スワップ運用

“FX長者”という言葉を耳にするようになってから、もう何年も経ちますね。
FXについて知られているのは、どちらかというと時間に余裕のある主婦や、
脱サラしてデイトレーダーになった人などが活躍する世界というイメージではないでしょうか?
手数料が格安だし、レバレッジを使えば少ない資金で大きな取引ができるので
莫大な利益を手にすることも可能。
逆に、油断すると莫大な損失につながるリスクがある…。
お忙しい先生方には、ちょっと難しいかなと思われてるかもしれませんね。
危ない橋は渡らないというポリシーからすると、
FXのイメージはもしかしたら対極で、ハイリスク・ハイリターンの短期投資型
といった印象でしょうか。
でも長期投資向けのFXというのもありますので、
あらためて注目してみてはどうでしょう?
金利差(=スワップ金利)を利用したFXというのがそれです。
金利の安い国と高い国との金利差のことを”スワップ金利”と呼ぶのですが、
日本のように低金利の国で、金利の高い国の通貨の”買いポジション”を持ち続けると、
そのスワップ金利分を毎日受け取ることができるという仕組みです。
スワップ金利についてはFX業者によってスワップポイントが毎日決められていて、
FX業者比較サイトをみると、たとえば10月28日時点の各社の
スワップポイント一覧が載っていたりします。
これは1万通貨あたりの買いスワップの比較一覧ですので、
たとえば外為オンラインで1万米ドルの買いポジションを持つと、
1年後には
  4円×365日=1,460円
のスワップポイントが受け取れるというわけです。
これが、たとえばオーストラリアのような高金利国の通貨だと、
  111円×365日=40,515円
となり、こうなるとちょっと魅力的に見えてきますね。
つまり1万豪ドル(今のレートで80万円弱)で1年後に受け取れるスワップポイントは約4万円、
しかも実際に必要な証拠金は、十数万円とかで済ませることもできるわけです。
(レバレッジの掛け方にもよりますが)
頻繁な取引をせずとも、日々じわじわと殖えていく。
FX投資でありながら、感覚としては金利が高い時の定期預金みたいなものでしょうか。
少ない資金で投資できますし、もちろん満期なんてないので
定期預金よりもずっとおトク感がありますね。
FXの中でも”スワップ派”の人たちは、”デイトレ派”の人たちより地味に映ります。
相場を読んだりチャートを分析したりする必要もないので、
“勝負”というよりは、”資金計画”という感覚ですね。
興味をもたれた先生がいらしたら、
まずはFX業者の研究あたりから始めてみるのがいいのではと思います。
ただこのスワップ運用にも、もちろんリスクはあります。
金利差を利用しているからには両国の金利の変動に左右される部分からは免れません。
たとえばもしいま日本の金利が急に他国よりも上がったら(あり得ない話ですが)
買いポジションだと逆に損失になってしまうわけです。
(そのとき利益を出すには、逆に売りポジションにすれば良いのですが)
また、金利の高い国の為替は概して変動しやすいとも言われます。
為替が大きく変動したせいで、コツコツと貯め込んだ金利が一気に吹き飛んだ
なんて話もありますので。
デイトレ派のように仕事中まで数時間ごとにチェックする必要はありませんが、
外国為替に投資している以上は、その通貨の国の金利や為替相場の動向には
なんとなく気にかける程度でもいいので、最低限の関心は持っておく必要がありますね。
そしてくれぐれも”相場の予測は外国為替がいちばん難しい”をお忘れなく…。
ところで前回、ドルの買い場か?なんて言っちゃいましたが、
なんだかホントにそんな気がしてきたので
実は先週こっそり自分でも少しドルを買ってみました。
次回以降は、その辺のレポートも交えていきたいと思います。



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