好奇心も武器のうち

念のために一応お断りしておきますと、チャート分析の世界に足を踏み入れるということは
僕的にはとりもなおさず、”危ない橋”に一歩踏み出すのとほぼ同義ではないかというふうに理解しています。
チャート分析に関しては古くから様々な手法が研究されてきていて、
そこで説かれているルールを忠実に守っていけば、それなりに勝率を上げることは可能だとは思いますけど、
でも、もちろん絶対というものは、当然ながら、ありません。
ですので、チャート分析について深入りしますと、
下手をすると僕が通ってきた”危ない橋”に先生方をご案内(笑)することにもなりかねないですね。
“危ない橋は渡らない”というテーマから考えると、ここから先は、
実践するためというよりも好奇心を満たすつもりで読んでいただくというのが賢明かもしれません。
チャート分析を実際の投資に活用して成功すれば、それはそれは最高に楽しいことですが、
常にリスクを伴うのが勝負の世界。
ルールに忠実に則って投資を行ったところで、うまくいかない時はやっぱり損をしてしまいます。
でも敢えてここで取り上げるのはなぜかというと、
それはまあ、ひとことで言えば、面白いからです。
損得を抜きにしても、チャート研究の世界は僕も最初思っていたよりもずっと奥が深くて、
知れば知るほど好奇心が追い打ちをかけてくるのも事実です。
好奇心も武器のうち。もちろん、運が良ければ(笑)投資の勝率アップにも寄与するわけですし。
というわけで、先週お話したローソク足の発展形、
本間宗久が発明したとされる”酒田五法”のエッセンスをちょっとだけご紹介しますと…。
代表的なのが、三山(さんざん)と呼ばれる形で、
チャートが描く流れが大きく3つの山のようになっている場合は、
これから相場が下向きになるというパターンですね。
とくに真ん中の山が少し高くなっているのを三尊(さんぞん)と呼びますが、
これは海外でも”ヘッドアンドショルダー”と呼ばれていて、
実際にいろんなチャートでしばしば見られる売りサインです。
なぜ3回目に下がることが多いのかというのも気になりますが、
これはたとえば自分が持っている株がいま値を上げているときの心理状態を考えれば分かります。
相場が一つの山を過ぎてから一旦下がってからまた上げてというのを2回繰り返しますと、
上昇の勢いが鈍ったのではないかとふつうは感じるでしょう。
そして3回目の山が2回目の山よりも低かった場合は、これはそろそろ売っておいたほうが無難かな、と思ってしまいます。
大勢の人が同じチャートを見て同じようなことを考えているわけですから、
結果としてそこから先は下げ相場になるというのもうなずけますね。
相場は(とくに短期の取引の場合は)心理戦の側面が大きいということを、あらためて感じらさせれる基本法則です。
酒田五法は数あるチャート分析法のなかでも日本人の発想のしかたや心理の読み方が反映されていて、なかなか味があります。
他に三川(さんせん)、三空(さんくう)、三兵(さんぺい)、三法(さんぽう)というのがありますので、
興味を持たれた方は、どうぞこちらの橋のほうへ(笑)…。
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