投資の”向き不向き”を考える

前回、不動産投資はとにかく物件を見て回るということが大切
というようなことを書きました。
資産を少しでも効率良く運用したいという先生にとっては、
とにかく最小限の労力で最高の利回りを上げるのが優れた投資法なのでしょうけど、
こと不動産投資に関しては、”最小限の労力で”というのは難しい感じがします。
危ない橋を渡らないために「100:10:3:1の法則」に則るならば、
不動産投資は、時間と労力は惜しまない覚悟で始める必要があるということですね。
まず日々コツコツと情報収集と実地での勘を積み重ねる。
そして、これは!というものに巡り逢えた時に、満を持して投資を決める。
種を捲くためにはまず土壌や気候、水質をじっくり調べてから、
“大丈夫、行ける”という感触を得て初めて、その地を手に入れて耕すわけです。
そう考えるとやはり、不動産投資はなんだか日本人向きというのもわかる気がします。
賭けるとか勝負とかいう感覚ではなく、眼力、眼識といったものが求められますね。
でもそうした力が、数をこなすことによって身に付くというのであれば、
根気の要る作業ということを承知の上で、始めてみるのも良いかもしれません。
狙い目は、やはり賃料の高い街。これから賃料の上がりそうな街。
高額所得者が多く住み、しかも賃貸マンションの需要がありそうな街ということになります。
山手線内の駅で賃貸マンションの平均賃料を比較しますと(HOME’S賃貸より)、
ワンルームでは渋谷、恵比寿、原宿といった若者が集まる街の賃料の高さが目につきます。
一方、1LDK・2K・2DKのタイプだと新橋が飛びぬけて高いですね。
合わせて、新築マンションの平均価格の推移を見てみましょう(Yahoo!不動産より、単位:万円)。
ダントツ1位の東京都千代田区は今年はなんと去年の2倍近くに跳ね上がっています。
でもこれだけ極端だと、継続的な上昇と見るのはどうかという感じもしますね。
とくに再開発が一気に進められている街などは、一過性の高騰で終わってしまわないかを
見極める必要があります。
また折も折、昨日(12月5日)は都市再生機構(UR)が高額物件を
民間や個人に売却する方針を固めたことが、日経の1面トップなどで大きく報じられています。
この先、とくに都心部の賃貸の相場が大きく動く可能性もあることを頭に入れておいたほうがよさそうです。
あと、価格だけでなくマンションのタイプも大事です。
お目当ての物件が街のニーズに合っているかどうか。
見るからに裕福そうなファミリー層がイキイキしている街ならばファミリータイプが人気でしょうし、
逆に学生や独身フリーランスふうの人が多く活躍している街ならば、
ワンルームマンションの需要が高くなるでしょう。
そうしたことを踏まえながら街を歩いて、この物件にこの賃料なら安いのか高いのかをチェックしていきます。
自分ならいくらだったら住む気になるかを想像すればいいわけですよね。
でも100もの物件を回るのは、やはり気の長い話、そういう地道なことは苦手…という先生、
大丈夫です。楽しみを見つけてしまえば、案外長続きするものだったりしませんか?
たとえば都内なら「東京ウォーカー」や「東京人」なんかを片手に散歩がてら、
家族も一緒に連れて出かけて行ってはどうでしょう?
物件までの通り道に話題のスポットや子供が遊べる場所があったりすると
家族サービスも兼ねた、充実した一日になるかもしれませんね。
物件を見て回るのは、もちろん適正価格の感覚を養うという目的があるわけですが、
いろんな街に行ってその街で暮らす人を眺めながら、あれこれと想像を膨らませる。
ちょっとした人間ウォッチングも楽しそうじゃないですか。
スーパーに行けばその街の物価がわかりますし、商店街を歩けば思わぬお店の発見があったり
通る人の年齢層やファッション感覚などで、街の活気や将来性も感じられるでしょう。
こうやっていろいろ情報を集めて、気になった物件を見て回るというのは、
考えようによっては、なかなか楽しい休日の過ごし方ではないでしょうか?
ただ、もちろん投資は楽しい話ばかりでうまくいくものではありません。
いざ所有してからは、大家さんとしての仕事が始まります。
メンテナンスや退出時の現状回復にかかるコストをどこまで抑え、
それに対して家賃をどう設定するのか?これはなかなか緻密な計算が必要になります。
大家さんとしては、この仕事に妥協は許されません。
そこは、すべて管理会社に委託するという方法もありますが、
良い管理会社を選ぶことも、やはり大家さんの大事な仕事。
つまるところ、不動産投資というのは、大家さんになる覚悟、とでもいいましょうか。
こうしてみると、結局ひとつの事業を始めるという感覚ですね。
事業の方針は長年の地道な作業で培った経験と勘をベースに定めて、
細部の戦略は緻密な計算に基づいて決めていく。
これはまさに、経営という感覚に近いと思います。
不動産はこのように、数ある投資対象の中でも他とは異なり、
どちらかというと事業を経営するのに近い、リスクをコントロールできるという要素が多くあります。
「金持ち父さん」もそうですが、向いている人にとっては、
ある意味、最高の資産運用法というべきかもしれません。
でも何をするにも向き不向きというのがありますよね。
投資もそうだと思います。
結局、向いてない人が不動産投資を始めても、ほったらかしにした結果、
気がついたら評価額がずいぶん下がってしまい、財産は目減りしていたなんてことはありがちな話です。
こうやって不動産投資についていろいろ考えれば考えるほど、
残念ながら眼力も根気も緻密さも経営センスも持ち合わせのない僕には
ちょっと無理かなと思ってしまうのです…。
JMCのスタッフの中では、決められたゴールに向かってコツコツやるのが得意で、
しかも常に数字に基づいて緻密に考える習慣がついている左脳系のA型男子、
コンサルタントBが向いているよう思えてきますが、
Bさん、どうですか?イイ話かもしれないですぜ(笑)
為替はドル円が84円を抜けたところで売りを入れ、
2日の決済でなんとか8千円ほどの利益を出したのですが、
3日朝の米国雇用統計の発表で大きく下げる直前の83円58銭で愚かにも10万もの買いを入れてしまい、
身動きが取れなくなってしまいました。
しばらくはじっとしているしかないのかなと…

※当ブログの目的は、投資に関する話題の提供であり、投資勧誘ではありません。
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