やると決めたら、最後まで

生命保険のなかでも最もシンプルなのが定期保険。
毎月一定額の保険料を支払っておき、その間に死亡したり高度障害になったりすると保険金を受け取ることができるという、
いわば保険の原型みたいな商品です。
ネット上で保険料の試算ができる保険会社のサイトがいくつかありましたので、
契約者が35歳男性、死亡・高度障害保険金が1,000万円、60歳満期の定期保険について
保険料を調べてみました。
たとえばオリックス生命にはネット専用の商品があって、
保険料は月々2,697円。安いですね。年間でもたったの3万2,364円です。
これを60歳までの25年間払い続けると、80万9,100円。
この約81万円を支払うことで、その間に万が一のことがあった場合に1,000万円を受け取れるわけですから
安いといえば安いかもしれませんね。
でも前回見たとおり、いまの日本人で60歳までに死亡する人は、おおざっぱにみて10人に1人です。
つまりこの定期保険を買った人10人のうち9人までが、ただ保険料を保険会社に支払って、
何も受け取らずに契約は満了してしまいます。
その、払った保険料を取り返す、というのが今回のお題でした。
前回登場したkさんがおススメの保険商品としては、”養老保険”がそれにあたるそうです。
生命保険は難しくてわかりづらいという話を耳にすることもありますが、
基本的には定期保険、終身保険、養老保険の3種類しかありません。
そこに医療保険や傷害保険が組み合わさったり、受け取り方を選べたり、
保険料や保険金が外貨建てだったりと、それぞれの保険会社の得意な分野で細分化されていることで、
わかりづらい印象になってしまっているだけなんですね。
一定期間の保険料の支払いに対して、保険期間もその期間内で終わるのが定期保険。
保険料の払い込み期間に関わらず、被保険者が死亡するまで保険期間がまで続くのが終身保険。
保険料の支払い期間が終わった時点で、払った保険料が返ってくるのが養老保険。
定期保険では”払い損”が起こりうるのに対して、養老保険は基本的にその心配をする必要がないということで、
まさに”払った分を取り返す保険商品”ですね。
そこで35歳男性の保険料について、ネット上で保険料などが公開されている養老保険の商品を比較してみました。
最初にみた定期保険と比べると、たとえば同じアフラックでも
定期保険の保険料が3,960円に対して養老保険だと31,580円。
保険金が同じ1,000万円でも月々の保険料はケタがひとつ違います。
なるほど、養老保険というのは払った分を取り返せる保険商品という点ではすばらしいのですが、
良いモノは値段が高い。これはどこの世でも当然の摂理ですね。
でも養老保険で受け取れる満期金というのは、払い込み総額以上の額になって返ってくるのです。
たとえば上の表のなかではメットライフアリコだと930万円程度の保険料に対して
満期保険金が1,000万円ですから約7.2%の利回りということになります。
これはなかなか悪くない利回りです。
養老保険が”積み立て保険”というふうに呼ばれるのも、うなずけますね。
こうやって見てくると、資産運用という観点で保険商品を考えるのもアリかなというふうに思えるようになってきました。
ただ、前にも触れましたが保険の場合は月々の支払いが数万円でも、
満期までを合計すると支払い総額が数千万円になることを常に頭においておかなければなりません。
もし途中で解約するとなった場合は解約返戻金なるものを受け取ることもできますが、
当然ながらそれは当初の満期保険金額よりも低く設定されてしまいますのでマイナス運用となってしまいます。
養老保険は、保険としては”払った分を取り返せる”という大変なスグレ物ですし、
また資産運用という面でも利回りの魅力があることがわかりましたが、
それはすべて、保険期間が満了することが大前提というわけです。
やはり一度やると決めたら最後まで払い通す覚悟で各社の商品をじっくりと見比べて、慎重に選ぶ必要がありますね…。

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