プラスワンという発想

尖閣ビデオ問題が毎日のように報じられて、
日中関係もますますややこしくなっていますね。
そんな中、投資家向け情報サービスのブルームバーグが12日に発表した
“投資機会番付”では、なんと中国が1位になったそうです。
同社の世界の端末ユーザー1030人を対象にした四半期調査によると、
向こう1年間で最も大きな投資チャンスを提供する国・地域として
中国を選んだ回答者が全体の33%に達したとのこと。
ちなみに2位はブラジルの31%、3位はインドの29%、4位が米国は23%。
投資家の間では、やはり新興国市場への期待が高いんですね。
中国株の動向を示す香港市場の4つの指数を見てみると、
たしかにこの2年間、揃って右肩上がりになっているのがわかります。
代表的な指標であるハンセン指数は2年前と比較すると56%の上昇。
またGEM指数はNASDAQ指数の香港版とも言われるとおり
新興のハイテク関連、IT関連企業が多く集まっている市場の株価指数ですが
こちらはなんと122%ものアップを見せています。
こうしてあらためてチャートや数字を見ると、中国市場への注目度が高まっているのもうなずけますね。
特に証券会社系のサイトなどではかなり積極的に本土系の個別銘柄が紹介されていますし、
他にも最近の中国投資関連のニュースとしては、こんなのがあります。
~世界銀行と中国国際金融公司が4日に共同で発表した「2011年ビジネス環境報告」による
と、世界の各経済体が過去5年間に行った国内企業に向けてのビジネス環境の改善で、中国
は最もペースが早い15の経済体の一つに選ばれた。~
(11月5日「人民網日本語版」)
~2010年11月11日、中国経済網によると、米大手民間調査機関のコンファレンス・ボード
(CB)は10日、中国の国内総生産(GDP)が購買力平価ベースで2012年に米国を抜き、世界
最大の経済体になるとの予測を明らかにした~
(11月13日「レコードチャイナ」)
こう見るとなんだか中国がバラ色の投資天国みたいに思えてきてしまいます。
ただ中国投資については、常に”チャイナリスク”が付きまとうことも
忘れてはいけないですよね。
今まさにホットな尖閣湾沖の漁船衝突事件もそうですし、
抗日デモや毒入り餃子事件なども記憶に新しいところです。
チャイナリスク…
この”相手が中国人だけに何が起こるか分からない”といった物言いは、
当の中国人の方々にとっては実に心外なことなんじゃないかと僕は思うのですけど、
まあ大勢の人が大変な目に遭ってきたからこそ定着した言い方なわけですから
言葉とはそういうものなのでしょう。
僕がまだ出版社で駆け出しの編集者だった頃に担当させていただいた著者に、
中国通としても知られているジャーナリスト、宮崎正弘氏がいます。
氏は世間でチャイナリスクという言葉が使われるよりもずいぶん前から
中国におけるカントリーリスクについて強調し続けてきた一人です。
雑誌”SAPIO”などでも活躍されているのでご存じの先生もいらっしゃるかもしれませんが、
政治思想や国際情勢にもとても精通されていて、
しかも自分の足で独自に取材した情報で勝負するあたりに、
僕はジャーナリストの心意気みたいなものを感じて、あこがれたものです。
ただ当時から経済ヘタレだった僕は、氏の情報量の多さと鋭い分析力とには
なかなかついていってませんでしたが(笑)
最近『上海バブルは崩壊する』という著書を出されていますし、
密度の濃いメルマガをほぼ毎日配信されたりと、精力的な続けていらっしゃるので、
中国情勢、とりわけリスク面についてご興味を持たれた先生は、
一読されてみてはいかがでしょうか?
話を中国投資に戻しますと、
中国が今、驚くべきスピードで経済的に急成長をしているのは世界が認める事実ですので、
危ない橋を渡らずに投資できる道というものが、ありそうなものですよね?
考え方としては二通りあります。
ひとつは、チャイナリスクをリスクとしてしっかり認識して対処すること。
つまり投資先を中国だけに集中させない。
中国と、あともうひとつ、というスタンスを保っていくこと。
いわゆる”チャイナ・プラスワン”です。
これも中国人の方々の身になってみると失礼千万な用語かなとも思うのですが、
とはいっても、リスク分散という投資の基本を確認する意味でも、わかりやすい考え方ですよね。
プラスワンという発想。
リスクを孕んだ何かに挑戦するときには、いつでも出せるところに用意しておきたいものです。
そしてもうひとつの考え方としては、リスクが最も少ないと思われる方法を選ぶこと。
ヒントは、今年(2010年)の春頃から”秒読み段階に入った”とも言われる、人民元の切り上げです。
これについては次回、もうすこしお話をしたいと思います。
ところで先週は、ドルが少し動きましたね。僕はこのときを待ってました!
僕は9日夜に80円台半ばまでドルが下がった時にさらに15万の買いを入れたのですが、
これが大当たりでした。
明けて10日の朝10時には81円台半ばまで、1夜にして約1円動いたことで、
15万ほどの利益を確定できました。やりました。
その後も細かい売買を何度かしましたがこれといった成果はなく、
11日につけた82円28銭で、買いのポジションを持っています。
83円あたりまではこのままで頑張ろうかなと思っています。

※当ブログの目的は、投資に関する話題の提供であり、投資勧誘ではありません。
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