けは人のためならず、人類みな兄弟、ラブ&ピース、なんて。
支援や寄付というのはその時点ではもちろん見返りを期待するものではないので、資産運用とは別物ですね。
とはいっても、忘れたころに目に見えない何かが返ってくる、そういう世の中であってほしいとは思います。
あ、「我欲」が出てきちゃいました…。

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