ミャンマー

ずっと仲良くしていた友だちが、勤めていた会社を4月いっぱいで辞めました。
彼(Iさん)が会社を辞めたのにはいくつか理由があって、
そのいちばん大きなひとつが、いま成長著しいミャンマーという国の魅力です。
Iさんと僕は、かつて僕が勤めていた出版社で同じ釜のメシを分け合った仲でした。
その会社は数人で始めたベンチャー企業で、
創業から半年も経っていなかった1996年の夏に、Iさんと僕は1週間と違わない時期に入社して、
それ以来の付き合いなのでもう16年目になります。
僕は結局そこに11年間勤めた後に辞めて、ほぼ同時期に離婚もして家を出たのですが、
そのときに僕の引越しの手伝いに来てくれたのもIさんでした。
まあそんなことはいいのですが…(笑)
ミャンマーといわれてもあまりピンと来ないかもしれません。
僕もそうなのですが、40代以上の方だと、
もしかしたらビルマといったほうがイメージしやすいのではないでしょうか?
1989年に軍事政権が国名を「ビルマ」から「ミャンマー」に改称して以来、
日本でも「ミャンマー」と呼ばれることが多くなりましたが、
海外では軍事政権を認めていない国やマスコミも多く、アメリカ政府やイギリスの政府をはじめ、
ワシントンポスト紙やアメリカの国営放送であるVOA、タイム誌などはいまだに「ビルマ(Burma)」と表記しているそうです。
Iさんは仕事を通じて、これまでベトナムやミャンマーに数十回、
取材や投資家のための視察旅行のコーディネーターなどを繰り返してきました。
そこでミャンマーという国の魅力にすっかり取り付かれたというわけです。
ミャンマーがニュースを賑わすのはというと、
民主化運動のリーダーであるアウンサンスーチー氏にまつわる情報ほとんどだったように思います。
2000年頃からはずっと、国際社会では彼女の自宅軟禁の経過が注目の的になっていました。
でも2010に軟禁が解かれてからは経済も一気に動き始め、
いま空前の投資ブームがやってこようとしているそうなのです。
軍事政権時代に敷かれていた経済制裁がここ数ヵ月で急速に解除されてきていて、
日本企業もすごい勢いで進出を始めているとのこと。
主だったところは大手がすでに手をつけているそうなのですが、
でもまだまだ未開拓の部分も多くて、個人でも入り込めるスキマはいくらでもある、
Iさんはそう踏んでいます。
JETROの資料によると、2010年度の実質GDPは5.3%。
輸出が前年度比18.9%増、輸入が55.5%増。貿易収支は9年連続で黒字。
対内直接投資額が約200億ドルと過去最高で、しかも
2010年の単年度で過去1989年から2009年までの21年間の累積投資額を超えているというから
ものすごい過熱ぶりです。
かつてミャンマー投資の小さなブームが起こったことがありました。
僕が在籍していたその小さな出版社でも、1997年にミャンマーへの投資に関する本を出したことがあったんです。
当時それはほとんど売れずに、泣く泣く数千部を断裁処分した記憶がありますが、
定価1400円だったその本が、今はなんとアマゾンで3179円の値が付いているではありませんか!
そんな夢のような急発展の国、ミャンマーで、
Iさんは当面、急激な値上がりを見せる不動産の転売や日本企業への賃貸収入などで収入を確保して、
現地で生活をしながらビジネスチャンスを伺うのだとか。
中には1年で価格が何倍にもなる物件があったり、
たとえば超高級マンションの価格が、日本と比べると信じられないくらいに安かったり。
それに対して、2、3万円もあれば1ヶ月の生活費として十分、
むしろかなり贅沢な暮らしができるということですので、
すでに現地での生活の足場となる人脈を築いている
I さんにとっては、
あとはチャンスを待つのみ、といったところではないでしょうか?
現地では今、とにかく”早いもの勝ち”、スピードがすべてという世界だそうです。
あらゆる分野が未開拓なので、最初に始めればそれがミャンマーのスタンダードになれる。
Iさんの前途に僕は心からエールを送ろうと思いますが、
たとえば放送業界なら、その気になれば日本でのデーブ・スペクター氏みたいな存在になるのは難しくない、
Iさんはそんな話を目を輝かせて聞かせてくれました。
僕はもしかしたら”ミャンマーのデーブ・スペクター”の友だちになれるんじゃないかと
心ひそかに期待してるのですが、
でも残念ながら彼には他にもっとやりたいことがあるそうです。
惜しかったです…。



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